スキッシュに関する議論

G/S

それはそうと、以前スキッシュなしで中間トルクがなくなったとかの話があったと思うのですが、スキッシュカットの形状と性能ダウンの領域とかもう少し詳しく教えてくれない?


にゃじごん浅野

某HKS秘伝の書によると、スキッシュあったほうが中速域の対ノック性は上がるそうだ。しかしS2000はノーマルでスキッシュが無い。9000位ぶん回すには必要無しってこと?

スキッシュあった方が中速の燃焼速度は速くなり、高速ではじゃまになるってこと?中速、高速って何回転のこと?ロードスターのレッドゾーンはVTECの中速じゃん・・。


まつざき@MBW

余り突っ込まないでくださいね、まともに記録を取っているわけではないのです・・
スキッシュカットの形状ですがR&S誌のNo19の19ページに載っているイン○グラル神戸のをまんまぱくっています。後できづいたのですがこれって多分ターボ用なのですね〜

スキッシュある無しを議論するならちゃんと圧縮を同じにして比べなくちゃいけないと思うので、かなりいい加減な話になっちゃいますが・・・比較対象は私の今積んでいるスキッシュカット車v.s.スキッシュ落とす前の私のエンジン&同じMSピストンとマルハカムを組んだ弟の車。絶対的なパワーカーブの高さではなく山の形で考えてみてスキッシュを無くしてしまったほうは5000までくらいまでかったるいです。アクセルへの応答が鈍い感じです。弟とよーいどんで競争するとその辺まででノーズ分くらいは軽く置いていかれます。でも走った感じからするともっと差が付いてもよさそうな気もします。そこから先の回転域では変わらない感じです。7000手前くらいで私のが少しだけ伸びる感じで追いついていく気もしますが中回転までの遅れに比べるとそんなに差はないと思います。弟のに乗るとアクセルワークの楽なことに驚きます。37φのベンチュリーが入っていますが息つきを誘発することなく気楽に踏み込めます。これが羨ましい。ノーマルエンジンにマルハカム、37ベンチュリーでも今のスキッシュ無しよりは楽に走れました。

いずれログを取ったりしたわけではありませんのではっきりした事は言えないです。

一緒に普通に走っているときの(使う回転数はそんなに上がらないですよね)排気音を聞いていると同じ大きさレイアウトのサイレンサーがついているとは思えない甲高さや音の張り・切れに参っているのが正直なところです。どうセッティングしてもあの音が出ない・・・

>某HKS秘伝の書によると、スキッシュあったほうが中速域の対ノック性は上がるそうだ。
>スキッシュあった方が中速の燃焼速度は速くなり、高速ではじゃまになるってこと?
スキッシュに対する考え方はいろいろ有るみたいですね、一部分を取ると正反対にも見えますね。
基本的に燃焼室には燃えにくい部分と燃えやすい部分があって厳密には空燃比が違っているんだろうと思います。前の燃焼の残りの排気とか新気の部分とか、更に新気の中でもガスの霧化の良いところ滴になっているところ。 これらを一気にかき回してやるのがスキッシュの役目だと思っています。そうすることで燃焼速度が安定し耐ノッキング性が上がるんだろうと。ノッキングは未燃ガスの仕業ですから燃焼速度を上げることで耐ノック性は上がる、一方で燃焼室形状はスキッシュを優先することで(特にノーマルでは)先細りにしにくくなり逆に耐ノック性は落ちるという両面性があるのでは、と。両立させようとしているのがホンダのRシリーズじゃないのかなあ。はじめてみたときてっきりチューナーの仕業だと思ったです、まさかノーマルとは思わなかった・・

こんな感じでイメージしてはいますが・・ >中速、高速って何回転のこと?ロードスターのレッドゾーンはVTECの中速じゃん・・。
そうなんですよね、9000回るエンジンですもんね・・・ある意味データの基準も違うかも。 私なんか今回のエンジンでも8500までと考えているのにぃぃ


