TOP -週末の楽しみ〜ROADSTER SIDE〜その弐

ピロ組み込み

続いてピロを組み込みますがその前に実測しておきます。どれがどれだか分からなくなっちゃわないように...

(mm)使用箇所内径外筒長内筒長外径
Aフロントアッパーメンバー側(前後2個)15.033.456.140.1
Bフロントロアメンバー側(前)
リアロアメンバー側(前後2個)
12.133.469.740.1
Cフロントロアメンバー側(後)12.133.359.640.1
Dリアアッパーメンバー側(前後2個)
リアアッパーナックル側
10.045.956.038.0
Eリアロアナックル側(前後)14.133.559.140.1

アームホールの内径も測定しましたが例えばリアロアアームメンバー側39.2〜39.7mm、リアロアアームナックル側39.9mmとピロの方がかなり大きく、圧乳に際して相当の抵抗があることが予想されます。それだけのフリクションがあるからこそ溶接無しでもアームホール内でがたつかないとも言えますし、あらかじめブーツを装着したノーメンテナンスタイプでは溶接で熱を掛けることが出来ないとも言えます。結論から言うと私が自分で作業するなら圧乳より溶接の方が楽だなー、プレスや巨大万力より100ボルト溶接機の方が安いし。
クスコのピロは左右1組で1.7万〜2.3万。1台分だとインテグラルの倍くらいの価格になってしまうのとダストブーツ付きとは言え後からはめるタイプなので完全なメンテナンスフリーでは無いのが弱点ですね。

アームホールには若干錆が出ているものが多くペーパー等で綺麗にしてスレッドコンパウンドを塗っておきます。

ブッシュを抜くときに使ったギアプーラーをまた使いますが腕の長さが足りないので適当な長さの丈夫そうな汎用ステーで延長してやりました。ピロの外筒の長さはアームホールよりも短いため奥まで押し込めるよう適当なコマをあてがってやります(30mmのコマを少し削るとちょうど良かったです)。絶対に内筒を押してはいけません。ピロ玉が抜ける方向に力を掛けると壊れます(そういう意味では一般的なピロアッパーは間違ったピロの使い方)。ゴムと筒がずれたりはしないでしょうけどゴムブッシュでも同じ事が言えます。

んでゆっくりと締め込んでいきますが...


延長した部分が強度不足で曲がってしまい使い物になりません(ToT)。


延長ステーに2,500円も掛けたのが悔しくて意地になってみましたが...数時間掛けて一つをここまで押し込むので精一杯でした。アームのギアプーラーの爪を掛けた部分は変形してしまっています。ノーマルブッシュや溶接を必要とするタイプのピロ(クスコなど)なら入れられるでしょうが圧乳タイプはほぼ不可能です。万力かプレスが必要ですね。
プレスはアストロプロダクツで売っているのを知っていたので早速問い合わせてみたのですが...在庫切れ。万力ならストローク150mmクラスが必要なのですがこれは滅茶苦茶重たく転勤族としては扱いに困るので出来ればそんなの買いたくはありません。

ここは大人しくプロの手を借りることにしました。
いつもお世話になってる秋田のホップアップまで行くことにしました。アームとピロだけ送って圧乳して貰えば良さそうなものですが、前述のようにアームホールの奥行きに対してピロの外筒の方が短く、現車(メンバー及びナックル)と合わせないとどの深さまで入れるのかが分からないのです。元々付いているゴムブッシュの内筒の位置を測定することで大体の当たりは付けられるのですがゴムなのでどうしてもずれが発生していて完璧じゃないのです。実際微調整が何度か必要でした。ゴムブッシュなら耳がついてますから入るようにしか入らないんですけどね。


再塗装された美しいアームとピロ。


リアアッパーアームから取りかかりました。その間に私は今付いているアームをばらしていきます。まずはリアから。


偏芯ボルトにマーキングした後、片っ端からバラします。

リアナックル上側にもピロを圧乳しなくてはいけないため、アームだけでなくナックルも外します。ナックル(ハブ)とドラシャを分離するためにはインパクトを使ってハブとドラシャを留めているでかいナットを外すのですが、片側はインパクトを掛けただけでは回ってくれずバーナーで炙って何とか回しました。
ちなみにロアアームの向こうにちらっと見えているアルミの筒はドラ王子から頂いたカッコ良いオイルキャッチタンク。

