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ロッカーアーム加工

前回、ロッカージオメトリを考えるためにパワーポイント(笑)で図を描いてみたのは結構面白かったです。


この図。


ゼロリフト・中間点・最大リフトの状態だけ抽出してみます。
バルブとの接触点の移動量に注目です。
また中間点以外ではバルブとの接触が面ではなくなっています、この角度を吸収するのがスイブルヘッド。純正の棒状のアジャスターだと点で当たります。


アジャスターの突き出しを減らしてみます。
当然バルブに届かなくなりますので、その分リフターの軸を下げます=ロッカーアームスタンド下のシムを減らした(もしくはスタンド自体を削って薄くした)状態。


するとこうなります。バルブ頭とアジャスターの接触点の移動量が半減しているのが分かります。
また、ゼロリフトでアジャスターがバルブに届いておらず、バルブクリアランスが増えてしまってますので、適正に調整しなおすとバルブリフトが増えることになります。


理想的にはこうでしょうね。
バルブとの接触点から延ばした線がロッカーアームの支点を通るべき。


でも残念ながらスイブルヘッドのアジャスターだと頭の厚み分が出っ張ってしまってます。
この点を考慮してある社外品の1.1:1ロッカーアームがあれば買ってもイイんですけど。レバー比の大きなタイプのロッカーはちゃんと考慮して作ってあるんですが、1.1ロッカーではそんな商品はないんですね。


バラしてみます。
シャフトのアームが付く部分には溝などはありません。


1200エンジンをバラした時に気づいたように、ロッカーアームはプッシュロッド側からアジャスター側までオイル通路がドリリングされた後、溶接でアジャスター側を閉じてあります。
前述の通りシャフトにオイル溝はありませんし、アームのオイル通路も行き止まり。シャフトから先にオイルフローは無し。
バルブ頭とアジャスターの間の潤滑は飛び散ったオイルで賄われていると考えて良いでしょう。回転している直打OHCのカム山とリフターの間ですら同じ方式で潤滑されていますから、それで不十分なハズはないです(それでトラブルが起きないという意味じゃないです。オイル潤滑をそれ以上しても意味がないという事)。


で、頭を傾げざるを得ないのがこの社外品スイブルアジャスターの設計。ボール部に向けてオイル通路を開けてあるっぽいです。
これを見て積極的にボールにオイル供給したくなる気持ちも、まあわからなくも無いんですけどね。シャフトに溝を掘ってやればアジャスターのネジ部までオイルが流れてきます。
でも元々ボールジョイントってちょっとのオイルで十分ですから、無駄な加工かなと思います。


オイルがボールに流れるようにすると、このカシメの脇からオイルが吹き出してくるようになるわけ。その下にはバルブがいるわけです、空冷VWのバルブにはオイルシールが無いんですよね・・・。もしかしてインテークの陰圧強い時、アクセルオフやアイドリングで白煙出るんじゃないですかね、それ。


さて、ロッカージオメトリに話を戻してと。
ロッカーには削れそうな厚みがあります。その分アジャスターを沈めてやるのは上述のように間違いなくプラス。気になるのはアホなスイブルアジャスターの設計のせいでネジ部の強度が足りなくなるんじゃないかなって事。
ちなみにM8 t=1.0mmです。


削れそうな厚み=1.55mm程度ですので、1.5山失う訳。んーちょい痛いけど・・・トルク管理に気を使えば大丈夫かな?


オイル通路に要らない屑を押し込まないよう、適当なボルトを突っ込んでグラインダーで削ります。


お、結構違って見えますね。ちと削りすぎたかな(笑)。


完成。


お次はプッシュロッドの長さを決めなくちゃ。1200用のアルミプッシュロッド使って測定工具作りたいんですが・・・どこにしまったんだ、オレ(笑)。
プッシュロッド自体はアメリカに発注かけました。これまた実物見るのが楽しみです。





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