TOP -週末の楽しみ〜ROADSTER SIDE〜その壱

1月6日〜8日

ブロックとヘッド側それぞれの加工を少しずつ進めています。

メタルへのオイル供給に関する不安は以前にも書きましたね、ドライサンプは予算的に到底無理とあきらめちゃいましたが、他にも少ないながらポンプ側のシム増しとか、加工出来るところは幾つかあります。ブロック側で出来ることをやっておきます。出来てからでは遅いですから、今はひたすら文献を読み漁り、その中で納得できたこと(で自分に出来ること)はみんな実行します(^^;

ブロックのオイルフィルターを取り付けるところには、当然出と戻りのふたつの穴が開いています。中空のスタッド(戻り)とスタッドの横にある穴(出)です。オイルフィルターは基本的にポンプから圧送された全てのオイルが通ります。そう考えるとここでの圧力損失は少しでも減らしてあげたいですよね。

これら穴の角を少しでもオイルが流れやすくなるように面取りします。スタッドのほうは簡単です。出の方は少し面倒くさいですがどうって事ありません。長いシャンクで丁寧に削り取っていき、オイルポンプの負担を地道に減らしてあげます。

ブロックの砂落としはBPでは必要ないかも、とNuMaTeCさんが書かれていましたよね。確かにブロック内面には色が塗られており砂は落ちにくくなっています。しかしバリはありますので全く加工無しで良い訳ではありません。型の合わせの部分のバリをフレキシ+シャンクで落とし、切削加工の端をスクレーパーで糸面取りしてあげました。砂の特に粗い所も同様にシャンクで落としました。

ヘッド側も少し弄りました。インテークポート、耐久性と吸気抵抗(というか流速の乱れらしいですね)を天秤にかけてバルブガイドはノーカット!って一度は決めたのですが・・・どうせバルブスプリングをノーマルで行くとすれば1〜2年でヘッドを開けなくちゃなんないし(ま、そんなことが無くても開けるんですけどね)ってんであれこれ考えた末にとうとう削っちゃいました。

長いシャンクで気長にゆっくりやりました。2時間ぐらいやったかなぁ、いや〜すっきりした〜(笑)我ながら綺麗にカット出来ました。ガイドがあるとガイドの燃焼室側のキワって磨きにくいんですよね。苦労して砂目を落としたのはなんだったの?って感じです。ガイドさえ無きゃ楽勝です。

INのポートはこれが初お披露目かな?基本的な形状は全くノーマルのまま変わっていないです。リング周りの段差をリングごと若干削ってあるくらいです。磨きは600番くらいだったかなあ、そこからピカールで磨いています。シリンダーのホーニングと一緒の考え方です。筋の中に若干ガスが残り踏み返しのツキや始動が良くなる事を願っています(笑)。

カムホルダーは以前鏡面に仕上げましたが更に加工を加えます。高回転まで回すこと、カムのリフトが大きいことからジャーナルに掛かる負担が大きくなることを考えてジャーナルの油面確保をより確実化するため、ホルダーのオイル穴出口にテーパーをつけます。といっても加工そのものはごく簡単です。ちょうど良さ気なドリル刃を手で持ってあてがいクルクルと回してやれば糸面より少し大きめの面が取れます。本当は鏡面加工の前にやっておくべきでしたねえ、そうすれば結果的に面ではなく綺麗なRになったことでしょう。

燃焼室の容積測定も行いました。実ははじめての体験です(笑)、注射器なんかでまともに測れない、そう思い込んでいたので今までやったことがありませんでした。色んな人にコツを教えていただいてチャレンジします。

バルブとリングの間から染み出すようだと困るけどあまり粘度が高すぎてもいけないんですね。穴からオイルをゆっくり注射器で入れていくんですが、アクリル板に油面が接するくらいになると、穴の周りをオイルが塞いでしまって空気がうまく逃げられずそれ以上オイルを入れられなくなります(使ったオイルはBPビスコアルファ)。燃焼室の周りを塞いでいるのはワコーズのモリブデン配合組み付けペーストです。色がえげつないので境目がわかりやすいです。

にゃじごん浅野さんに「フラッシングオイルが良いよ」と教えていただいたので上手くいかないようなら買ってこよう(買いに行ったら結構高かったのでとりあえず止めました・100ccで良いんですけど・・)と思っていましたが、ふと横を見るとオイルストーン用のオイルがあります、これならしゃばしゃばでよさそうだ・・けど少ししかないなあ・・更に横を見ると・・ストーブがあります。そういえば以前フラッシングオイルには灯油が入っているとか聞いたことがあります。

迷わずBPに灯油を混ぜました。1:1から始めて結局オイル1に対し灯油2〜3くらいの割合がちょうど良さ気でした。

測定結果ですが51.5〜52.5ccでした。ノーマルの燃焼室が51ccだそうですから約1cc大きくなっています、主にバルブシートリングの3段カットによるバルブの沈み込みとINリング周りのマスキング削除によるものと思われます。

今回のエンジンで狙う圧縮比は12.5・・面研のみで実現することが可能なのでしょうか?心配になって来ました。

他にもヘッド側はまだまだやるべきことがありますね。先は長いぞ〜。

#圧縮の計算について。
どうも間違っている気がして仕方ないのですが(笑)。

ボア面積=(85φ÷2)~2乗×π=5671mm~2=56.71cm~2
ストローク容積=5671×85mm=482.0cc

ヘッド容積=約52cc
ピストンヘッド容積=9.8cc(戸田データ参照)
ピストン肩のブロック上面からの下がり=0.5mm→容積=5671×0.5mm=2.8cc
ガスケット(φ=86、t=0.8mm)部容積=(86φ÷2)~2乗×π×0.8mm=4.6cc

よって燃焼室容積=52-9.8+2.8+4.6=49.6です。

圧縮比はストローク容積+燃焼室容積を燃焼室容積で割ったものですから
圧縮比=(482.0+49.6)÷49.6=10.7
たったのこれだけ!!面研入れずにこのまま使う気には全くなれませんね。

ではどれだけ面研すれば良いのか?

圧縮12を狙うとすると求める燃焼室容積は「ストローク容積÷(12.5-1)」ですから41.9ccです。現在との差が49.6-41.9=7.7cc

結構強烈な数字ですね、一体何ミリ行くんだろう?イメージ的に0.1mm=0.1ccと思っていたのですがそうすると7.7mm?!そんなに削るとシートリングがどっか行っちゃいますね(笑)

#00.01.28追記 BBSで情報頂きました。ありがとうございます。燃焼室面積=45.6cm~2・・・らしいです。ということは面研量は1.688mm。面研後の追加工を考えると・・・今後の「週末の楽しみ」にアップしますね。

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