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-週末の楽しみ〜Weekend Carpenter SIDE〜
-週末の楽しみ673キッチンリモデル 序章どうしてキッチンってあんなに高いんでしょうね。大手メーカーのシステムキッチン、いったいどの部分が金食ってあの値段になるのか良く見えないんですが、材料費に製作費を加えた金額よりはるかに高いように思えます...高いです、と言い切ってしまえないのは同じ部品を購入するのが難しいので正確なところがわからないため。たとえばサンウェーブのシンクだけやクリナップのワークトップだけ欲しい、リクシルのキャビネットドアだけ買いたいと思っても部品ではメーカーから出てきません。当然値段も分からない。分かるのは部品をグレードアップした場合の差額がいくらになるのか、だけ。 これがクルマならすべての部品は補修用として供給してもらえます。んで全パーツ買って1台組み立てると恐ろしい金額になります、当たり前だけど。数を作ればそれだけスケールメリットが生じて安くなるのが工業製品。ラインで数を組み立ててコストをカットし競争力を得る。誰でも知ってる規模の経済。 ところがシステムキッチンの世界はそうなっていません。いや、そもそも住宅建築のマーケットがほぼ全部そうなっていません。住宅メーカー・キッチンメーカーがショールームに用意したカタログの中に閉じ込められて選ばされて「はい、お値段こちらです」描いていたイメージとかけ離れた妥協の産物ができて、それでまだ安ければそれでも良いけど、何しろクソ高い。 消費者もそろそろなんだかよくわからない理由で値引きがもらえてラッキー、って喜こばされてちゃいけないと思う。物の値段を知るべき。 家具屋のニトリでI型が16〜40万(換気扇付きの吊戸棚とガスコンロが付属、食洗機なし)。お、安い。お値段以上かどうかは疑問だけど。大手のホームセンターでも同じようなのをどんどん出してきてる。取り付け業者が指定されていてそっちで巧いこと回収されているんじゃないかとか、ちょっとだけ部品をグレードアップするといきなり10万単位でアップするとか、まだまだ商売として胡散臭いところもあるけど、少なくともこのあたりの金額が大量生産品としてのキッチンのある程度リーズナブルな値付けなんじゃないかな? 大手キッチンメーカーのも「展示未使用品」がヤフオクに出されると似たような金額になるあたりからもこの辺が損益分岐点なんじゃ?って。 ちなみに、ハニー目線だとシステムキッチン=トレーラハウス、だそうで。まあアメリカのキッチンって単体でこっちのリビングのサイズですからね。そんな広さにシステムキッチン置いたら、どんな高級バージョンでもちと力不足でしょうね。 自分のイメージを具現化したいんだ、って人に人気あるのがIKEA。これだと魅力的なのがある。カタログから部品一つ一つ選んで組み合わせていく、それぞれの部品がちょっとずつ高いからぜんぜん割安感はないけど出てきた値段には一応納得できる。 ちなみにアメリカでIKEAは大学生や新婚の若い夫婦が家具を買いに行くところ。まさに日本におけるニトリの位置づけ。ぜんぜん悪くないけど憧れの何かが見つかるところじゃないって認識されている(僕には十分格好良く見えます)。 DIY大好きだから自分で全部やったらいくらになるかな、ってどうしたって考えちゃう。角材で補強しながらシナ合板で構造組んで、ワークトップとシンクという上になる面と、前面になるキャビネットドアを張り付けりゃ基本は完成。それにお好みのキッチン家電組み込んであとは蛇口やらヒンジやらレールやら細かな機能をお気軽に選べば良いだけ。 そんなにおおごとじゃないような。 制作全部を人に依頼した結果同じような金額払う事になったとしても。大手メーカーのキッチン買ったお金が、ショールームの費用やそこで口だけ動かしているやつの給料に化けるのは面白くないのです。お代金は作ってくれた職人さんの懐に僕からの感謝とともに収めてもらいたい。 いきなり8割方完成した写真で恐縮ですが、こんなのが欲しかった。L字のカウンター下に収納とキッチン家電、上に吊戸棚。 これ作ってもらうに当たっていくら見込めばいいんでしょ。 ワークトップ15万、シンク5万、キャビネットドア1万×10組、蛇口3万、金物に5万? これで合計=38万。 加えて材料+作製費用、設備屋さんの工事費。 材料+作製費用がどれくらいかってのは大工さんに聞く。大工さんとのコネクションがない場合は壁付のオーダー家具作ってるとこに見積もり取ればOK。こんな感じでオーダーキッチンはどちらかっていうと家具製作に近いので。逆に家具屋さんはそれをインストールする大工さんへのコネクションは持ってるはずです(配管と配電等をデザインに組み込むのをお忘れなく)。 配管と配電は資格がないとできないので設備屋さんにお願い。 写真は食洗機用配管の作業中で左が設備屋さん。右の大工さんと相談しながら作業しやすいように裏面と底面をデザインしていってます。 以上を足すと僕の欲しいキッチン+キャビネットが完成するはず。 メーカーのキッチンベースでいじるのも一案だったのですが、サイズ上の細かな自由が利かないのはもちろん、ユニット構造で強度不足がおきるためのために下手にいじれないそうな。ワークトップを重たい天然石にするには強度が足りなかったりとか。 劇的ビフォーアフターで外されたキッチン、自重でぐちゃっと変形したりしてますもんね。 うちの場合は他にも沢山同時進行で大工さんに作業を頼んでしまったので、キッチンだけで幾らになるのかは正確には分からないのですが、超ザックリ言って100万前後じゃないかなと。 これがビフォー。20年位前のI型システムキッチン。見た目はともかくとして、一応現代のシステムキッチンなのでこれ自体の使い勝手はそれなり。賃貸住宅なら文句言わず使ってると思いますし、これまで6年間何となく使い続けてきました。 初めから今までずっと不満だったのが奥の壁にあった割と大きな窓、こいつのせいで収納に使える空間が限られていて。耐火ボードになってる部分が今回窓を細長く変更したことで生まれたスペースです。これで吊戸棚がつく。 上から見るとこんな感じのデザイン。吊戸棚は30センチほどしかありません。狭いキッチンをこれ以上狭くしないための割り切り。深い戸棚の奥の方って暗黒世界になりがちだし。 ガスを廃止したのでメーターとガス警報機がいなくなりました。 料理をする立場としてはガスの方がずっと好みなのですけど。一つは将来的に高齢になった場合の安全性を考えて。もう一つは大きなオーブンがどうしても欲しくて、IHオーブンなら電子レンジを無くして省スペースが可能に(ガスコンロとIHオーブンの併用は出来ないのです)。 おまけでこの機会じゃないと入れられない食洗機も導入しちゃうことに。 TOPへ |