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-週末の楽しみ〜bug SIDE〜3
-週末の楽しみ5462110 project メタル測定・コンロッドボルト検討編バラシが完了したので各部の測定を行っていきます。めんどくさいけど、これを楽しまないとエンジンビルダー失格。つっても仕事じゃないので楽しめる範囲で(^^)。# 関係ないですけど、精密測定って一人深夜に心静かにやるものって気がしません? 子メタルの状態。この状態は今まで見たことが無いです、明らかに何かがおかしい(^^ 手前側がロッド側です。つまり下死点で擦れていて、他はほぼクランクピンに触れていません。 メタルクリアランスを測定してみることにしますが、ここで問題になったのが、この3/8 ARP 2000ボルトの締結トルクが分からないってこと。なので "arp rod torque cb performance" ってなキーワードでググると出てくる出てくる。結構皆さんお悩みの様子で。 ついでなので他のボルトの数値もまとめてみますと、 Connecting Rod Bolts Stock T-1. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 25 ft/lbs UniTech.. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .29 ft/lbs Uni Tech HD w/ARP 3/8" bolts . . . . . . . . . . . ★45 ft/lbs CB H-Beam w/ARP2000 3/8" Bolts. . . . . . . . . .★29 ft/lbs Scat H-Beam w/ARP2000 3/8" Bolts. . . . . . . .★50 ft/lbs CB H-Beam w/ARP2000 5/16" Bolts. . . . .. . . . . .29 ft/lbs ややこしいのが、ARPのボルトは頭が数種類ありますので情報収集の際には気をつけないと。 さらに同じ3/8のARPでもいくつか数値があります(★印)。もう少し高めの数値で使うことで7500rpmまで安全に回せるよって意見もあったりしますが(大端部の口開き防止のためですね)、そんなに回さないのでCBの値を素直に採用するつもり。 ハイトルクで締結する場合、伸びを監視して塑性域変形に至ってないことを確認する必要がありますが、伸びたからポイってのもつらいですから。 ところでこの情報を探していて気になったのが、ARPのボルトがUSA製か中華製かで要求トルクが変わり、中華の方が高いトルクが必要って話。塑性域まで伸びない限りは同じテンションが掛かると思うので、要求トルクに関する話の真偽はともかく、中華製が存在しているのは間違いありません。 左2本がロードスター用キャリロに使われていたARP。書体は異なりますがどちらも15年近く前にマルハから購入した=出所がはっきりしている間違いの無いもの。3万以上するUSA製。右2本が今回のエンジンから出てきたCBのロッドに使われていた、ARP製と謳われているもの。 刻印されている文字が違うのはロットの違いなどもあるのでしょうけど、右の2本は刻印が不鮮明で数字が読めません。何より値段が全然違っていて、キャリロ用のボルトを買う金額でCBのロッド丸ごと買えてしまいます(笑)。こいつらは・・・やっぱり中華ですよね。 座の厚みがちょっと異なっていて、CBのボルトのが厚いです(注意:右がキャリロ用)。 長さはほぼ一緒。 どちらのボルトも中古なので、本来は再使用すべきではないのですけど・・・弾性域角度法で伸びを監視しながら、可能であれば再利用しようかと思っています。 もちろんキャリロ用ARPを優先使用します。BPエンジンを1974→1951に組み替える際に在庫にしたこのボルト、きっと良い仕事してくれるはず。 んで、テストでボルトをへたらせたくは無いので、CBのARPボルトを使って4.0キロで締結。2キロで締めてから本締めしましたが、異常な伸びは観察されませんでした。 マイクロメーター。こいつでピンを測っていると段々頭がおかしくなりますね(笑)。ちゃんと直径(一番太いところ)を測れているのか自信がもてなくなって、結局デジタルノギスを使いました。デジタルノギスなら測定は瞬殺なのでいくらでも測定サンプルを作れますし、くわえる顎が長いので測定のばらつきも少ないです。 こちらが子メタルクリアランス結果(mm)。 #1 0.085〜0.07 #2 0.08〜0.07 #3 0.10〜0.08 #4 0.10〜0.09 お、広い(^^)。予想通りじゃないですか。 メインジャーナル径はどれも54.92mmでした。クランクシャフトジャーナルの純正基準値は54.97〜54.99mmですからCBのクランクのが細いです。しかもちょっと真円度が狂ってました(0.01程度)。ピン側はシェビージャーナルなのでVW純正値との比較が出来ませんけど、おそらく本来の設計より細く仕上がってしまってるのでしょう。真円度についてはまあそんなものなんでしょうが、前回に書いた純正カムギアがきちんと固定されない件も含め、このクランクは全ての軸部が意図された値より細く仕上がってしまってる様ですね。 # シェビージャーナルについて「弱くなる」という否定意見もあります。確かに純正よりは弱くなる理屈ですけど、それでもまだBPの大端部より太いんです。真円度・油圧が国産のエンジンより低いという不安はありますけど、回転数とストロークを考えたら十分なスペックなのではないかなと。 メインメタルをシリンダーボアゲージで測定中。 こちらは0.11mmが一箇所、0.90mmが2箇所、一箇所ちょっとしたミス(笑)で測れず。いずれにしても広いですね。 んでメタルの選定を行うわけです。 こちらは子メタルでして、品番はご覧の通り。Clevite77の製品でCBから買うことが出来ます。+0.01と+0.02厚いタイプがあります。#4には+0.03を使いたい気もしますけど、無い。 Clevite77で検索すると+0.03も製造しているので、もしかしたらあるのかも知れませんが、シェビー用を買わなくてはいけないため、どの車種用を買ってよいのやら全く自信が持てません。 やや遺憾ながら+0.02を注文(全ピンセット販売のみ)。メタル一枚当たり0.02クリアランスが減るのでトータル-0.04。まあ大体良い感じになりそうです。真円度が低いのであまり詰めるのは怖いですしね。 # orzな後日談あり。 あとはタップとダイスでネジ山の清掃を行ってと。 残ったシリコンシーラントなどを剥ぎ取って水洗い。鉄ケースじゃないので錆びる心配が少なくていいですな。 TOPへ |