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リフターオイル溝加工

リフター周りの潤滑ってどうなってるんでしょうね?

オイルレベルがどこまで来ているのか、気になってチェックしてみました。
クランクケースの内側を覗き込んでもレベルゲージの先っちょは見えないのでこういう形で想像。
MAXまで入れてもカムシャフトの下ギリギリまでしかオイルは来ないことが分かりました。カムはオイル漬けにはなっていないって事です。


リフターホールはカムシャフトと同じ高さに位置しますので、リフターの頭とカムローブ間の潤滑はクランクが回って飛び散ったオイルによってまかなわれているって事になります。空冷VWのクランクケースにはオイルバッフルプレートが無いのでケースの中はおそらく爆風が吹いていると思われます(笑)。その結果、オイルパンに溜まったオイルが風でかき上げられますので、左バンクのリフター頭は比較的潤滑されやすいって事になりますね。
問題が起きるとしたら右バンクのリフターが先に齧るはず。

ちなみにリフターの頭に極小さな穴を貫通させて、カムローブとの間にオイルを強制的に送り込むようにしたのがSCATのリフターでして、この一点だけを考えると理にかなってます。しかし油圧リフターじゃないのでバルブの頭とロッカーの間には必ずクリアランスが必要=リフターとカムの間には隙間がありますので、フリーでぴゅーぴゅー吹いちゃうって事に。そこまでデカイ穴じゃないので油圧ががた落ちって事も無いんでしょうけど、開放ってのはどうもねえ。潤滑面で一番キツイのは前にも書いたとおりコンロッド大端部。子メタルを守るのが最優先、カムは二の次。なのでSCATリフターは採用しません。つーか、SCATリフターの頭がアバタになってるの見たことあるって話も聞いたし。それって材質か鋳造の質に問題あるんじゃ無いかなあ。
結局何も対策しないで組むって事になる訳ですけど、もしリフター頭が齧ったらダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングやってみたいなと思っています。あれ、ホントすべすべなの。

んで写真は何しているところかというと、リフターの油溝とリフターホールの油穴の位置関係を考えているところでして。22.5mmほどの深さに直径5mmほどの油穴が開口している事がわかりました。


カムのフルリフト状態を再現して、リフターを持ち上げてカムに接触させます。


リフターホールの上とリフターの鍔の下の距離=2.5mmでした。
つまりフルリフト時点で22.5mm+2.5mm=リフターの鍔下25mmの位置に油穴があるって事になりますね。


フルリフトで上側の溝の上端に油穴が一致(ちなみにこの測定はW-120でやってますのでベースサークルが小さい61007だとリフターの刺さりが1〜0.5mm浅くなります)。
リフターホール→リフター→プッシュロッド→ロッカーアーム→ロッカーシャフトと潤滑していく訳ですが、このオイルの流れが起きるのは最大リフト近辺のみなんですね。

出処不明のリフターですが、重量が1個辺り94.5g リフター頭直径29mm。
社外品のようで多分ScatのLight_weightの天辺に穴がないタイプ。
純正が88gらしいので全然Light_weightじゃない。
# この情報を得るのにシラサワさんのBlogを参照させていただきました。


せっかくもう1本オイル溝(おそらくリフター/リフターホール間の潤滑用)があるので、グラインダーで削って2本の溝をつなげてしまいます。この加工によりほぼ全カム角度においてオイルがヘッドに上がる事になります。溝の間の土手が油穴を通過する際はちょっと油量が落ちるでしょうけど。
プッシュロッドとロッカー周りの齧り防止には有効なんじゃないでしょうかね。

ってここまで書いて気づいたのですが。この加工をしなければフルリフトでしかリフターの穴にオイル供給されないって事はSCATの穴あきリフター、油圧落ちないですね(笑)。常時ヘッド側を潤滑する事と、最大リフト時のリフター/カム間の潤滑の、どちらを優先するかって問題です。


ちなみにこの加工をする際にはチビた切断用刃が使いやすいです。
それぞれ2箇所ずつ加工しました。


リフターホールに入れてガタをみてみましたが問題ないようです。
一緒に写ってるのがカムメタル、デュアルリップが使われていました。このまま再利用します。





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