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オイルポンプ

空冷vwのオイルポンプはご存知のように外接歯車ポンプ。
相方のカムの形によって大きく分けて二種類あります、低年式用のデザインである3ボルトのフラットカム用と、高年式用デザインの4ボルトのディッシュカム用です。


これらは全て3ボルトカムに対応するタイプ。
何故かチューニング用カムは低年式の形をトレースしています。


厚みが異なっていてもエンジンと接する面からカムに刺さる部分までの高さは同じである事が分かります。


厚みの違いは歯車の厚みの違いによります。左から21mm、26mm、30mm。この30mmポンプは実際測ってみたらもう少し歯が厚かったです。
この写真で見えている穴はポンプからの吐き出し穴なのですが、26mmポンプの穴が塞がれているのが分かります。
GENE BERG フルフローオイルポンプブロックオフプラグ 1/4" NPT です。名前の通りフルフロー化するための追加工です。
フルフローってのは空冷vwの世界でのみ通用する用語だと思うのですが、本来オイルフィルターを持たない空冷vwエンジンに、フィルターを後付けするための加工です。


ポンプからエンジンへの吐き出し穴を塞いでしまい、オイルをポンプカバーからホースで外に引き出してフィルターを通した後、直接ブロックのオイルラインに戻すのが一般的な方法。


蓋と一体で整形されているフィルターを通した後でもう一度ポンプに戻し、ポンプから元々のオイル穴に吐き出す方法もあります。このタイプのオイルポンプは何故か常に30mm歯車とセットになっています。


これが相棒の30mmポンプで、フィルターから戻る穴があるのが分かります。


26mmや、


21mmポンプにはその仕掛けが無いので、このフィルター一体型のポンプを使いたい場合には必然的に30mm歯車になります。


フィルターを通した後、ポンプを通してからエンジンに送り込むのと、フィルターから直接オイルラインに突っ込むのとでどちらがいいのかというと・・・後者。なぜならポンプ内の細いオイル通路を通すと圧損が生まれるから。なのでわざわざ盲栓を外してタップを切り直し、ブロックにフィッティングを取り付ける訳です。


オイルフィルターシステム。元々ポルシェファンで使用していたのでさらにオイルクーラーへと繋ぐためのアダプターがフィルターとフィルターブロックの間にサンドイッチされています。
とりあえず純正クーラーのみで行きますが、万が一冷え切らないようなら外部クーラーに頼らざるを得なくなります。


ブロック側。赤丸が本来ポンプから吐き出されたオイルが入っていく穴。


カムをセットしてみます。


続いてポンプ。これは30mmです。


別段問題なく付きます。そりゃそうか。
んでこのポンプにGENE_BERGの蓋を付けると、そのままブロックに直接入れるタイプのフルフローにできます。ポンプの吐き出し口に盲栓を入れる必要はありません。


てな訳で30mmポンプで行こうかと思っている訳ですが、ちょっと気になるのが油圧コントロール用のリリーフバルブシステムが30mmポンプの吐き出し量をリリーフしきれるかどうか、という事。
Sambaの投稿で報告されているように(この投稿は多くのサンプルを取って各部の油圧や温度、油量をそれぞれ測定しており、とても勉強になります)、リリーフバルブが全開口しても吐き出し口径が足りずにサチってしまって油圧が上昇→オイルクーラーコントロールのリリーフが開いてオーバーヒートっていう現象が起きえます。
ただ、このデータは油圧コントロール用リリーフバルブの吐き出し穴が5mmのタイプのケースで取られたものなんですよね。ウチのASケースの吐き出し穴は8mm。足りるんじゃないか・・・と。
# 吐き出し穴を加工した後のプラグを取り外し、12mm程度に拡大してやりゃ間違いなく大丈夫になるんですけどね。そのためのプラグは26mmポンプについてるのを使えばいいし。
# 実際そのつもりだったのですけど、何故か1/4NPTの代わりに1/8NPTのタップを発注するというミスをしてしまいまして一気に萎えました(笑)。

ええい、もうこのまま行ってまえ。油圧リリーフしきれないようなら30mmポンプ抜いて26mmに替えます。


ポンプが厚くなる分プーリーエリアチンとのクリアランスが厳しくなりますが、このGENE_BERGの蓋は薄めなので多分大丈夫そう。





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