G/S

>某HKS秘伝の書によると、スキッシュあったほうが中速域の対ノック性は上がるそうだ。
そうですか。実際の体験談でもそういう感想だとするとやっぱりそうなのか・・

勝手な想像だと中速領域くらいの吸入速度ではスキッシュの壁のせいで混合気があまり端の方にいかず、プラグまわりに比較的濃いA/Fになっていて、レスだと燃焼室全体に攪拌されて薄くなるような・・逆に吸入速度の速い高回転だと攪拌が凄いのでもうプラグまわりがA/Fに差がないし、点火後は例のスキッシュ先端部の細いところにもフレームが行き渡るため異常燃焼限界は高くなる・・でターボはA/Fは全域濃くしているから中速域でもプラグ付近でも濃い?ので気にならないということかなあ。
ということは中速付近の燃料MAPをスキッシュ有無で変えれば大差なくなり、高回転での異常燃焼限界はレスのほうが高いということなのかな?(都合よすぎ?)
なぜ中速でとかターボならレスでOKか?をこじつけるとそうなるかな・・ スキッシュ有無それぞれで燃焼室内のA/F分布が回転数毎で取ったデータあればいいのだけれど。

弟さんの仕様とはA/Fとか点火時期は同じではないですよね?


にゃじごん浅野

某有名ショップのゼロヨンGT−Rは10秒を切るマシンが何台かあるけど、スキッシュは有るのと無いのがありますよ。結局、チューナーの好みなんですかねぇ・・。浅野のは、面研してでかくなったスキッシュを圧縮比合わせのため半分くらいおとしました。帳尻あわせで削れるところそこしかなっかたんで・・・すげーーいいかげん・・・。


まつざき@MBW

>弟さんの仕様とはA/Fとか点火時期は同じではないですよね?
点火時期は私のより4500までで若干遅れています、大まかに言って3〜4くらいです。 燃調は厳密には燃調とは意味が違いますがジェットで言うと私より1〜2番濃いのを呑めています。

これの意味するところをG/Sさんのレスと合わせてもう一度考え直して見ます。オートワークスとHKSの本を引っ張り出さなきゃ。

にゃじごん浅野さんの仰っているGTRの話は私も聞いたことがあります。昔は間違いなく落としていたのですが今は落とさないのが流行っているらしいですね(以前BNR32に乗られていたケムンパスさんも同じ事を仰っていた)。しかし単純にスキッシュ形状に手を加えてなくなったという意味ではなく何らかの耐ノック性を上げる工夫はされていると思いますよ。

私がシャシをかけてる店は主にドラッグを得意とする店で、RBをもっとも得意としています。やはり今はスキッシュは落とさないそうですがちょっと人に言えない燃焼室形状にしている、らしい。私はここの常連ではないので見せてもらえないのが残念無念、とっても見たかった<誰かこの手の燃焼室を見たことある人がいればレスください。

面研前に行う燃焼室の加工はほぼ終了したので昨日私の燃焼室の容積測定を行いました。51.5cc〜52cc強くらいです。ノーマルよりはやはり1ccほど大きくなっていました。粘度盛りしてみないと分からないですが、面研のみでここから圧縮12.5まで持っていくのはかなり辛そうです。現実問題としてはスキッシュを弄ることは出来ないかも・・・ちょっと角を落としてみたいんですが。


G/S

>結局、チューナーの好みなんですかねぇ・・。
あんまりスキッシュどうのこうので絶対的な差がでる程変わらないってことなんでしょうか。 確かに圧縮比調整としてスキッシュを弄るのが正解なのかもしれませんね。


G/S

弟さんがスキッシュ有りで燃焼速度が速いってことなら要求進角はリタードになるのでそうでしょうね。ただキャブの事分からないのですがリッチというのが予想とは反対ですね。
レスの方が中速域でリッチにする必要があるって思ったのですが、いろいろ試されたようなので効果無かったのでしょう。あー分からないですね。

>やはり今はスキッシュは落とさないそうですがちょっと人に言えない燃焼室形状にしている
見てみてー!!


