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デスビ改造

アイドリングの点火時期を大幅に進める必要があることが分かったので、デスビを改造して対応します。


ブラジルボッシュ009を使います。固定進角にしてしまうのでわざわざジャーマン009を使う意味はないですから。
ローターを手で回してみると分かりますが、エンジン側にハマるシャフトとローター間には一定量のガタがあります。このガタ分が進角幅です。


ローターとポイントを除去した状態。


さらにプレートを除去すると遠心進角装置が顕になります。
このスプリングの強さで進角カーブをコントロールしてます。弱ければそれだけ低い回転数でMAXに進角するわけ。


スプリングが外れてる状態です。


本来は水色の線の位置にスプリングが掛かります。スプリングはローター軸を引っ張っている訳です。

遠心進角の仕組みを解説しましょう。
遠心力が掛かると、赤い○を軸として分銅が矢印のように外に動きます。矢印の先にあるのがストッパーで、ここに分銅が当たる事で最大進角量が規定されます。
赤い線はローターの軸と分銅の接触部分、ここを押すことでローター軸とエンジン側に刺さっているシャフトとの位置関係がズレて進角するんですね。
ちなみに緑線部分にもスプリングを掛けられるようになっていますが使われていません。


左の二つが新たに手に入れたスプリング2種。
デフォルトの3000rpmで最大進角する設定を、スプリングを弱める事でアイドリングで最大進角させてしまう作戦。余裕見て低めの800rpmで最大進角させるとして、遠心力は回転数の二乗に比例しますから
(必要なレート)=(現状レート)×(800~2÷3000~2)

現状のレートは、線径0.65、スプリング直径5.30、巻数7、スプリング部長さ8.30を、オンラインのバネ検討ソフト「コイルばねっと」に入力する事で求めました。1.680N/mmです。
よって必要なレート=0.119N/mm。

両端のリングの形状と長さにレートと全てを満たすスプリングを探すのはちょっと手間が掛かりました。
購入元は須山スプリング製作所。とても対応が早く、発送も郵便を使ってくれるので送料も安くて済みました。注文したのは、引きバネ既製品0.4mmNO9(ばね定数0.109)。
もしもスプリングが弱すぎて万が一始動時に分銅を引っ張りきれなかった場合用に0.45mmNO6(同0.167)も同時に発注しておきました。
それぞれ10個頼んで¥1460、これに送料(切手代)が120円です。


新しいスプリングをセットした状態。レートが高い方を先に試してみることに。もしこれでもアイドリングで最大進角が得られるならそっちのが安心。
これは分銅が全く動いていない状態です。分銅とストッパーの間に隙間があるのを確認ください。


二つある分銅はちょっと形とストローク量が異なっています。
写真上側の分銅がストッパーに当たった時点で、下側の分銅はまだストッパーまで随分余裕があります。


下側の分銅もフルにストロークさせた状態。上側の分銅はもはやローター軸に触れておらず、進角に関わっていません。
途中までは二つの分銅が進角に関わり、途中からは一つだけが関わることで、二乗に比例して増えてしまう遠心力に対して直線的に変化する進角特性を得ているんですね。
面白いですね。


んでスプリング変更の結果はどうだったかというと。
始動時の点火時期を純正値付近にセットし、エンジンスタート。もちろんケッチンを食らう事もなくスムーズに一発始動。1000回転程度のアイドリング回転数でおよそ30度の点火時期となっており目論見通りです。そこから回転数を上げても点火時期は進まず、固定進角が達成されました。

んで、乗ってみるとですね。
ガスペダルの反応バッチリ。
低回転のトルクもバッチリ。2リッターオーバーらしくグイグイ前に出てくれます。
どうやら低回転がものすごーくもっさりしていたのは、点火時期とガスペダルの遊びの仕業で間違いないようです。
相変わずメインとスローの繋ぎ目で薄い感じは出てるものの、このままでも大して気にならないレベル。元々4000回転以上は思い切り吹けてくれていたのはもちろんそのまま変わりなし。
この先のキャブセッティングが楽しみになってきました。



ちなみに。
固定進角にする事で問題が出るとしたら1500〜2500回転程度の領域でのノッキングを考えていました。その場合は負圧併用のデスビを使ってアイドリング領域を進角させるつもりでしたが、実際には実走行状態でもやはり燃焼速度が遅く、ノッキングは出なかったので固定進角で問題なしでした。

もしも負圧デスビでも上手く行かないようなら、最終手段としてフルコンの導入か2013 CB Performance Black Box Programmable Timing Control Module (以下BB)を使ってみようかと思っていました。BBはなかなか面白そうなおもちゃで、既存のデスビとコイルはそのままに、負圧と回転数で作られるマップによる点火時期制御を可能とします。デスビからコイルへの緑の配線に割り込んで入力に対しマップに従って時間差で出力するイメージ。
なのでクランクアングルセンサーが不要です。見た目が変わらないのがとても素敵です。こちらが広告ページ

ただ、気になる点もあって。例によってSambaで情報を集めてたんですけど、CB Performance black boxというスレッドで、始動時のケッチンが報告されています。乗っている時にトラブルが起きる分にはBBを外して元のシステムに復旧すればイイだけですけど、ケッチンは困ります。点火時期を見ながら始動すると、本来マップの値によらずBTDC10度にセットされているハズが、BTDC70度でスパークしてしまう事があるようです・・・下手すると一発でフライホイールとスターターのギアが死んでしまいます。
CBはファームウェアを更新しようとしていたようで、2ndバージョンは完成したようなのですけど、問題が解決したのかどうかの報告が無いままこのスレッドは終わってしまっています。
軽負荷/低中回転領域でもう少し点火を進めてみたい気持ちもあって依然として興味がある商品なので、その辺もう少しクリアになってもらいたいもんです。


高回転については、マップで制御する意味は元々薄いので、ドラッグでよーいドンする分には固定進角で上等ですね。以前に書いたようにおよそ4000回転以上で点火時期を35度とするとノッキングが出ていました。ごく普通の燃焼速度で燃えていると想定出来ます。4000回転以上だとセミヘミの悪影響はほぼ無いんですね。キャブのセッティングが終わってから少し点火時期をイジってみようかとも思っていますが、おおよそ30度ちょいちょいで落ち着きそうな感じです。





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