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リトラモーターユニット修理

角目用のリトラクタブルライトのモーターユニット、助手席側が欠品しておりました。なかなかオークションでも適当なのがなく困っていたらオボさんが不動品をお持ちで、お願いして譲ってもらいました。


ばらしてみた所。電気の流れはB+→UPorDOWNスイッチ→金色の円盤→内部リレー→モーター→マイナス、です。この金色の円盤がしばしば故障の原因になる部品。


皮膜が出来ています。これが接触不良を生みます。
内側/真ん中/外側それぞれに接点が接しており、その筋が残っています。筋の下には皮膜は無さそうなので、このモーターユニットの故障原因は他にありそうです。


こちらが接点で、皮膜が出来ています。これが原因なら直すのは簡単なのですが。



1000番のサンドペーパーで擦って皮膜を除去、接点グリスを塗ってやります。この金色の円盤はモーターによって駆動されており、半回転したところで円盤の途切れている白いところに外側(または内側)の端子が来ると電気が流れなくなり、モーターの駆動が止まる仕組み。UPでもDOWNでもモータの回転方向は常に同じです。
円盤の外側のギアにはプラスチックグリスを塗ってやりました。


金色円盤の裏側を見ると、外側(or内側)端子と真ん中端子間、真ん中端子とモーターの間にダイオードが仕込まれています。このダイオードが壊れるケースも有るようですが、どれも順方向にのみ導通ありで正常でした。


今回の修理には直接関係無いですが、モーター軸がかなり渋かったのでラスペネをしみこませてやりました。フジツボみたいなのでワッシャーが軸にカシメられているのでばらせないのですが流石ラスペネ、ちゃんとするする動くようになりました。ここが渋くなっているリトラモーターは多いかも。メンテした方が良いです。


ここも故障とは関係無いですが、ブラシとコミュテーターも清掃しておきました。



今回、本命だろうと目星を付けていたのがこちら、モーター手前の内部リレーです。品番はNEC MR301 N13。最後のN13はマツダ用の品番と思われ、ググっても出てきません。NEC MR301の仕様と種類はこちらに載っているので12vで15Aまで耐えられるMR301-12Eを買えばOKかと思われます・・・が、売ってる所が見つからない。
テストしてみるとモーターユニット全体でも、ばらして単体でも、内部からのカチッと言うスイッチの音が弱く、その際にB+からの端子とモーター+に行く端子とに導通が得られません。ビンゴ!と思ったのです、この時は。
ちなみに裏面に実装されているのは抵抗、信号線とアースにまたがっています。


半田をはがしてリレーを外し(半田吸い取りが無かったので半田をコテで溶かして地面にたたきつけてぶっ飛ばしました)、地元のラジオ屋に持ち込みました。しかし残念ながら同等品の現物は無し。
せっかく来たんだからどれどれ、とおじさんがとリレーをチェックしてくれました。そしたら何と正常に動作(^^;;;; ブン投げまくった衝撃で直ったのか???
しかし家に帰ってユニットを元通り組み直してみるもやはりモーターは動作せず。リレーの動作音がとても元気に聞こえるようにはなりました。


テスターで追いかけていくと、どう考えてもモーターの端子がおかしい。端子の入り口までは導通があるのに、ブラシ側には繋がっていない。どうなってんの?とばらしてみてびっくり。何とバイメタルが仕込まれていて、そいつがはがれていました。青で囲んだ部分が本来くっついている筈で、赤丸が温度次第でオンオフする部分。



バイメタルなので半田でくっつくはずもなく。さりとてボルトナットで留めるほどの大きさもなく。困ってしまってギボシを使ってカシメちゃいました・・・信頼性に乏しい。
リトラは常時電源で、万が一DOWN中にリトラに物理的に何かが挟まって通電したまま停止した場合モーターが過熱して火災に繋がるためにバイメタルが仕込まれているのですね。

モーター軸がオイル切れで渋くなっていてもモーターが加熱しやすいのでちゃんとオイルを差しておいた方が良いですね。





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