まつざき@MBW

>ただキャブの事分からないのですがリッチというのが予想とは反対ですね。 単純に燃えが良ければ次の燃焼で新気が入りやすいのでガスも入れられるんだろうと思っていました。
G/Sさんにゃじごんさんにとっては当たり前の内容ですが、自分の頭の中を整理するのに少し書いてみます。単にスキッシュといってもいくつかキーがありどれを経験やデータから重要視するかということだと思うので私が結論を出せるわけでは無いのですが。

耐ノック性=点火時期が何度なのかではなく点火時期をMBTにセットできるかどうか。
燃焼速度が速い=点火時期は遅れる=MBTも遅れる。
燃焼速度が速ければ耐ノック性は高くなる。

スキッシュの持つ意味。
スキッシュ流を起こす
燃焼室をコンパクト化する=火炎伝播距離を短くする
・・・ともに燃焼時間を短縮させることでノック限界を上げる意図ですよね。

>某HKS秘伝の書によると、スキッシュあったほうが中速域の対ノック性は上がるそうだ。
燃焼室をコンパクト化することとで燃焼を早く終わらせられるからMBT(近く)に点火時期をセットできる、ということですよね。さらにこの本によるとスキッシュにより押し出された混合気が燃焼室中央に集められる事で濃い状態となり点火しやすくなるそうです。点火直後の火種の強さは火炎の広がりの速さにも影響するらしいですね。

スキッシュ無しの意味。
燃焼室形状を先細りにし易い=混合気の分布を相対的に中心よりとすることで耐ノック性を上げられる。

ただ燃焼そのものは時間が掛かるようになり点火時期は進みます。それは良いのですが燃焼が悪化した結果として吸入に影響してしまう。しかし強制的に押し込める加給気付きの場合はそれほど問題ではなく、ターボなら未燃ガスが多くなることも排気管で後燃えして排気温度が上がることで逆にタービンを回す役に立ったりするのではないでしょうか。

>勝手な想像だと・・・・
これも当たっている気がします。

燃焼速度の話が出ると点火の強さ、A/Fも関係してくるのでとっても難しいです。色んな要素を含んでますね>スキッシュ。燃焼室形状の大きなところですから当然か・・。


NuMaTeC

オイラはスキッシュ取った事ないのでよくわからないですが、 ホンダは4バルブのくせに中低速でスワールを使うので、ああいう燃焼室になるのだと思ってました。


まつざき@MBW

>ホンダは4バルブのくせに中低速でスワールを使うので、ああいう燃焼室になるのだと思ってました。
!?ペントルーフでスワールなんて思いっきり無視してました。L型はじめ過去の技術だと思ってました。タンブル流でさえスキッシュの起こす気流の前ではほぼ無意味に思えるのに・・・


スキッシュエリアの件で白熱していますね 私の考えとしてはこうです 車よりも超高回転域でのトルクを大事にしたいバイクのエンジンでさえ多数にそれは存在しています ということは?
ホンダの例のブツはスキッシュエリアが無いのではなくて そのエンジンのパフォーマンスに合わせて適切な隙間にあわせこんであるのではないかと邪推しています
ホンダがその結果を公表すればよいのにね


へなちょこ馬

スキッシュの有る無しと言うより、エンドガス(?)を上手く燃やすにはどうしたら良いかってことじゃないかと思うんですが・・・G/Sさんのページにも出てくる、逆スキッシュ時(ピストンが上死点を過ぎた後)にペントルーフ部分からスキッシュエリアに向けて、火炎がスムーズに素早く燃え広がればハッピーになれると思うんです。スキッシュエリアを削っているんじゃなくて、ペントルーフ部分からスムーズにつないでいると考えたほうが良いように思えるんですけど・・・。火炎がスムーズでなくて、乱流が大きかったりすると、燃えない領域がはじに追いやられずに残ったりしてピストンやヘッド下面にデトネの痕を残すと・・・勝手に思ってます(^^;


まつざき@MBW

容積合わせで削るとすればどこですかね? ペントルーフの肩は削りやすいですけど論外、出来るだけプラグ近く=燃焼室中心を削りたいですけど実際には難しいですよね。プラグ横の出っ張りはプラグへのカーボン噛み込みを防止し過熱を防ぐ「バリア」ですからこれを削るのも駄目でしょうね。ペントの屋根の高さを上げるのは燃焼圧力を受け止められなくなるんじゃないか・・・ってターボでも平気で使えるんですからそんなことは無いのかもしれませんがなんかできれば嫌(笑)他の方法を考えたいです。ってことになるとやっぱりスキッシュになるかなあ。

