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ケースセーバー加工

空冷VWエンジンは言うまでもなく組み立て式シリンダー。一般的なヘッドボルトではなく、クランクケースとシリンダーヘッドでシリンダーをサンドイッチし、シリンダーに刺したスタッドボルトにナットを取り付けて締結します。


写真は2110分解時点のもの。
ヘッドボルトではなく、スタッドボルトを使う理由としてはシリンダーケースの変形量を少なくできるというメリットがあります。スタッドボルトを無負荷の状態でシリンダーケースのボルト穴の底までねじ込むことでブロック側のネジ山を使い切る事が出来ます。ヘッドボルトで起きうる底づきの心配が無いわけですね。
それと、ボルトを締め込んでいってネジ部が伸びると、力が出せるのは上面に近い雄ネジだけとなりせっかくのネジ部の長さが生かせないという事もおきえます。
空冷VWエンジンはフカフカのマグネシウム合金ケースなので、スタッドボルト必須だったんでしょう。


加えてケースのネジ山をトルクに耐えられるようにするためにケースセーバーを使用します。
まあそれでもしばしばトルクに耐えられずケースのネジ穴が破壊されるようですが・・・製造されてから長い時が経ったマグケースですから、もはやマニュアルの値を鵜呑みにはせず、時として締結トルクは低めの方が良いようです。


んで、このケースのケースセイバー。問題ありです。


シリンダーがケースセーバーに座っちゃってます(^^;;;; シリンダーがキチンとケースに刺さらず斜めになっちゃってます。


シリンダーの下側を良く観察するとケースセーバーと干渉した結果凹んでいるのが分かります。これじゃシリンダーのケースセーバー部分に負荷が掛かりすぎてしまいますし、シリンダーとケースの密着が悪くオイル漏れの可能性があり、当然ですけどデッキハイトが揃いません。


気づかずに組んでしまったんでしょうね・・・。
しかし、やればやるほど色々と問題点が表に出てきますね、このエンジン。
悪気は無く知識が無かっただけなんでしょうから組んだショップの名前は出しませんけど・・・ハードチューンで古くから名が知られてる店みたいっすよ(^^)。


ボアが大きいですからね・・・。シリンダーの入る穴の縁からケースセーバーまでの距離に余裕が無いためにこういう事がおきます。
もちろんシリンダーを削っても問題は解決できるんですけど、やっぱりちょっとでもシリンダー剛性落とすのは嫌ですよね。
ケースセーバーの方を削りました。


リング状の部分を傷つけないよう、リューターでシリンダーが収まる出っ張りよりも低くなるところまで慎重に慎重に。


反対側も無事に終了。


終わったらもちろんネジ山にタップ修正掛けます。


#3シリンダーの上の前側だけ、ネジ山が引っ込んでます。





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