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TODAスライドカムプーリーを修理

在庫のTODAのスライドカムプーリー。
一つはボルトの受け部が割れており、他方は固着してしまっていました。


固着してた方はボルトのど真ん中にボール盤で5.5mmの穴をあけて外しました。
ディスクをよく見ると、穴の大きさに違いがあるのが分かります。
現行のTODAプーリーはオールアルミにフルモデルチェンジされています(税込み14,300円で意外と安い)が、それ以前のモデルにもいくつか種類がある様子。自分の1951に使っているのもTODAですが、これら二つどちらとも微妙に違いました。

ギア部分、手前左はボルトを受ける部分の幅が広くなっており、強度に配慮されています。奥の方はボルトの受けが一か所割れてしまっていますが、どうやらこれは純正加工品のようです。


純正プーリーを加工してTODAのディスクと合体させて復活できないかなと考えあてがってみましたが、ギア部の内径が小さく、ディスクがハマりませんでした。


旋盤が使えると良いのですが・・・無いのでグラインダーにプーリーを装着。幸運にもグラインダーの軸径とプーリーの固定ボルトの径は同じ。ほんのちょっとだけあるガタはマスキングテープを巻いて消しました。
グラインダーは回転数調整が可能なタイプを使用し、最低回転数で回しました。当初、回転砥石を手に持って押し当てたのですが、さっぱり仕事が進んでいかないので・・・別のグラインダーとリューターを使用して切削。万が一暴れたらえらいことになりますので慎重に慎重に。


こんな方法はとっても危険なので全くお勧めしませんが、無事にディスクをフィットさせることが出来ました。


固定ボルト用のネジ穴を作ります。5.5mmで下穴をあけて。


タップを立てるのって、とても気を使います。垂直に保持したタップを結構な力を入れて押し付け、かつ水平に回転させるという体の構造上ちょっと無理の有る動きを求められます。
これ、ボール盤を使うと簡単にできます。


フットペダル必須です。タップをしっかり押し付けた状態でちょんちょんとペダルを踏んで一瞬だけボール盤を回して食い込ませていきます。


数山刺さったところでそれ以上ボール盤が回らなくなりますが、ここまでくれば後は失敗する可能性は低くなります。


不要部分を削除します。


完成。左が元々ので、右が今回製作したもの。微妙に形が違います。純正もいくつもタイプがあるようです。


右が壊れたやつ。左のとはディスクの当たり面の形状以外にも違いがあり、ディスクが接する面までの深さが異なっています。壊れたやつはホイールに例えていうと浅リム。
そのほか、ギア部の厚みが少し異なるのと、右のギヤの前側にRがついています。タイミングベルトを掛けやすくする狙いかと思われます。


今回加工したのと、壊れたやつのリムは同じ深さ。


プーリーの深さの違いはディスクセンターの落ち込み量の違いで吸収されています。



左が浅リム+コンケイブ、右が深リム。
ギア自体の厚み違いで少しだけ差がありますが、カム当たり面からギア部までの高さは表裏いずれから測定してもほぼ同じ、つまりオフセット量は同じです。


これが自分の1951に使っているTODA。深リムタイプ。穴の大きさは今回修理したのと同じで一見見分けがつきにくいですが、別物。


ギア部とディスクは固着しやすいのでシリコングリスを塗り込んでおきます。
鉄のキャップボルトは錆びやすいのでステンレスを使いたくなりますが、電蝕を考えると鉄のままの方が良い気がします。


純正プーリーから切り取られたヒトデ。





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