で、スキッシュです。

>車よりも超高回転域でのトルクを大事にしたいバイクのエンジンでさえ多数にそれは存在しています
バイクは高回転回す。エンジンはスキッシュがついている・・・=スキッシュがあるほうが高回転でトルクが出る、ではないですよね。スキッシュあっても高回転でトルクは出せる、とは言えますけど。

>ホンダの例のブツはスキッシュエリアが無いのではなくて
  >そのエンジンのパフォーマンスに合わせて適切な隙間にあわせこんで
>あるのではないかと邪推しています
これはその通りではないかと今は私も邪推しています。

バイクでも車でもペントルーフの燃焼室容積を減らそうとすればスキッシュ面積は増えるでしょう。一般的に車に比べバイクはボアがでかくストロークが小さい、バルブが大きい、挟み角が広いんじゃないかと思うのですが(当たっています?)そうなるとより容積はでかくなっちゃう、スキッシュ付けたい付けたくないじゃなく、まず圧縮稼ぐために必要になるでしょう。

バイクの燃焼室を良く知らない(ブロス君はSOHC3バルブだし・笑)ので本当はどうだか分かんないですが・・というか設計のことをG/Sさんの前で語るのはとってもお恥ずかしいんですけど(^^;

某誌で某T永氏が「設計者はスキッシュ有っても問題なければそのまま残してしまう」しかし「これからの燃焼室はスキッシュ無しで設計していって欲しい」と語っていましたよね。レース用エンジンを設計させたら秀でている氏(笑)の言うことですから設計するとき考える順番はそういうことなんでしょう。ちなみにこの時まな板に上がったのはS2000です。スキッシュ形状を評価していましたっけ。ホンダのデータは是非知りたいですよねえ。

馬さんの書いてくださった内容に(今は・笑)賛成、全く同じ意見です。 燃焼室の形状を考える際にどうしてもピストン上死点位置で考えてしまいますが(モノの本は大抵その位置のイラストが出ているし)実際はピストンは動いているわけでスキッシュ部分でも燃焼は起きているはず、スキッシュまで如何にスムーズに火炎をひろげるかを考えピストンを押し下げる力を少しでも得ようとするか、逆にスキッシュ部分に有る混合気を出来るだけ少なくして燃焼の初期で相対的に多くの燃やしきっていくことを考えるのか。

でスキッシュと一言で言っても形が色々有って切り立った形状だと燃焼がスムーズに進まず、結果として燃焼後半で圧縮される未燃ガスが多くなりデトネーション、ノッキングを起こしやすい、と。

この議論で私の作るべき燃焼室形状がはっきり見えてきた!!皆さんありがとう!!
大体の構想はあったんだけど、これではっきりしました。

>スキッシュエリアを削っているんじゃなくて、ペントルーフ部分からスムーズにつないでいると考えたほうが良いように思えるんですけど・・・。
そのとおりですね、でもノーマルの燃焼室でスムーズに繋ぐことを考えると圧縮が落ちちゃいますよね。バルブとピストンが絶対接触しないようにしなくてはいけないノーマルでは基本的に出来ない相談ですね。ぶつかる可能性が有っても良いなら極端な話、スキッシュの厚み分を丸ごと面研すると良い形になりますね!NuMaTeCさんの前のXエンジン、ブロー時にもデト跡は無く綺麗なもんでしたよね。
#NuMaTeCさんが「おいらはスキッシュ取ったこと無い」と仰っていましたが、鬼面研じゃ取り様が無いでしょ!?


