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MORTEX

キッチンには無塗装のままむき出しのシナ合板がかなり残されています。
キャビネットドアに使用したハードウッドの無垢材とシナ合板の仕上げ、一体どうやったらマッチするのか・・・とても難しい課題です。

んで、MORTEXを使ってみることにしました。日本総代理店の株式会社毛受建材から直接購入。以前にも書きましたが、講習会に参加しないと取り扱いさせてもらえないように書いているサイトが多いですが、実際には個人でも(屋号が必要だったかも知れませんが)小売してもらえます。

キッチン天板に使用することを真剣に検討した素材で、一言で言うと特殊コンクリート。うす塗りでも割れない、水を通さない、ほぼあらゆる材質に施工出来る、など多くの可能性を秘めている材料です。

今回の発注量は1m~2分、プライマー・本剤(液と粉)・着色剤・仕上げ用ワックス、で1.6万円。やや高い印象です。ただし、ワックスは使わなかった(使えない仕上がりになった)のでそれを省けば2,750円安くなります。また、プライマーは3/4余りましたし、着色剤も半分ほどしか使わなかったです。さらに単位が大きくなるとスケールメリットが出るので、個別に見積もりとってから考えたほうが良いかと思います(リンク先の下の方におおよその価格が載っています)。


これがプライマー。牛乳みたいな見た目と質感。刷毛でシナ合板に塗りつけました。吸い込みは大したことなく、2回塗ればほぼ吸い込まなくなります。乾くとややベトベトした状態になります。


本剤の粉と液、着色剤をそれぞれ計量してカップに分けておきます。


こちらが本剤の粉、こちらに液体を合わせて混ぜるとすぐに固まり始めます。猶予はわずかに20分。のんびりしている暇はありません。着色剤は予め本剤の粉、もしくは液体と均等に混ぜておくムラを防ぐことが出来ます。左下に写っているのが自作の攪拌機。


丸棒に鉄板のハギレを溶接しただけ、ですがこれで十分でした。


振動ドリルで回して使いました。
攪拌機が無かったら作業を開始する前にダマになること請け合い。
左に写っているボトルが本剤の液体。


買っても千円程度ですが、MORTEXの場合使い捨てになってしまうので(本物のコンクリートと違って水で洗い落とせないため)ちょっともったいない感じ。


何しろ時間が足りません、塗っているうちにどんどんもそもそしてきます。液剤を多めにすればいいのかも知れませんが、本剤のネタの量がカツカツなので割合を変更する事が出来ません。


平滑に仕上げたかったのですが、とてもじゃないけど無理。


そもそも、MORTEXでコンクリート打ちっぱなし風の仕上げにするには、研磨の工程が必要。地面に水平の面なら、水っぽくしたネタ+コテさばきで近いところまで持っていける気もしますが、この小さく垂直の面でそれをやるのは無理。
ならばいっそ荒っぽい仕上げも良いかとわざとこんな仕上がりに。


プラスチックと荒っぽいコンクリートの取り合わせがとても楽しい。


電化製品のコードを引っ掛けてスッキリさせるための金具、このアイディアはオススメ。


換気扇とキャビネットドアの間の細いフィラー、ここの部分は僕が担当しました(他は全てハニー)。


漆喰で鍛えたコテさばきを見やがれ、と気合入れましたがやっぱり平滑には出来ませんでした。ここからグラインダーで削りを入れればいけそうですが・・・それだと粉塵がえらいことになります。

話を少し戻して、もしもキッチン天板にMORTEXを使うと考えると。
どうせ粉塵が問題になるなら、テラゾーで良いんじゃないかって気もします。そっちのが安いですし。キッチンが重くなりすぎて床強度が大丈夫かなって懸念はありますけども。


トラッシュドロワーやスパイスドロワー、その他のフィラーも塗装しました。
担当したのはハニー。こういうアートな仕上げは彼女の独壇場。元がシナ合板とは思えない、まるでハードウッドみたいです。


引き出しの隙間から見えているシナ合板に注目。
これが・・・


こうなるんですからほんとびっくり。
使ったのはただのダイソーの水性ニス。数種を組み合わせて使い、塗っている様子はまるで木版の上に水彩画を描いているよう。


数日使って仕上げていました。本当はもう少しキャビネットドアと色を近づけたかったようですが、黄色っぽい水性ニスが見つからず合わせきれず。


袴も手を抜かずちゃんと塗ってます。忍耐強さに頭が下がります。





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