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丁番いろいろ

L字型のキッチンでひと工夫必要なのがコーナーの処理。


ネットから拝借した画像、こんな感じでスペースを使い切ってるのが多いですね。
回転テーブルを仕込んで狭い入口でも奥まで使えるようにしてる。この回転テーブル、どういう訳だか英語だとlazy susan。だらしないスーザン(笑)。スーザンに失礼。
そして細長い2枚のドアを繋いでいる丁番はpie cut corner hingeと呼ばれます。なぜパイが登場するのか・・・? しばらく考えてようやく分かりました、なるほどね。回転テーブルの一部がまるでパイのように切り取られてるからだ。つまりこの丁番は多くの場合、円弧を90°切り取られた回転テーブルとセットで使われていると。

ともかく。この丁番は日本ではほとんど流通してません。アメリカから買った方が確実、かつ安い。僕はROCKLERから買いました。商品名はSalice Face Frame Self-Closing Pie-Corner Cabinet Hinge Kit。
Kit、となっているのは扉をキャビネット本体に繋ぐスライド丁番もセットで注文したから。うちの場合は1/2 in. Overlay、国内で言うところの半カブセです。

お値段は為替相場で変動しますが、
本体 JPY 4,200
Shipping: JPY 2,070
Tax: JPY 0
Duty: JPY 0
Insurance: JPY 0
Grand Total: JPY 6,270

そんなに高くないですね(国内業者通して買うと2万とかする)。お正月またいで3週ほどで届きました。
Amazon.comでも見つかります。丁番単品ではなくプレートが付属しているのを買うこと。うっかり買い忘れると特殊な丁番で国内で流通している丁番用のプレートは合いません。



2枚の扉のうち、吊り元側の1枚に全てのカップが来ます。
本来ならコーナー用の幅の狭い扉を使うのですが、日本ではデザインが合うのを手に入れるのは不可能なので、普通の扉を切って使用しています。
吊り元側の裏側にシナ合板を貼っています。鏡板は枠に固定されていないので(無垢材の収縮によるトラブルを防ぐため)、半分にすると鏡板と枠がバラバラになってしまうのと、パイカット丁番で吊られる側の扉の重さが掛かってくるのに耐えられるよう補強するため。



左が扉が閉まってる時の丁番の状態。板バネのチカラが掛かっていて90°よりやや大きい角度で落ち着きます。閉じた状態で2枚目の扉がキャビネットに軽く押し付けられるようになっている訳。
上の写真の右側が扉を2つ折りにした時、下の右側が扉を開いた時の丁番の状態です。


動画で見た方が分かりやすいかな(字幕ON推奨)。




吊戸棚のコーナー用の開き角度の大きなスライド丁番も届きました。こちらは大工さんを通して国内発注。北海道に在庫が無くて、しばらく待ちました。
左が新しく届いた方で、150°開きます。
右は暫定で付いていた90°のスライド丁番、半カブセです。
見ての通り何故かプレートに対するカップの位置が異なってます。150°のカブセ量多すぎ、そのままつけると全カブセになってしまいます。単なる部品屋さんのミスなのか、開く角度で違うのか、謎。


コーナー部分を観音開きにしたい場合にはこのスライド丁番が必須です。


90°時点、150°丁番にはX型の関節があるのが分かります。


9mmのシナベニアを切って吊り元をふかしてプレートを取り付けることでカブセ量を調整し、無事に付替え完了。


扉がキャビネットから大きくせり出しながら開くことが見て取れます。国内スライド丁番でこの角度とせり出し量が十分確保できるか心配だったのでセットで輸入したのでした。



これだけ大きくせり出しても、隣の扉に取っ手をつけると干渉しちゃいます。

それと扉のグルーブ部分が穴になってしまっているの、どうしたものやら。まだアイディアがまとまりません。


# 2020.11.18 追記


何気なく眺めていて、考え違いをしていたことに気づき、試してみたら簡単に解決しました。


赤で囲んだのがグルーブの穴を塞ぐために追加した材です。
コレを追加すると相方のドアに干渉してしまうとばかり思い込んでいましたが、良く見てみれば大丈夫なのでした。
角材のままだとヒンジ自体に干渉するので、そこは丸鋸と鑿で切り欠きました。
ついでに半分に断ち割られて強度が落ちていたドア枠の補強も出来てしまいました。レイズドパネルと接着してあるのですが、パネルと枠の収縮量の違いを吸収するためにこういう構造になっているわけで、長く使っているうちに接着剤が負けそうな気がしてたんですよね。


分かりやすいように赤線を引きました。
開く時に一度手前に少しだけ引き出す必要があるので、追加した材のツラはその分だけドアより奥まっている必要があります。



ハードウッドのドアに合わせて、ラワンの角材を使用しました。
ブライワックスのチェダーオークで塗装したら見事に色が合いました。


コーナーのドアに干渉してしまった左のドアの取っ手。短くカットしてネジを切り直して装着しました。見た目にも使っていても別段違和感無いです。





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