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部品を探せ

さて。大まかに言って100万ほど用意できるとなったらデザインを考えながら部品集め。
すると、さっそく前述の「部品が出てこない」「見つからない」って問題にぶち当たります。

まずはシンク。Amazonでシンクを探すと見つかるのは特殊な陶器の輸入モノか、中国製の文字通りのゴミ。普通の日本製のステンレスの深絞りシンクはAmazonにはないのです。中国製のゴミは絶対買っちゃダメですよ。

でもシンクはまだ楽な方、キッチンメーカーがダメでも、シンクそのものを作ってる会社もしくは卸会社のwebsiteに行けば注文できます。
参考:シゲル工業株式会社
主要販売先はパナソニックエコソリューションズ住宅設備株式会社、TOTOハイリビング株式会社/クリナップ株式会社、タカラスタンダード株式会社/株式会社ハウステック、マイセット株式会社/株式会社ナカヤマ、IKEA JAPAN K.K/株式会社LIXIL、その他全国キッチンメーカー (順不同)となっていて、つまりキッチンメーカーのOEM作ってる会社。

うちで採用したのはISオーバーシンク GO-8L/Rってやつ。
左側に排水口が来て欲しかったのと、オーバーシンクで蛇口が真ん中から出るって条件を満たした一番安いやつ。


制音材付きにしました。それなりに静かです。排水部品入れて3万ちょっとで買えました。


安いけど品質は全然問題なしでした。サイズも図面通り正確でキッチン天板の切り欠きにピタリと収まってくれました。


一点だけ、注意が。
シンクを下から見た写真で、穴が空いている木材は蛇口取り付け部の補強です。
補強はキッチンの骨組みにつながってます。これがないと蛇口を操作するたびにちょっとグラグラしちゃうかも。


続いてキャビネットのドア。
これは本当にラッキーなことに額縁にレイズドパネルが嵌った無垢材の本格的なのをオークションで安く見つけることが出来ました。大きいほうが2,400円、小さいほうが2,200円。
しかも出品が札幌からだったので自分で引き取り出来ました。引き出し4枚(@1,000円)も買って、総額5万ほどで済んでしまいました。

これが無かったらエライ事でした。
キャビネットのドアはほとんど出来合いのがありません。
IKEAのキャビネット扉の値段見ると・・・同じ面積を塞ぐのに20万位、しかも真っ平らなデザイン。僕はそれで構わないですがハニーはとてもガッカリしてたことでしょう。
他に検索に引っかかってくるのは落し込み框組フラットパネル仕様 | 無垢の木の棚、DIY通販 _ 無垢の木のDIYショップのキッチン扉 無垢木替え、I型部のドアを真っ平らな板に交換して129,600円。L型全部だとやっぱり20万位は掛かりそう。


ドアを一つ一つ家具屋に作ってもらうと恐ろしい金額になるのは目に見えてますので・・・恐らく自分でツーバイ材をルーターテーブルで加工してこんな感じで作ることになってたような。
これはこれで楽しそうでした。棚さえ出来ちゃえばドアは後から少しづつ作って行けばいいんで。


一番困ったのが天板でした。
結論言うと地元の墓石屋さんに相談に行くのが現実的かも。

Webで一応見つけられたのがE_ReFORM+E_kitchen:ショップ。業者を介せばモノは取れるようですが、実際に見積依頼してないので幾らになるかは不明。

見積取る前にそもそも石材って幾らぐらいするのか?知っておきたいところ。
古橋石材に行くと感覚が掴めます。うちで必要なサイズの材料600×900×20を4枚で3.2万+送料1万ってところでした。ただしこれはあくまで外で使う為のものなのでキッチンカウンター天板として十分なクオリティかどうかは不明ですし、シンクとコンロの穴をくり抜くのは自分で何とかしなくちゃいけません。でもKeigoに聞いたら直線だけなら多分切れると思う、って言ってくれたので最終手段として真剣に考えてはいました(手前の厚み部分が未研磨のままってのは気になりましたが・・・)。

ちなみに。もしアメリカでキッチンをリモデルしようと思ったらどうするかというと。キッチンのサイズを測ります。必要なサイズが分かったら街のちょっと大きなホームセンターに行きます。


こんな感じ。普通のおばちゃんがキッチン天板を交換してくれと頼んでいるの図。店員にサイズと材料を伝えると切り出してくれて、それらをインストールする業者を手配してくれます。シンクとキャビネット扉は現物が置いてありますのでそれを購入。
すげー簡単。

ちなみに買った商品をインストールする業者はカーペンターとは呼ばれません、ただのインストール屋。カーペンターってのは要求を形にできるコーディネーターの能力があるべき職業で、技術とさまざまな材料や他業種へのアクセスが必要。日本にもキッチン屋さんという職業があるみたいですね。この辺とか。システムキッチンを壁に引っ付けるだけの業者とは別モノですな。

