TOP
-週末の楽しみ〜ROADSTER SIDE〜その壱
11月10日(土)
ヘッドの組みを行います。腰下に比べて精度は低くなりますのでさらに作業に緊張感が無くなります。 組み付け前にバルブのセット長、つまりバルブリフト量=0でのバルブスプリングロアシートの上面からリテーナー下面までの長さを測定します。バルブシートカットをしていますからバルブは上に逃げ、バルブスプリングのセット長が延びる=イニシャルが低下しますので、測定結果によって必要に応じてシム増しを行う事になります。 バルブステムエンドからリテーナー下面までの長さは一定ですから、実際の測定ではスプリングとバルブだけを組み込んだ状態でスプリングロアシート面〜ステムエンド間距離を測ります。
バルブを燃焼室側からシートリングに押し当て、ノギスのデプスゲージをリフタシリンダーに差し込み、ノギスの尻をバルブに当てて深さを測定します...
スプリングの収まる面から治具をバルブステムエンドより高く立ち上げ、治具上面からバルブステム先端までを測定しないと駄目みたいです。 やっと再現性のある測定結果が得られました。ロアシートリング厚とリテーナー下面〜ステムエンド長を引き算してセット長を弾き出します。
う〜〜、期待していた数値と違いますし、かなりバラツキが見られます。シートカットによりセット長が延びるはずがエンジンデータブックの数値より短くなっています。シム増しが必要と思い追加用のロアシートリングをちゃんと購入してあったんですが...これは無駄になりそうです。
バルブの組み込みはちょっとコツが必要です。 バルブステムエンドのオイルをクリーナーで軽く拭き取り、コッターにグリスを塗ってコッター溝に張り付かせるのがコツです。オイルを拭いておかないとせっかくグリスを塗ってもオイルで滑っちゃいます。私はコッターを運ぶのにピンセットではなく精密ドライバーのマイナスを使います。ドライバーにもグリスを塗ってコッターを張り付かせ、そのままそうっと運んで溝に押しつけています。 さてバルブが組めたらタペットクリアランス調整です。昔は温間で取るというマニアック技も使っていましたが今回はふつうに冷間で取ります(笑)。ただ部屋の温度にはちょっと気をつかって、ストーブでガンガン暖めました。 毎度の事ながらこれが超面倒くさい。一旦取ってしまえば再調整は大したことは無いんですが一発目はかなり辛いです。
オイルストーンにひたすら擦りつけて削ります。 しかもさらに目眩がする事を発見してしまいました。シム長が同じでもリフター全長が同じになりません。各部を測定してみると、リフターの上面の厚さがリフターによりかなり異なっていました。シートカットを頼む際にバルブ沈み込み量を指定したとしても、シム厚は揃わないと言うことになりますね。
ちなみに戸田のマカロニの精度は流石の出来で、最大でも±0.01mmでした。
# 01.11.17追記 TOPへ |