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AIR RIDE Project フロントエアショック

当初はリアのみエアサスにするつもりだったのです。しかし実際にリア車高を落としてみるとどうしてもフロントももっと下げないと気が済まなくなりました。
リア軸重470kgに対してフロント軸重は310kgなので、一見フロントの方が話が簡単に見えます。リアのようにバッグを掛けなくてもエアショックで行けそうな気がしますがどうでしょうか?

計算でエアサスに求められる耐荷重を出してみます。
一輪当たり155kgの車重ですが、アームの中ほどにショックが取りつきますのでレバー比1.66を掛けて257kg。仮に6kg/cm~2のエア圧を掛けたとして必要なピストン面積は257÷6=42.8cm。
エアショックのピストン径は7.2p必要ってことになります。

Sambaのforumをかなり読んだのですが、低年式のフロントエアショックでこれだ!という情報は見つけられませんでした。高年式の場合、アームの後ろの方にショックが取りついているためMonroeで十分上げられるようなのですけど・・・。

そんな中で試す価値がありそうだったのがこちら。


Gabriel 49307 Hijackers Air Shocks。
待つこと10日ほど、Amazon_USAから届きました。アメリカ国内なら送料無料で$73.50、日本への配送料金を含めたTotalでも$112.78とお安いです。日本国内でこのショックを扱っているお店は無く、ヤフオクに2.9万値下げ交渉ありで出品されているのみ。ちなみにebayでも見つかりますが、一律にショック=高圧部品という扱いをされるため空輸不可で、日本からは買うことが出来ません。送料も安いのでAmazon_USAがオススメです。


compressed hight=273mm
extended hight=415mm
eye ID=12mm
というサイズ。


エア室とショックアブソーバー部の位置関係が想像できますでしょうか。


TRDショックのロッドに付けていたタイラップを参考にして、必要なcompressed hightを測ってみると285mmです。Gabrielはこの点はクリアしています。上下の取り付け部内径もOK。


問題はピストン径なのですけど、一番細いところで57.1mmですので、ピストン直径はせいぜい5cmでしょうか。ということは2.5×2.5×3.14×6kg/cmで117kgしか耐荷重がありません。275kg必要なのに42%しか満たせてない。

もしもトーションやコイルサスがなく、エアサスのみで車重を受けている場合は車高がどうあれエアサスが受けている重量は一定なので、エア圧も常に一定。一方、エアサスの他に金属のサスを持っている場合はエア圧と車高が連動します。
ショーハイト時点では全ての車重を金属サスが受け持っており、エアサスに加圧していくと徐々に金属サス→エアサスに荷重が移ってくるわけ(余談ですが、金属サスの受け持ち分がゼロになった後どうなるかというと、コイルサスの場合は(バネが遊んでない限りは)それ以上伸びないので、その時点で最大車高。しかしトーションバーの場合はさらに逆ひねり出来るので、加圧するとさらに車高が上がります。

話を戻して。Gabrielで0G→1G沈み込み分のおおよそ4割だけ持ち上げられる、ということになります。
過去にインチキな計算をしてみた結果、bugのフロントホイールセンターレートは3.5kgでしたので、1Gストローク量は44mm。その40%は17.7mm。
6kg/cm入れて18mmのアップ。エア無しでビーム下35mm→53mm。うーん、これでは足りない。
ただ、前述の計算よりbugのフロントサスはもう少し柔らかいと思うので、実際にはもっと上がるんじゃないかなと思ったりもしていました。

ちなみに、エアバッグの場合は計算と実際が大きく乖離します。
例えばAirLift Dominator D2500の場合、
耐荷重は100psi=7.0kg/cm~2時に2600lbs=1179kgとなっています。 直径7.0インチ→17.78cm→断面積248cm~2ですので、248×7.0=1736kg。 直径から割り出した耐荷重に対しカタログの耐荷重値はおよそ0.7倍。おそらく横に逃げる分もあるからなのでしょう。それでも1個で1トン以上受けられるんですから、エアショックとは桁違いの耐荷重ですね。レバー比2掛かってもbugのリアを上げるに十分な能力です。



話は戻ってエアショック。
幸いGabrielと純正ショックの目玉の内径は同じなのですが、残念ながらロアアームに生えているボルトにカラーが固着してしまっているので、カラーを取り除く必要があります。
プラーでカラーを押し出してと。


カラーを抜いてしまうとブッシュが内側に膨らんでしまい、内径が小さくなって取り付けられなくなってしまったので、ブッシュそのものも抜いてしまうことに。


TRDショックのブッシュは膨らまないタイプなので、こっちに入れ替えます。


ショックが太くなった分、ちょっと外側に逃がしてやる必要があります。長いボルトに換えてワッシャーを入れるつもり。


ロア側はそのままでOK。ちょっと外に傾いて取り付くことになりますが、ブッシュの捩れは僅か。
その点は問題無さそうです。



Gabrielに付属してくるフィッティング他。


こんなので大丈夫なの?って思ってしまうプラスチックのフィッティングと1/8の細いライン。エアの出し入れ、はこれまたプラのタイヤバルブみたいなので行います。このままだと1/4で引いてるラインにはつなげられません。1/4→1/8とホース径を変換するアダプターがあればそれでも良いのですけど、この細さが気に入らないので出来れば1/8のラインは使いたくないところ。


で、ショックに繋がるところから1/4にしたいのですが、このフィッティングがまた問題でして。


実測してみると1.25のゲージが微妙に合いません。M11.1×1.27ピッチ。かなり特殊なサイズです。
そんなボルト、聞いたことが無いぞ・・・と思い、例によってSambaで検索したら出てきました。MonroeもGabrielも状況は同じで、このフィッティングの正体は「ユニファイ7/16-20」。かつてはAirkewldが1/4NPTへの変換アダプターを販売してくれていたようなのですが、商売上手なPateは単品販売を止めてしまい、ショックとの抱き合わせじゃないと売ってくれなくなっています。
mellemelによるとこいつは油圧系のフィッティングなんだそうで。リンクも張ってくれてますけど当然日本からは買えないので・・・楽天で発見。油圧ホース継ぎ手 鉄製 SAE Oリングポートオスコネクター T4400 04 R1/4x7/16-20UNFメネジ 。ユニファイ7/16-20のメスから1/4PTオスに変換してくれます。
エアサスは発祥がアメリカなのか、フィッティングはNPTです。単純に言うとNPTの方がPTより太いので、PTオス+NPTメスだとテーパーが利かず奥まで入り込んでも締め切れません。シールテープを多めに巻いて強引に締めこむようになります。逆にPTメスにNPTオスだと2山程度しか入らず、これも問題。
ちなみにシートベルトのアンカーもこのサイズ←この情報はあのコーンズ掲示板から発掘しました(笑)。ロードスター乗りが共有してる情報量ってすげえ。

んで。
フィッティングのアダプターはまだ届かないので、タイヤバルブみたいなのにガレージのコンプレッサーから6kg/mm注入。さてお立会い、何mmレイズできるでしょうか・・・。

25mmorz。
何てこった、ほぼ完全に計算通りじゃないですか。全然嬉しくない。
Matthew Pateは何故上手く行ったんだろ。Gabrielで上手く行ったと書いてるのが彼しか居なかったのでどうも信用できないなとは思っていたんですけどね。6kg/mmも入れるとかなりサスレートが高くなるのでストロークが減らせるってのはありがたいですけど、流石にライドハイト6cmは辛い。もう少し地上高を稼ぎたいところですね。





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