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こだわりの天井

家を実用品じゃなく、趣味と捉える事ができるんだ、それを中村さんに見せてもらったのが僕が家に興味を持つようになったきっかけ。
趣味としての家、何しろモノがでかいだけにとても面白いのです。

綺麗で豪華な家には残念ながら興味の持ちようがないですが、格好良くないモノは趣味の対象とはなりえないわけでここがセンスの見せ所。家の性能を上げるための構造のリフォームを行いながら、インテリアをいじっていきます。

インテリア雑誌に載ってるのはカントリーだのフレンチだの、どれもこれも見えがかりで女臭い(でも見てるんですけど)。そうじゃなくて男っぽい、まあ言い方を変えれば理屈っぽいインテリア。基本、男の子はメカ好きですから。
僕の強いこだわりの一つが天井です。木造建築の構造で一番複雑格好いいのが天井だと思ってますので、コレを見せ場としない手は無いと。


いらっしゃいませ。ここが玄関です。
室内へと繋がるドアはリフォーム前と同じ。どれほど天井が上がったか分かります。築40年を感じさせない広々空間です。勾配天井とし、屋根裏断熱(セルロースファイバー)の吹き付け待ち。
壁は吊るした自転車が多少ぶつかってもOKなシナ合板仕上げで、断熱材を入れて機能面での配慮もしています。


玄関に元々あった下駄箱は廃棄。代わりに隣り合う部屋の押入れを半分貰って収納スペースに。扉を付けるつもりは無く、棚板のみ。ディスプレイに耐える靴のみが収納を許されるのです(笑)。


玄関からすぐリビング。狭い家ですから。
階段下にあった収納の背中板を撤去し、リビング側と和室側両方から大きな一つの収納として使えるようにしてもらいました。来訪者のコートを預かれるように。


床強度を上げてもらったのでリビング〜和室の通路としても使えます。
将来の不確定要素に向けての備えでもあります。元々の和室の入り口は90度のターンが必要ですが、おそらく車椅子が回りきれません。


リビングにあった本棚が一旦撤去され、奥に石膏ボードが貼られました。天井が上がった分の仕舞いを一つ一つ丁寧につけてボードが貼られています。
出来上がってしまえば自然ですが、そりゃー面倒な現場仕事になります。下請けで「こうしてくれ」で請けたら、ただひたすら面倒なだけでやりたくない種類の仕事でしょうね。

ところで。本棚柱の色が実に気に入らないです、せっかくの木目が生きる材にわざわざ茶色ペンキ。なーぜー。ペイント剥がしてやり直します。


ね、ペーパー当てたくなるでしょ(笑)。40年ぶりに日の目を見ることになった材の木目が嬉しいです。ここに上向きの灯りを仕込んで天井を照らすとカッコいいんじゃね?って大工さんの感想でした。


2階床組み構造。本当に美しく仕上げてくれました。
これを隠さずいつも眺めたいってんですから、大工さんにとって嬉しくないはず無い(と思う)。だから頑張ってくれてる(と思う)。


一階和室天井隅。元々入っていた木の火打ち材をそのまま現しとしてあります。新しいボードから飛び出した古材の色がたまらないです。
配線も出来る範囲で綺麗に束ねてくれてありました。
火打ちの下を走ってる塩ビ管は電話配線だそうで、いじれないんですって。別にこのままで良いです、見てくれより構造を愛してますから。綺麗な仕上げは必ずしも必要ないです。


リビング階段を上がって2階へ。2部屋あります、こちらは寝室スペースとなる予定の部屋。
やはり角に火打ちが見え、どれだけ天井が上がったかが分かります。2階の部屋は大壁ではなく真壁でした、北海道ではちょっと珍しいかも。真壁は好きですが、例によって気に入らない柱や梁の仕上げをやり直すのが楽しみです。


寝室天井に梁がどーん。この物件の天井裏覗いた時に萌え転がったあの梁が現しに。たまりません。
かすがいがレトロ。耐震強度だけを考えるなら鉄板当ててコーススレッドで固定した方が抜けなくて良いですね。でも鎹萌(笑)どうしよう。見えてるから後から考えましょう。



2階の洋室、収納部屋になる予定の部屋。
天井アゲで出来た押入れの上の大きな空間、床を張ってロフト状態としてあります。
おそらくフェンダーやボンネットが載せられるんだろうと。

実は最初の案だと収納部屋は1階の和室改洋室とする予定でした。家に帰ってまっすぐ 巨大ウォークインクロゼットに入り着替えてリビングへ。素晴らしい動線(笑)。宮脇檀氏受け売りです。
迷って迷って。結局一階に和室を残したのは将来への備えのためです。和室→洋室変更は簡単ですし(床の高さの関係で逆は面倒)。


ここにも火打ち。これ、オーダーしてません。石膏ボード貼っちゃえば簡単なのに、わざわざ手間掛けて現しにしてくれるあたり、大工さんのノリが感じられてこの上なく嬉しいです。


ロフトスペース、階段上はこうなってます。僕は寝室側から階段上のスペースを使うつもりだったのですが、弟keigoが現場見ながら大工さんと相談して反対の収納部屋側から階段上を使うように図面をいじりました。
これ、正解ですね。収納は収納で集中させると。その方が寝室空間の容積も減って冬場に暖めやすいし。


同じく2階収納部屋の押入れ下。床がレベル出しでやりかえられたために高さが合わなくなり建具撤去。その名残がふすまが入るはずの段差に残ってます。こういうのが好き。
これが構造の歴史、それを安易に隠さず愛でてより美しく仕上げていく、それが男の子の家。
床材を奥まで貼りますのでまるで宙に浮く押入れとなります。実に面白い。
つーか、この位置の収納スペースを上手く使えた事が無い。だったら要らないし。


材に捺された40年前の印がたまりません。これはそのまま残して仕上げにします。
天井組みと梁の取り合いでの大工さんの気遣いの細かさ、感謝してます。


一階に戻ってキッチン天井。
隙間はお風呂へと繋がるごく短かな廊下。
ここもきっちり梁見せ。そして上が屋根な分だけリビング側より天高が上がるので、料理の匂いや煙がリビング側に流れないメリットもあります。左下に見えるのがリビングとの出入り口。高さはkeigoがスキップしながら通り抜けても頭打たないギリギリまで下げて、200cm。あえて低くしてリビングとキッチンが繋がってない感じを、扉なしで出します。


あー。この景色を眺めながら飲む酒はどれほど美味いのでしょうか。





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