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バルブカバーにタブ追加

にわかには信じ難いのですけど、時に空冷vwのバルブカバーガスケットが中に吸い込まれる事があるんだそうな。バルブカバー内の空間はどこに繋がっているかというと。
1:プッシュロッドチューブを介してクランクケースに
2:(あれば)ブリーザーを介して大気と
基本的にこの2箇所のみ。現代のエンジンじゃあるまいし、クランクケースとインテークとは全く繋がっていませんから、どう考えてもケース内が陰圧になるとは考え難い。
しかし、The_SambaのDUMPING OIL from the valve coverスレッド等、ガスケットが内側に向けてずっこける例は多数報告され、面白いのが皆一様にガスケットが「吸われた」と表現している事。振動で内側にずれたって訳ではないようなのです。
何故なんだろう、と情報を探したのですが結局答えは見つからず。
ブリーザーが存在し、外気を吸って陰圧となるのを回避できる状況であってもガスケットがずっこける事例が報告されていることから、一瞬の大負圧が起きていると思われます。随分考えて思い当たったのがインテークのバルブとバルブガイドの隙間。空冷vwエンジンはここにシールが無いため、アクセルオフでインテークポートが陰圧となれば隙間から空気を吸う可能性は否定できない、というか他には思いつけません。


写真は上記のリンク先からかっぱらってきたもの。
負圧がカバー内に発生した場合、吸われるのはガスケットの下側です。こっちの方が長いから。当然オイルが狂ったように漏れ出して、あえなくブローって可能性が高いです。なんて恐ろしい。

皆さんどうやって対策しているのかというと、メジャーなのは接着剤でカバー側に貼り付けてしまうという手段。


これは社外品のアルミ製のバルブカバーなのですが、淵に接着剤のカスがついているのが分かります。シリコンシーラントでは無くボンドっぽいです。


こちらがもう一つの解決策。
type-4エンジンのバルブカバーや、4気筒ポルシェの一部は初めからこうなっているそうなので、ファクトリーもこの問題は把握していたようです。Scatからも商品として発売されており、こちらは4つタブが溶接で後付されています。


下手にタブを溶接すると熱で歪んで面倒なことになりそうなので、出来ればネジ留めしたいところ。幸い、アルミのカバーだと肉厚があるのでタップが立ちます。


動弁系と干渉しなそうな場所を探します。


低頭ボルトで固定します。
アルミ板だと振動で割れそうな気がしたのでステンレスを使用しています。


ガスケットの厚みよりも僅かに薄くしておかないと、ガスケットが痩せてきた時にタブがヘッド側に干渉してガスケットの密着度が下がり、オイル漏れを誘発する恐れがあります。


社外アルミカバーの固定方法には2種類あり、ロッカーアームシャフト固定ボルトを使ったボルト留めと、純正同様のスプリング留めです。
どっちがいいかというとガスケットが減った分を追いかけてくれる後者。
右が社外品用で、カバー自体の厚み増加分とカバー内部が深くなっている分が長くなっています。


4方向全てにタブを追加しました。


赤丸で囲んだブリーザの部分、負圧の発生状況を確認するためわざとに隙間を空けてあります。万が一ここが強く吸い込まれたとしても、さほどオイル漏れるとは思えないので。ブリーザーが開口している位ですからね。
ガスケットの僅かな変形が観察されたりすると面白いのですけど。


中古で購入したこのカバー、赤くペイントされていました。
スプリングで引っかかれるのでどうしてもみすぼらしくなっちゃいますね。


ので、引っかかれる部分のペイントを剥がし、ついでにリブ部分も磨いてやりました。
もちろんボルトの突き出し部分はツライチにカットしました。


うーん、カッコイイな・・・。
スプリングの張力も十分で、これなら安心です。





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