G/S

馬さんが美味くまとめられたように逆スキッシュ(ピストン下降)の段階以降であればスキッシュレス(=滑らかに先細り)がいいと思ってます。 実際、スキッシュクリアランスを増大させるとHC(未燃ガス)が減少するデータがあります。
つまりスキッシュ隙間のガスが燃焼しやすくなるためです。ですから当然、異常燃焼にも効果はあるはずです。
なぜ、まつざきさんにレス仕様のインプレをお聞きしたかというとやっぱり「中速域でトルクが出ていない」という事実が気になったからです。他にもそんなことをきいたことがありましたし・・

ですから今問題にしたいのは、上死点前の点火後の燃焼圧の立ち上がりなんです。 ここで一気に燃焼速度が上がるか?もう少し専門用語?では「初期燃焼割合」がどうか?ってことです。どうもダラーと燃焼し、圧が上がり難いのではとも疑ってます。
これはA/F分布とも絡んでいると思うし、ていうことは吸気の混合ガスの流動が少し良くないのかな?と思ってます。結局、燃焼は吸気の流動からピストン下降の逆スキッシュまでのトータルでどうか?な訳で、前半部分で疑問点があるので結論はまだ出せないですね。

バイクの圧縮比っていくらが相場?か知りませんが、ピストンTOPで圧縮比を稼ぐよりスキッシュの方がましなだけかも・・


G/S

>ちなみにこの時まな板に上がったのはS2000です。スキッシュ形状を評価していましたっけ。ホンダのデータは是非知りたいですよねえ。
おっとT永さんがF20Cのスキッシュについて意見してるんですか? どんなことが書いてあるのか知りたい!です。
恥ずかしながらその某誌は角さんに聞いた2ヶ月前から読んでいますが・・


まつざき@MBW

やはり初期燃焼圧力の立ちはノーマルのスキッシュに一歩譲るんじゃないでしょうか?プラグ付近=燃焼室中心にある混合気は少しでも多い方が良いでしょうし。私がスキッシュを落としたときも点火時期が進みました(=耐ノック性が高い、と思った自分はお馬鹿さん(^^;)落とし方を上手くやっても多少は影響しちゃうんじゃないかなあとイメージしています。

現実面では点火を進めることで多少はチャラにできますよね。

>ていうことは吸気の混合ガスの流動が少し良くないのかな?と思ってます。
Cfを悪化させること無くタンブルを強められれば改善できるでしょうか。ポートでは不可能とG/Sさんが結論出してくれました。しかし(私はソレックスなので出来ませんが)マニを上向きに角度をつけて取り付けることでタンブルを強める方法があると林教授(だったかな?)が書かれていたと思います。

>ピストンTOPで圧縮比を稼ぐよりスキッシュの方がましなだけかも・・ そのとおりでしょう、足し算引き算でスキッシュを選択しただけかもしれませんね。何れ設計の話を持ち込んでしまうと要素が多すぎて分かりにくくなります・・・失敗(^^;理想はフラットピストンで(いや、ポルシェのお椀かな?)燃焼考えた場合トップ形状が影響大としているんだろう、とは言えるでしょうね。

>どんなことが書いてあるのか知りたい!です。
おっけー、丸々行きますよ〜

さて燃焼室のことに話を戻しましょう。
燃焼室は高回転に配慮した設計をしています。レブリミットの8800回転まで回すからスキッシュを嫌ったのかスキッシュエリアは設けていません。実際の話、これからの技術者は燃焼室のスキッシュを無くして欲しい。高出力エンジンの場合、スキッシュで変な乱れを作るのは良くない。いわゆるスキッシュが有効になるのは、ボア全体の面積の25%以上スキッシュが付けられるエンジンだけで、それ以下では効果がありません。

つまり、エコノミーエンジンに対して有効な技術であって、ハイパワーエンジン向けのものではない。高出力エンジンでは嫌な要素が色々と出てしまいます。

技術者は例えば、200PSなら200PSに向けた設計しかしないので、その範囲以内でスキッシュを付けても大丈夫なら付けてしまう。そういう場合は実際にスキッシュを取り除いてしまうと、ある回転域でトルクが落ちます。ただ、チューンアップするエンジンとして、そのベースを出すなら最初からスキッシュを無くしてもらったほうがやりやすい。燃焼室を削って剛性を落とすのは怖いことです。いずれにしても、F1のエンジンにはスキッシュが無いというのから考えてみても高出力エンジンにはスキッシュは必要が無いことが分かると思います。