んで結局どうしたのかというと。地元の石屋に相談に行きました。
札幌軟石で有名な辻石材工業株式会社さん。電話したらモノを実際に見においで、と受付の女性が親切に対応してくれてハニーと一緒に見に行って石を選んできました。
その時点では値段がわからず見積もり待ちに。
普段相手にしているのは藤田工務店みたいな高級住宅メーカーらしくて一体幾らの見積りが出てくるのかドキドキ。結果、最終的な加工と奥側につくバックガードも全部含めて8万に消費税。前述の材料代としての石の値段+加工代と考えると十分に納得行くお値段でした。


猫が乗っかってるのがバックガード(裏返しになってます。磨く前と後とで色がまるっきり変わるんですね)。
地元なので配送も先方でやってくれました。モノがモノなのでぶっ壊されると洒落にならないのでそれもありがたかったです。


シンクの切り抜き。綺麗なアールです。これが出来るかどうかで前述のシンクが使えるかどうかが変わるところでした。


コンロの方は直角でOK。
1枚で仕上げるととんでもない重さになって作業に支障をきたすので3分割。シンクとコンロのくり抜き部分で割って割れ目を短くしています。
石をスライス加工する際、手前側から切り始めるようです。奥に行くに従ってどうしても少し狂いが出てしまうようで、うちのだと奥側で0.5ミリの厚みの差がありました。厚み調整に紙で楔を作って浮かし、接着剤を厚めに入れることで大工さんが上手く収めてくれました。


今回採用したのは御影石。英語だとGranite。強度的には大理石(Marble)より高く、アメリカのキッチンで一般的に使われているもの。Marbleの方が高級とされるそうですが、値段は一緒位。より繊細なので高級なイメージになるようです。御影石だと実用的な印象になるよう。
参考:なぜお墓には大理石より御影石の方がよく使われるか? _ 墓石の石安

御影石にも種類があって、輸入できますよと見せてもらったサンプルの中にはもっとカッコ良いのもあって(モヤがもっと細かくくっきりしてました)値段もそう変わらなかったのですが札幌で加工ではなく、中国で加工されてから輸入になると聞いて却下しました。もし希望通りでなかったら面倒なことになっちゃいますから。ちなみに石の世界だと輸入品は通常月に1度、ある程度のオーダーが溜まった時点で発送され船で数週間で到着するようです。約2ヶ月みておけばOK。加工の内容が決まってるモノはほとんどの場合中国で加工されてからで、固まりの石が在庫である場合のみ国内で加工して納品されるそう。

石もピンキリではありますけど、キッチン用で出してるところはえてしてとても高いです。例えばカウンター・天板 石材スーパーチェーンだと黒御影石〜2700mmで28万5,000円。これだと手が出ません。
もう一つ参考まで



キャビネット側のカウンタートップは無垢の耳付き板で行くことにしました。
暴れん坊なので後々反ってトラブルになるかもですけど・・・どうしてもやりたかった。写真は上部のキャビネットに突っ張って反りを抑えているところ。この後下側のキャビネットに縫い付けて無理やり固定。

後は家電類を中古品も含めて何とか安く買い集めて、大物の材料は一通り目星がつきました。


ちなみに。「天板の素材を何にするか」について検索していて面白い記事に行き着きました。名古屋のオーダーキッチンメーカープロトのサイトです。
"ステンレスVS人工大理石"の戦いは、”システムキッチン”の歴史そのものだったりします
是非読んでみてください。


地元の石屋さんで石を買ってくる、という結論に達するまでに検討したのが、
人造大理石を作る
コンクリートトップにする
敷石を自分で付ける
モールテックス
という辺りでした。人造大理石=テラゾーはとても興味がありぜひやってみたかったのです。古民家とのマッチングが素晴らしい例。うーん、素敵。が、粉塵が凄まじいらしく。
ならばモールテックスはどうだ?と正規輸入元の株式会社オフィスTAKAHATAに問い合わせてサンプル頂いてみたりしました。施工業者のウェブサイトの中にはまるで講習会受講済みじゃないと取り扱えないように書かれているところもありますが、実際は直接こちらから購入できます。とても面白そうな素材で、今回は採用しなかったものの何かの折に使ってみたいものです。

んで敷石を自分で付ける、は結果として古橋石材のサイトに繋がり、ならば地元の石屋さんにも相談してみよう、で辻石材へという流れ。思ったよりも高くなかったので御影石になりましたけど、コンクリートトップはハニーの反対が無ければやってたかも知れません(笑)。作ってる様子も楽しそうですし、仕上がりもワイルドでカッコイイです





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