ロアアームはプレスを使用していました。この状態で押すとアームがしなって平行が崩れてまっすぐ入らないため、治具を自作してアームホール間にかませてやる必要がありました。

ものの見事にバラバラに。偏芯ボルトのメンバー側受けの構造がよく分かります。これがあるからむやみにゴムブッシュを強化できないんです。


ちょっと休憩。秋田市下浜に泳ぎに来たついでに、この看板を見かけたらちょっと立ち寄ってみましょう、他のパーツ取り付け店で手に余された改造車が吹き溜まってます(笑


組み上がったリアアーム。ゴムのように二次曲線のバネレートをもっていたりはしないのでアームは自由に動きます。ただまだちょっと動きが渋く、やはり慣らしが必要なようです。

フロントも同様の作業で同じようにアームを片っ端からばらします。
ここで問題になったのがアッパーアームのメンバー側ボルト。ブッシュ二個を貫く非常に長いボルトを前側に抜くんですが、運転席側のボルトが抜けていくスペースにオイルクーラーの配管を通してしまっていた為に余分な苦労をしました(そこを通すとアンダーカバーを切らなくて良いんです)。

インプレッションfrom「roadster in milk」BBS(一部改変)

プチピョン
005 まつざき@MBW(199pt)
遅くなりました、今帰ってきたところです。
はーフルピロの痺れが手に来てます、バイクみたいだ。
しかしすげーっすね、フルピロ。期待以上です。
これで中村さんの車に負けないっすよ(^-^)中村さんの初号機ってAピラーをはじめとしてボディーが全くプルプルしないんですけど、これが何のおかげなのか試乗の時にはよく分かんなかったんですよね。頭上のバーも入ってるし筋金君やどーだバーによるボディー補強も入ってますし。 しかしこれではっきり分かりました、私の車も全くプルプルしなくなりました。交換前はステアリングラックごとブルンと振れていたんですが、Aピラーもステアも全然ブルブルしなくまりました。感動しました。
ロードスターの宿命みたいなこの症状、ブッシュによるものと言い切って良いかも。ちなみにまだリアアッパーマウントはN1のままです、そこまでやる時間は無くって。

モナー君
007 まつざき@MBW(205pt)
フルピロの効果はまだまだたくさんあります。
かなり嬉しかったのがブレーキングのフィール。ロードスターってフルブレーキング時にステアリングに不安定な、ちょうどフロントトーが開いている車にありがちな挙動が伝わってきがちですが、これも無くなります。ただ単に車速がぐう、と落ちます。わだちがあっても左右に変に取られたりとかしなくなります。
ステア操作にダイレクト感がかなり増します。ちょうどSタイヤを履いてるくらいのレスポンスでノーズが応答してきます。と同時にラジアルタイヤのよれもはっきりと伝わってきます。

モナー君
008 まつざき@MBW(206pt)
元々私の車はアームの上下の動きに関しては特に問題を感じていませんでした。良く動くように、と考えて選んだショックを使ってきてますし、ブッシュもノーマルでしたので、ショックを外した状態で手で動かしてみても特に渋さは有りませんでした。そのためギャップの吸収能力に関してはもちろん悪化はしないものの大きなメリットは感じませんでした。 一方でEK9やGC8に乗るたびに思っていたロードスターの安定度の低さに関しては大きなメリットがありました。これら2車種はアームの上下の動きに関しては全くロードスターに勝てません。EK9なんかロードスターと同じ足回りを使ったにも関わらずリアがポンポンはねてしまいます。GC8もGABのノーマル形状(中身はKYB)でも跳ねてしまいます。レートの問題じゃなくて足回りの構造上の問題なんだと思います。そのかわり安定度の高さは素晴らしい。コーナリング中にギャップがあっても跳ねるけど不安定な感じは無いです。
フルピロのロードスターはこのメリットだけを得る事が出来ます。
乗り心地に関しては捉え方も色々でしょうが飛ばしてるときにギャップくらった後のいやーな感じが無くなったのが本当に嬉しいですねー。

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