このエンジンはEGRを使わずに、2次エアをポンプでEXHポートに送り込んで酸素過多にしてCOやHCを酸化させて排ガス対策をしています。従って触媒は3次元キャタライザーを使っている。2次エアは当然のことながら、一番効率が良いようにEXHバルブに向かって吹き付けています。


G/S

まあそれにしても、氏らしく大雑把なコメントですねー(笑)林氏とは対極か?
25%スキッシュエリアのエンジン、そうないのでは?
ところでF20Cって「スキッシュなし」って、一般的認識なんでしょうか?僕はてっきり段差はあれど、「スキッシュ有」って思ってました。(笑)
今のF1エンジンて17000くらい回るんでしたっけ?一万数千回転以上がパワーバンドって言うエンジンと同列扱いか?

>マニを上向きに角度をつけて取り付けることでタンブルを強める方法がある
これも検討したことがありますが、確かに変わります。ただタンブル比0.5が0.6〜0.7ぐらいに変化するだけで、ヘッドポート先端形状だけで0.5から1.5とかに変化させられるのに比べれば、ゴミ?見たいなものと判断してます。ただ、うそではないので厳密にいえば林氏が正しいです。


まつざき@MBW

F1に限らずハイチューンのレースカーは3000回転でアイドリングとかって平気で言いますからね〜(笑)あんなのと一緒にされちゃたまらんです。F1参考にしても速くならんでしょうがねえ。

マニでタンブルの話、やっぱりそうなんですね、G/Sさんとやり取りすると数字がモノを言うなぁ、って感じます。やっぱりデータって凄く重たい。燃焼の話なら盛り上がれるのはデータが取りにくいからなのかも。ロータリーなんかこのあたりレシプロなんか足元にも及ばない位熱いでしょうねえ。


くーぺ

3Dスキッシュ!?
  ピストンのコンプレッションハイト部分だけじゃなくてクラウンまでの傾斜もスキッシュとして考えたら・・・
超ショートストロークのレーシングエンジンの場合はほんと圧縮比確保に苦労します。
燃焼室形状の仕様変更と共にピストンも同時に3Dでマシニング加工して適正なマージンを確保してます。リューターで最終形状を作っていた頃には考えられなかった事ですね。


まつざき@MBW

>超ショートストロークのレーシングエンジンの場合はほんと圧縮比確保に苦労します。
それで3Dスキッシュと。適正なマージンというのはやはり先細り形状なんでしょうね?
素人がそこまでは出来ないから、考えるとすれば燃焼室アルゴン盛りですね、3D燃焼室形状は盛り方の参考になりそうです。どこかに画像無いですかねぇ?


鈴木”角”

 くーぺさん 3Dスキッシュというのはトヨタの新低燃費エンジンの斜めスキッシュと似たものでは? 詳細はG/S氏のHPに解説が載っています
でですね 私はそのことで疑問に思ってHideさんに聞いたのですよ 新たに莫大な設備投資をしてまで低燃費エンジンの為にヘッド&ピストンを新規に作ると さらにパフォーマンスを狙ったアルテッツアの3Sではインマニ関係も新造ですよね でもその3Sのピストンはなんら変哲の無い普通の形(REV別冊のS2000本でS2000ピストンと比較されサイマーに酷評されていました) そして同社の最近出てきたパワー狙い系のエンジンでも斜めスキッシュなどの新燃焼室は採用されていないということでした ヘッドやピストンを新造するならいっそのこと今までとは違うそういう燃焼室になっても良さそうなのに? 次回のホンダの低燃費エンジンとパワー志向エンジンとの燃焼室比較をしてみたいですね そこに解答が見えてくるのでは

