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ガレージ設計

結局のところ家にいくら掛かったのかというと。
築40年近くて普通は取り壊すような建物が載っていたおかげで、1割=150万くらい安く手に入れています。 耐震や防寒面を今の基準に合うよう改善するための費用が250万弱。
それに床のレベル出しを追加して80万、さらに床仕上げ材貼りに18万。合計350万弱。

漆喰が8万円分くらい、柿渋とユーロがそれぞれ2万円ほど。あとペンキや板、工具や金物がちょっと。
これだけの費用で僕好みの家が手に入り、さらに家族との素晴らしい思い出が出来ました。
まだまだ遊べる余地がありますし、もう最高。

さて。
まるっきり新しく建てるガレージはそうは行きません。

土留めを兼ねた布基礎を含め、外構工事が合計250万ほど。
シャッター50万、ガレージ上物でさらに200万強。
母屋に掛けた金額を軽く上回ってます。

幅は575で土地に対して目一杯、奥行きは600。布基礎の外面と隣地との距離は、60センチとしましたので、民法の規定はクリアしてます。
通常は2台収納ですが、冬になって車を出し入れしなくなったらロードスター2台とバグ、3台ギリギリ収まります(ドアは開きませんが)。

ですが、壁面後退義務を満たせていません。
この土地は第一種低層住居専用地域のため、壁面後退の義務があります。都市計画で外壁の後退距離が定められ、敷地境界線から建物の外壁 (またはこれに代わる柱の面) までを指定距離以上にしなければなりません。札幌市の場合、1mとなっています。
家と家の間隔を離して、採光や通風等の良好な住環境を確保することを目的とするものですが、結構厳しい規定です。

ただ、壁面後退義務には緩和規定がありまして、
建築基準法施行令 第135条の5 (抜粋)
法第54条第1項の規定により政令で定める場合は、当該地域に関する都市計画において定められた外壁の後退距離の限度に満たない距離にある建築物又は建築物の部分が次の各号の一に該当する場合とする。

一 外壁又はこれに代わる柱の中心線の長さの合計が3m以下であること。
二 物置その他これに類する用途に供し、軒の高さが2.3m以下で、かつ、床面積の合計が5平方メートル以内であること。

簡単に言うと、家にくっついている出窓や玄関ポーチ等に適用されるのが「一」
物置やガレージ、カーポートに適用されるのが「二」

んで、うちのガレージの場合は1mに40センチ足りません。奥行きが6mあるためはみ出してる面積は2.4m~2。クリアしてる・・・んですが、既存の物置と小屋もそれぞれ規制部分に出っ張ってるため、合計するとはみ出してしまいます。家の裏にある手作りの小屋を何とかすれば緩和基準内に収まり、合法的にガレージを建てる事ができるようになります。

さらに高さについての規定に関しても、うちのようにガレージの前後で地面の高さが異なる場合、敷地全体の高さの平均値(ガレージ土間から50センチの高さでした)が基準となり、そこから2.3mの軒の高さが許されるため十分な高さを取ることが出来ます。

この壁面後退義務、ましてや緩和措置についてはあんまり知られていない気がします。


ここまでは順調だったのですが。
開口部の幅が問題になりました。
530と目いっぱい広くして、真ん中に柱無しで広々・・・の予定だったのですが。
基礎を作った後になってこれでは耐震強度が足りない事が分かって大問題になりました。
建築士の設計だと耐震強度計算の提出が必要ないため、これでも建築確認申請は通ってしまうんですね。

正規の耐震強度まで上げるためには、入り口両側の基礎を広げる(その分間口が狭まります)必要があります。ここで起きるのが「どうやって既存のRCを延長するのか?」という課題。延長部分の鉄筋を元のRCの鉄筋とガッチリ繋げなくてはいけません。
既存のRCに足す事が出来るあと施工アンカーという便利なものがあります。RCに穴を開け、接着剤等を流し込むなどして後から生やすアンカーです。出来たアンカーに鉄筋を繋げばRCを延長することが出来ます。
大がかりな工事が必要ない便利なもので、これを使えないかと思ったのですが、あと施工アンカーは大臣の許可を得ていないため、うちのガレージのような新規の建造物では法的に使えず(既存建築の増築や補強では正規に用いる事ができます)、建築確認が取れません。
元のRCをはつり、40センチむき出しにした配筋に新たな鉄筋を沿わせて延長するのが唯一の合法的な工法。

って、おーい。
あの美しいRCをはつるですって?!

でも仕方ない。雪が降らない地方ならいざ知らず、数トンの雪が屋根に積もった状態で大地震が発生したらどうなるか。耐震強度を疎かにするわけにはいきません。基礎を延長した建築確認申請図面を新たに提出し、はつって基礎を延長する事になりました。



グラインダーにダイヤモンドの刃を付けて切れ目をいれ、電動ピックではつっていきます。


カラクリートの表面は普通のコンクリートよりもかなり硬く、グラインダーの刃が軽く弾かれます。刃が入ってしまえば普通のコンクリートと同じように切り進められます。


鉄筋が出るところまではつって、出来るだけ表側は残す方向で。
振動で割れてしまったら仕方ないので全部壊すつもりでしたが、幸い上手いこと出来ました。


鉄筋を40センチオーバーラップさせて結束線で固定。


表側は無傷のまま。


土間のカラクリートにも切り込みを入れてはつってインターを外し、開口部の基礎の鉄筋を出して縦筋を40センチオーバーラップさせて固定しました。
インターをコンクリ目地で固定してなくてホント良かったです。



土間をピックで攻撃しているところ。
ベースまでちょうど40センチちょっと、ひたすら破壊していきます。


隣地側も同様に。


こちら側は奥に土があるため振動が加わっても割れにくいためスライスしやすいのですが、万が一割れると土出しして型枠組みなおしになるためとっても大変な事態に。慎重に慎重にはつっていきました。


終わったらマスカーとブルーシートで養生。来週は雪もちらつくらしいので丁寧に2重にしました。
根雪になる前にガレージが完成すると良いのですけど。





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