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ファイアプレースのデコレーション

ハニーがどうしても気に入らなかったのが北海道のストーブ。
我が家のは普通のトヨトミ製FF式ストーブだったのですが、この見た目がどうしても気に入らないと。そう言われましてもそれ以外の暖房は家の作りを根本的に変えないといけないですし・・・。
ちなみにアメリカのおうちだとどうなっているかというと。セントラルヒーティングで温風がダクトを通って送られてきます。日本だと燃料代がかかりすぎるってので随分昔に廃れたやつですが、燃料コストが全く違うので問題ないらしく、ほぼ全ての家がセントラルヒーティング。
加えて、暖炉が飾りで据え付けられていることが多いです。実際に火を入れれる場合と完全に見た目だけの場合があります。火が入る場合もプロパンで炎が見えるだけで、暖房としての役割は期待されていません。そもそも暖炉はほぼ全ての熱が真っ直ぐ上に逃げてしまうので暖房効率的には最悪ですし。


まあでも。やれるだけやってみましょう、という事になり。庭に積んであった外壁用杉板を引っ張り出しました。


そしたらいきなりこれです。何か飛んでるな、とは思っていたのですが、スズメバチが巣を作っていました。野球ボールほどなので敵は数匹、冬用の格好にフルフェイスのメット被って取り除きました。


そのまま使うには荒すぎるので、電動カンナで磨きます。
中古で買ったマキタの古い電動カンナ。やや大柄です。


刃の調整が必要なようで、進行方向の右側ばっかり削れます。


板の幅の方がカンナより広いので、繰り返し磨いていくと深い溝ができてしまいます。
これはこれで良さそう。今回の目的にはぴったりな表情が出来ました。


いろんな表情のが欲しいので、綺麗なのも作りたいところ。右側が多く削れるのなら・・・。


前後ひっくり返してカンナがけすれば上手いこと行きそうです(面倒くさがらずに刃の出し具合を調整すればいいことなのですが)。


上手く行きました。ちょっと黒いステイン(リボスです)が残ったのもいい感じです。


電動カンナ、恐ろしい量のカンナ屑が出ます。


表面のデザインや仕上げはハニーの仕事です。
壁の胴縁の位置を方眼紙に写しとって預けました。


再利用された古材を装うため、ランダムな色使いとランダムな長さが必要。


あれやこれやと並べ直して最終案がこちら。


木取りも簡単に出来ます。元の杉板の長さは3.5mほど、外壁材なので長いです。


各部の長さと色を正確に記載しておきます。


設計図に沿って、部品を切り出していきます。丸鋸定規を作りました。これ、何故今まで作らなかったのか後悔するほど便利です。墨つけは点を一つ打つだけ、線を引く必要がないのでとても早いです。


十字型に合わさっているのが定規。赤矢印に先ほどの墨を合わせます。


後は定規に沿わせて丸鋸を走らせるだけ。正確に真っ直ぐ切れます。超簡単。


表面の仕上げについては、ハニーと随分話し合いました。
アイディアの一つがこれで、ドリルに取り付けたブラシで表面を擦り、木目を浮き出させようというトリック。
真鍮とステンレスのブラシを用意しました。


ブライワックス各色を塗って作ったサンプルがこちら。


真鍮はやわらかすぎて時間がかかりすぎました。youtubeで見た動画だと真鍮を勧めていたのですが、アメリカで手に入るのはもう少し毛が太いのかも知れない。
ホーマックで買えるのだとステンレスのが良かったです。ドリルも電動ドライバのような数百回転のでは話になりません。振動ドリルを振動なしで2600rpmで回してちょうど良かったです。


かなり強く風化した仕上がりになります。木目の間の肉がそげ落ち、さらにブラシの作った波模様が付きます。カッコイイ・・・のですがインテリアに使うには印象が荒すぎます。
何か別のことをする時にぜひ使ってみたいテクニックではあります。


火で炙る事にしました。バーナーを使っていますが火加減は極弱め、でかいライターって位の火力です。
ちょうどガンで色を塗るような感じで火で焼き目を置いていきます。


やり過ぎないように丁寧に。


炙ったあと、サンドペーパーで擦ります。


ブライワックスのオールドパインを塗りこんだところ。


これはジャコビーン。
これだけ濃い色でも意外と焼き目が見えます。


ハニーが表面仕上げをしている間にこちらは胴縁を作って付けていきます。
廻り縁の逃げを欠き込みました。


丸鋸で切れ目を入れてノミで削り落としました。これ、結構気持ちよくて楽しい作業です。


今回の作業に伴ってコンセントの位置を変更したいのです。壁外配線で移動し、杉板の下に隠してしまう事に。配線が通れるよう、胴縁を欠き込んでいます。


漆喰の塗られた耐火ボード壁をインパクトドライバーのビッドで掘ってみると中から化粧合板が顔を出しました。昔こういうのよくありましたよね。


カッターで切ってコーススレッド打ってパカッと。中には断熱ウールがあります。



こちらがストーブが乗っかるプラットフォームのデザイン。 ダイヤモンドの形をしています。上面には400mm角の鉄平石、@2,333円を載せます。


木取り図がこちら。


石はKeigoが切ってくれました。こいつ御影に次ぐくらい硬いんだよな〜、と。非常に割れやすく、小さいパーツを切ろうとするとほぼ砕けてしまいます。


この断面は見えるところに位置します。十分鑑賞に耐えるくらい綺麗ですね。


裏も表もかなり不陸があります。この対処も考えないと。


井桁に組んで強度を出します。


できたー、と思ったら設計ミス。前面につく石の厚みを計算に入れていませんでした。
その分切り落とします。


もう一つミスがあって、天板の分を差し引くのを忘れていて、全体が12mm厚くなってしまいました。既に接着剤を入れてしまっているのでバラせず、丸鋸と、丸鋸が届かないところは手鋸でスライスするしかないです。丸鋸の刃の出を12mmにセットして切れ目を入れまくりました。


ボリボリとかき落として行きます。


多少の不陸はカンナで削り落とせばオッケー。


やっと完成。
人が載ってもびくともしません。


ホースの交換などで必要になるので、天板は一部外れるようにしておきます。


灯油のホースが通る穴を開けておきます。


電気配線と電話の配線の移設。結線は資格持った人にやってもらいます。


ここに大きな穴が空いたのはドリルを入れるため。間柱が中にあって、配線が通せなかったのです。


仮合わせ。


石を置いてみると案の定かなりがたつきました。


ダイソーの耐震マット(厚み5mmでホーマックのより厚いし、もちろん100円)を沢山買ってきて挟み込みました。


思ったよりずっといい出来です。部屋のセンターピースができました。


ストーブも買い替え、同じトヨトミですがアンティークデザインのもの。火をつけると薪を模した飾りが真っ赤になるギミック付き。

残る作業は前側の石の取り付けと煙突などなどです。





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