BIKERS STATIONの1998・5月号に面白い燃焼室の写真が載っています オザワRDにて作製されたSUZUKI GSF1200に搭載のGSX−R1100油冷エンジン(1246cc)なのですが なんと後輪出力で170PS以上!!! クランク軸出力ならば185馬力オーバー!?
チューニング内容は圧縮比11.97 カムはGSX−RのSTD それにトップフォーミュラー!?のピストンをトップ加工して組み付け 当然ピストンに合わせて燃焼室を肉盛り形状変更とこの燃焼室こそ 斜めスキッシュでは? 真上から見た写真一枚しか載ってはいませんがこれだけでもバックナンバーをとる価値はあると思いますよ


hide

>3Sは古いラインでヘッド燃焼室加工設備に金掛けれないとか(笑)冗談です。

そうだったりして(笑)詳細は不明です
3Sのピストンはショボイですね。でもあれで230出していた実績があるんですよ。(カムは違いますが・・・)でも、T社系パワー狙いエンジンのピストンは普通の作り(スキッシュが)をしていますね。今日も新しいピストンを見つけたんですよ。ピンの横をえぐって軽量化してあったんですが普通の形していましたね。
某HP(皆さん分ると思いますが)のピストンも最近の物なんですが普通の形ですよね。
うーん難しい・・・
F1のピストンは参考にならないし(笑)

>斜めスキッシュのMR−S用1ZZ−FEは、可変リフト付きでセリカにも使ってますよね。
>あれって斜めスキッシュじゃないのでしょうか?

ちょっと分らないので来週調べてみます。


hide

調べた所2ZZ−GEは斜めスキッシュではありませんでした。ピストンの形状は1ZZ−FEでは外側が全周に渡って斜めで、真ん中がへこんでいます。2ZZ−GEでは普通に盛り上がった形状をしています。斜めスキッシュ良いのなら2ZZでも使うと思うんですが・・・なぜでしょう?

燃費を稼ぐ為には有効でもパワーを出すにはあまり重要じゃないって事?
良く分らなくてすみません>G/Sさん

ちょっと話題に乗り遅れた感じは否めませんが・・・
ホンダのスキッシュなんですが、マスキングについても効果がありますよね。バルブ周辺の機械加工の段差が無くなる(減る)というメリットも大きいし・・・
低速トルクが無くなっても、それを補える可変バルタイ、可変リフトを使ってカバーできるという条件付きで理想的な燃焼室形状って事になるのかなぁ

本当の所どうなんでしょう?>くーぺさん


G/S

hideさん、忙しい中ありがとうございました。 これではっきりしましたね。同じ新型?でも明らかに使い分けている。
燃費系エンジンには斜め、パワー系にはコンベンショナルという使い方をしているのは間違いなさそうですね。高回転域でトルクを出すのに逆スキッシュ流は必要ないということか?
むしろ他にもっと重要なことがあるのかな・・


くーぺ

ちなみに3Dのスキッシュの話はボアの大きなレーシングエンジンの話ですよ。 バルブマスキングエリアを取り除く=スキッシュエリアの減少と燃焼室容積&燃焼面積の拡大という相反する要件を満たすためでしょう。
ホ*ダの量産エンジンにかんしては最近見てないのでよくわからんです(笑) けどピストントップの形状とセットで考えるって言うのはどっちも同じ事でしょうね。
理論的にどうっていうのはわからないです(笑)


まつざき@MBW

hideさん、素早い調査ありがとうございます、やっぱり使い分けていましたか。その理由は・・・G/Sさんでもはっきりしないかぁ、ホンダタイプReng.同様マスキング量低下にはメリットあるのは間違いないのですから燃焼面でしょうねえ。わざわざ斜めにした分のスキッシュの効果を引き出すには条件変化に点火時期をシビアに対応させる必要があるのかなあ・・・わかんないや。
馬さんの教えてくれたヘッド側燃焼室の面積=45.6ってことは、ノーマルボアだとシリンダー側燃焼室面積=54ですから、ボアに対するスキッシュ面積率=15.5%。T永氏の言うとおりだとすればこれじゃあスキッシュ流の意味はないことになっちゃいますね。しかし現実にはスキッシュの効果は確実にあるとおもいます。ちなみにヘッド側無加工として85φボアでも19.5%ですね。氏の意見は(G/Sさんの仰ったように)大雑把な意見、として捉えておきましょう。



TOPへ

inserted by FC2 system