TOP -週末の楽しみ〜Weekend Carpenter SIDE〜 -週末の楽しみ761

除雪機の整備 2

2014年の12月に購入したヤマハYSM870。1988年から1997年まで10年販売されたモデル。古いモデルですがヤマハのウェブサイトに行くとパーツリストを見ることができます。

ふと気づけば、もう7年目。購入時点で少なくとも17年落ちですでに古い機械でしたがそれからまたずいぶんと長いこと働いているんですね、この除雪機。24年以上かあ。


おそらく新車から一度も替えられていないクローラー(キャタピラ/ トラック)。ひび割れていたのは当初から気づいていたのですが、中のケーブルがどれくらい持つものなのか興味もあり、放っておいていたのですが除雪中にとうとう切れました。

さっそく交換用のキャタを注文したのですが、到着まで1週間はかかる様子。
いまさら人力除雪には戻りたくないので、その間をしのぐのに切れたキャタをタイラップで繋いでみることに。ドリルでブツブツ穴をあけて・・・


とってもナチュラルな感じに修復できました。
使ってみると何の違和感もありません。なんならこのままで良いのではないかと思うレベル。


ついでにシフトが渋いのをメンテナンスします。


車体下側を覆っている鉄板を外します。
10mmネジ6本で留まっているだけ。



車体前側にオーガ/ インペラ(シューターから雪を排出する役目です)を駆動するためのベルトが見えます。



車体後側には前進後退を決めている機構が。キャタの回転方向と同じ向きについている黒いゴムのタイヤがフリクションプレートで、ゴム製品のわりに状態が良く、ひび割れなどはありませんでした。
写真の状態だとリバース2に入っている状態。フリクションプレートがロッドの上で左右に動くことで前進・後退と伝達比が変化し、相方のインプットプーリーがフリクションプレートに押し当てられることでエンジン出力が駆動力に変換されます。

で、フリクションプレートがスライドするロッドのグリスが完全に切れてカサカサになっています。原因はこれですな。


グリスアップしました。見た目は代り映えしませんがシフトが実にスムーズになりました。
写真は前進4にシフトした状態。


これがニュートラル。フリクションディスクがインプットプーリーのちょうど中心に位置し、かつインプットプーリーが引き上げられているので両者が接していない状態。


2021.02.02更新


新しいキャタピラが届いたので作業します。
フロントホイールが駆動用でリアがドリブン、リアホイールがスライドしてキャタの張り調整ができます。キャタ交換はリアホイールのみ取り外せば可能です。


張り調整用のボルトナット、12mm。キャタの陰になるのでソケットが使いにくいです。


こんな風に外れてきます。


シャフトとホイールの穴の間にカラーがあります。ホイールはカラーの上を回っているんですね。ホイールの穴をプラスチックグリスで潤滑しておきます。


下が新しいキャタ。型番は7XE-47110-10。
上がYSM870純正で、型番は7NN-47110-01、7NN-47110-00です。見ての通り、新しいキャタの方が全長が長いです。その分トラクションがちょっとだけ稼げるのかも。トレッドパターン(って言うのかな)も新しいのは回転方向指定がありそうなデザイン。


ググっていたら新しいキャタの方が幅が少し広くてボディに干渉するという記述を見つけたのですが、うちに届いたのは全く同じ幅でした。キャタを外にオフセットする必要はなさそうです。


キャタの内側、キャタで駆動される爪の形も少し変わっていました。爪の間隔は同じですが新しい方はとんがっています。古い方でも空回りするようなことは無かったのですが、これも改良なんでしょうね。


キャタの長さ違いを吸収するため、張り調整の長穴を後方に延長する必要があります。


ドリルで穴あけしてステップドリルで拡張。ちょっと上にずれちゃった。


振動ドリルにリューターの刃を取り付けたのと、手やすりで整形します。


これで引きしろを15mm延長できました。


ジンクスプレーで防錆しておきます。


目いっぱい引いてキャタにちょうどいいテンションが掛かりました。



キャタの向き、マウンテンバイクのリアタイヤを思い出してこうしたんですが。後で現行のヤマハ除雪機を確認したら逆でした(笑)。まあいいや。


さっそく動かしてみると。
前よりトラクションが上がっている気がします(←気のせいかも)。
そしてターンがしにくいです(←間違いない)。

送料を入れて25,562円も掛かりましたが、またふと気づけば何年も使ってるってことになるんでしょうからそう高い買い物でもないですね。何よりこいつなしでの除雪はもうとても考えられません。本当にありがたい相棒です。安かったからこれにしたんですけど、HST(Hydro-Static Transmission)になる前の型を手に入れたのは正解だったのかも。HSTだと直せませんがフリクションプレートなら構造が簡単なので何とかなりそうですから。





TOPへ  
 
inserted by FC2 system