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オーディオキャビネット製作

テレビが壊れました。
HDMIが入力できなくなり、PCやX-Boxとの接続が出来ません。テレビは観られるのですが、元々全然観ないですし、これじゃ役立たず。ちょうど実家のテレビも壊れたのでウチのを進呈しウチは新しく購入することに。


コレが現状で、やっつけ感が。テレビは42インチ。
でっかいスピーカーを使いたい都合上、置ける画面サイズに制限があります。
スピーカー間にピッタリサイズのキャビネットを作ってアンプ他を収め、上にもう一回り大きなテレビを載せたい。


設計図。ギリギリでアンプとCDプレーヤー+ラジオが横に並べられそうです。
テレビの方も階段との間の三角形に少なくとも50インチが置けそう。


スピーカーは平石板の上に載っています。見た目に統一性を持たせる為に同じ高さの下駄を作成します。



一部強度が欲しい部分は12mmラーチ合板を貼り合わせて強度を出します。


手前側が上になる面。
切りかかれているのは床と壁の繋ぎにある回り縁を逃がすためのもの。組み立てにはコーススレッドを使いましたが、ココから先はほぼフィニッシュネイル+木工用ボンドにしました。12mmの木口だとスリムのコーススレッドでもしばしば割れるので。


ブライワックスを塗った下駄にキャビネット本体を載せてみたところ。仮にアンプ他を収めてみていますが良い塩梅です。
アンプの廃熱を逃がすためにアンプの上の板にはホルソーで穴をたくさん抜いておきました。


引き出しにして、電源タップを収め、他の配線類もできるだけここで処理します。前面は廃熱のためにルーバーに。25mm幅のフラットバーを切った貼ったして作成しました。


キャビネットの上面にはスピーカーの両端までをカバーするテーブルトップを取り付けます。これで全体に一体感が出るのと、何よりテレビを「置いて」使うことが出来ます。壁付けも考えたのですが置けるならその方が色々都合がいい。
テレビを置くスペースを再確認したら、奇跡的に高さ幅とも15mmくらいしか残らないまさにギリギリのサイズのテレビが見つかり、55インチを入れることが出来ることになりました。


テーブルには無垢のSPF材を使いますが、反りやすい材なので加工を入れます。
丸鋸で半分の深さまで溝を掘ります。


大工さんの仕事を見るとこれとは逆の芯側に溝を1/3の深さで入れています。
ですがどうも納得がいきません。実際、芯側に溝を入れた無垢板は反ります。色々考えて通常とは逆の表側に、深めに入れることにしました。


そもそも無垢板が反るのは、芯側に対して表側の収縮量が多いため。
この写真で言うと上になっている面の方が乾燥につれて多く収縮するため、赤で描いた様に反るはずです。コレをひっくり返して黒丸の位置にコーススレッドを打ってキャビネット本体に固定すれば反りが抑えられるのではと思うのです。
溝を入れないと全体の反り量が多くなってキャビネット本体が負ける可能性が高くなります。

# 2021.01.08 追記


からっからに乾きました。SPF材の間に隙間ができています。ホームセンターで買えるSPF材は乾燥が甘いことが多く、収縮が激しいです。テーブルトップの幅はキャビネット本体よりずっと広いため、両端のたわみを規制するものはなく自由に沿っちゃう状態ですが、許容範囲に収まっています。


キャビネット本体へはちゃんと縫い付けられていて浮き上がりはありません。


こちらは階段。しっかり乾燥したのちに芯に近いところから切り出した木材のため、ホームセンターのSPF材とは質が全然違うので直接比較はできませんが。やっぱりある程度は反ります。縫い付けた部分でもちょっと反っているので反る量はともかく反る力はSPF材テーブルトップよりもしかしたら強いかも。深く溝を入れた甲斐があったかもしれません。

/追記終わり



ドアを製作します。
こういうののデザインにやたらハニーが凝るのはいつものこと。話し合いの結果鉄のLアングルで枠を作り、中にウェザー加工/焼き処理した無垢板をはめ込むことになりました。開き方は「持ち上げてスライドイン」です。



切って溶接して枠を作る、簡単そうに思えるのですがコレが曲者です。文字通り曲がります。クロスバーを入れられるのなら矯正もしやすいですが、それが出来ないためどこか一箇所溶接するたびに熱で引っ張られて好き勝手に歪んでくれます。
叩いたり曲げたりしても応力が残って元に戻ろうとするので無駄。この写真だと右側が製品で、左がジグにしていたLアングル。製品が左に向かって反っていたのを直すため、一度切り込みを入れて歪みを逃がし、隙間を埋めて再度溶接するところ。


出来るだけ熱を入れすぎないよう、数回に分けて溶接。要らない部分を切り落としたところ。これだと溶け込みが浅すぎるのでもう一度溶接します。


開いた隙間を埋めるのにTIG溶接用の棒を使って肉盛りしたりも。


もちろん皮をはいだ溶接棒でも良いのですがTIG棒の方が低い温度でよく溶けてくれました。下からチビた切断用グラインダー刃で支えるのは端の部分を溶け落とさないためにも有効でした。


熱を出来るだけ入れないよう、何度かに分けて溶接してます。


やれやれ。矯正完了です。


野地板を使います。振動ドリル+ステンレス回転ブラシでウェザー加工を入れます。


ダメージ程度を変えてサンプルをいくつか作り検討してもらったところ最も激しいのが良さそうとのこと。


RCに使う異型鉄筋を使ってハンドル部分を作成しました。こんな溶接なら簡単。


ドアを「引き上げてスライドイン」するためのレールとフック。


これも溶接で組み立てたのですが、後で再考したら平板に穴開けて、2センチほどの筒を挟んで、コーススレッドを刺してキャビネットに固定すれば用は足りたんだな(そしてその方が開閉がスムーズ)ということに思い当たりました。
レール部分とキャッチ部分を一体化出来るデザインを思いつけたところまでは悪くなかったのですが。


無骨で素敵。
板の表情も良い感じ。焼き処理はエッジをやや強調する感じで入れました。


ワックスのおかげでレール無しでも引き出しの開閉はスムーズ。


野地板を枠へ固定するのにフラットバーを一本左右に渡しました。


僅かにがたついたのでグルーガンも併用しています。


このフックがレールの手前側に設けた丸棒部分にぶら下がります。


X-Boxは結構熱を持つため、使用中はドアを開けておく必要があります。ハンドル部分も含めてドア全体が収納されるようにしました。


うん、満足。鉄部分は黒皮を適度に剥いで、クリアのアンダーコートを厚めに吹いて保護しています。


# 2020/10/31追記


引き出しの中、配線を仮でまとめてありました。
余った配線をタイラップなどでコイル状に巻くのは放熱が妨げられるので本当はよろしく無いです。アンプやX-Boxは結構なワット数ですし。さらにこの引き出しはアンプからの排熱を逃がす役割を持っているため周囲温度が上がります。


そこで作成したのがこちら。
フラットバーに丸棒を切って溶接したもの。配線同士の接触をルーズにし、かつ排熱用の丸穴を避けるように配線を走らせることが出来ます。


同じようなのをヘアドライヤー等用の収納にも取り付けてあります。とても便利。


古いアンプはAUXが一つしかありませんので、複数の音源を使う際にはこいつが必需品。
Bluetooth受信機>IN 1
CDプレーヤー>IN 2
PC/ X-Box/ DVDプレーヤー>HDMI>TV>ヘッドフォン端子>IN 3
となっています。





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