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2110 project 分解編

ふとした拍子で、2110ccのエンジンが手元にやってきました。
出所は分かっているのですが詳細は一切不明。一応ちゃんと回ったことはあるらしいですが、そのまま使えるなんて思わないほうが良い感じでした。こういうのが面白い。
一度回したエンジンって必ず回った痕跡が残って、数値追うだけでは分かりにくい実際の稼動時の状態が見えるんですよね。特に空冷vwの社外部品の製品間のバラつきったらすごいので「こんなパーツ集めてポンッと組みましたよ〜」な"Turnkey Engine"なんて怖くてちょっと買えません。


ショートリーチの8番プラグが入ってました(^^;;;
8番要らんだろ、さすがに笑。
でも煤けてないところを見るとちゃんと燃えるエンジンだったみたい。


ノーコメント(^^;;;;


フライカットやコンロッドの長さ、圧縮調整用のリングの有無などでエンジン全幅が変わります。もし大きく変わっているとVintageSpeedのマフラーが使えなくなります。
微妙です...。


ロッカーアームは純正ですが、スラスト方向の位置決めは純正のスプリングからワッシャーに変更になっています。スプリングは合理的だと思うのですが、時に擦り切れる事があるらしいです。


ヘッドは純正でしたが、初めからビッグバルブが入ってるタイプです。


インテークポートは僕の考え方と同じく、僅かな拡大のみで大変嬉しかったです。エキゾーストポートは出口のみ拡大されている様子で38φになっていました。
排気量を考えると排気管内径が細いヒートエクスチェンジャーを廃止して太いJパイプを使いたくなるところ。その恩恵が得られるのなら、ですけど、僕の性格とベバスト付いてる事を考えるといつかはマージド行くのかもな・・・。
ヒーターホース無いほうがエンジンルームもスッキリしていてカッコイイですもんね。


バルブスプリングはダブルでした。


プッシュロッドチューブはこのタイプ。
引き出し式のアンテナみたいに伸びるやつで、ヘッドが組まれた状態でも組み込めるのがメリット。金色で見た目もまあまあカッコいいですけど、オイルが漏れるところが増えるので嫌い。


デッキハイト測り忘れましたorz。
後で組み直して測らないと圧縮がわかんない。


でかいバルブ。
これはちょっと楽しみです。


んが、残念なのがセミヘミになってました。僕の考え方に合わない。
純正のバスタブ形状で目一杯スキッシュ広く取る方が理にかなってると思ってます。
まあでも、空冷VWのエンジンでスキッシュカットしたことがある訳じゃ無いので、何かしら新しいことが出来るってのはそれはそれで面白いかも。


ケースはASでした。デュアルリリーフでスタッドボルトが細いタイプ。スタッドが細くないとボアが上げられないのでこの排気量だとASが必要なんですね。

# 2022.01.08 追記
1998年4月号のhotVWsを読んでいて、興味深い記述を見つけました。


ケースのクランクシャフト軸が左右どちらかに寄っているものがあるそう。画像にあるように合わせ面からボア外周の距離を測定し、確認する必要があるそう。
Rimco MachineのRreg Riddleによると、ラインボアが何度か入った古めのジャーマンや、ファクトリーリビルトされたケース、80年代後期に製造されたメキシコ製ケースで偏りが見られるとか。多くの場合ブラジル製の後期製造ケースではほとんどの場合大丈夫だそう。このケースは幸いブラジルでしたが、この記事を書いた当時その知識が無く、測定を実施しなかったのが悔やまれます。

/ 追記


ロッドはH断面、っていうと国産の世界ではおおスゲェ本気じゃんってなりますけど、空冷ワーゲンな世界では至極当たり前なパーツ。何しろ安いんだもん。


一応ボルトにはARPの刻印があります。
こいつを回すのに必要な工具はかつて悩んだ通り(笑)3/8です。


ピストンはMAHLEで、これも過去にも書いてるようにブラジル製MAHLEなんでシリンダー付きでもお安いです。


実測ボア径=90mm、おそらく"MAHLEフォージ90_5 x 82mm ビッグボアKIT マシーンインタイプ"ってヤツです。67,800円也。しかしシリンダーもピストンも何度測っても90mmしかないんだけど。何故90.5なんでしょ?


ピストンの当たりを見ています、良い感じですね。


うん、悪くない。
シリンダー側もクロスハッチが綺麗に残っていて十分このままいけます。


フライホイール取り付けのドエルピンは当然8ピンです。


オイルポンプを取り外すとカムシャフトの頭が見えます。刻印が打たれていてEngle W-120、Hot street & off road, large displacement Engines competition Midrange+ power
バルブリフトIN・EX共11.049mm、カム開度IN・EX共 294°でございました。
良いところなんじゃないですかね。


ケーススプリッターを突っ込んでパカッと。


メインジャーナルは約55mm。


ピン径は約50.75mm、VW純正より細いです。
Chevy sizeってやつ。スモールジャーナルですね。2インチ=50.8mmですから。
ストロークは82mm、おそらくCB_Performanceの「2669 Super Race Crank - 82mm Stroke - Chevy Journals」でほんと安いです。$289.95。website見ると「an E4340 Chromoly forging」云々と立派な能書き書いてあるんですけど、それでどうやったらこういう値段になるのか。
まあ中華なんでしょうけど、BPエンジンも何時かこういうことになると面白いなあ。


ロッドもCBパフォーマンス製品。適当ですけど長さ測定。14センチくらい=5.5インチなので、コレかな。
こちらも$249.95とお安いです。


メインメタルには筋が強めについているものの、異常では無い感じ。


前後のメタルはリング状のため、プラスチゲージが使えません。
こいつの測定のためにとうとうボアゲージを買いました(^^)。


せっかく当たり出ているので、測ってみて大きく外してなかったら磨いてそのまま組むつもりですけどね。


こうして見るとやはりオイル容量少ないですよね。ついてきたオイルサンプは残念ながら普通の厚みのEMPIタイプでした。カムギアはストレートカットタイプ。
こいつには裏話があって。CBのこのタイプのクランクはカムギア部の太さが僅かに細いらしく、純正ギアを使うと時にガタが出てしまうらしくて。この社外ギアはたまたまキツ目に出来ているんですね。ストレートカットギアそのものを使う必然は無いと思うのですけど、そう聞いちゃ仕方ないのでこのまま使います。
CBRみたいな音が出るのかな〜?まあそれはそれで面白いかも。


分解って場所取るので、仕方なくロードスター追い出しちゃいました(^^;;;
最近本州の梅雨みたいに雨ばっかりなので、早く片付けて入れてあげなきゃ。





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