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疑似ITB制御 Dジェ範囲縮小

前回の記事を読んでくれたちゃけさんが教えてくれました。古いM4 ですが、ログ解析には新しいソフトウェアが使えるようです。
ダウンロードはこちらマニュアルはこちら
無償版はStandardの方で、「Data Analysis」からPC環境に会った方を選べばOK。Vista以降のOSが要求されます。


圧倒的に作業がしやすいです。スクロールが早いので目的の地点に一瞬で移動できます。ありがたい。
んで、MAP=80%でのTPS値を見てみると2556rpmで9.3しか開いていません。


回転数が上がって3586でもTPS=12.3。


Dジェとα-Nの境目をMAP値で決めるより、TP値で決めたほうがスッキリする気がしてきました。TPS<15のセルを全てTPS=15のセルの値に書き換えました。
入れた数字が各回転数において、いわば基本噴射量として機能し、セカンダリーテーブルの値によりMAPに応じて減量されるわけです。もしもセカンダリーテーブルの値がプラスになることがあったら、その時は基本噴射量を上げる=メインテーブルの値を増やすことになります。


セカンダリーテーブルの横軸は通常はRPMを選択すると思うのですが。TPSとすることもできます。
せっかくあるので試してみましたがどうも思うようにテーブルの値がA/Fに反映されません。そもそもDジェトロとは別名スピードデンシティと言われるようにスピード=RPMとデンシティ=MAPがあって初めて成立するものです。MAP×TPでは負荷軸×負荷軸となってしまうので、制御方法として破綻してますよね。 MoTeCのやることなので何かしらの意味があるんだと思うのですが。このモードの使い方がどうもよく分かりません。


通常通り、横軸をRPM。縦軸をMAPとして再セッティング。今回はメインテーブルの値に対しての%とすることにしました。0%でメインテーブルの値そのまま、-50%で半分が噴射されます。
3500rpm以上でプラスの数値が入っているので、ここはメインテーブルの増量が必要ですが、それ以外はMAP<85で減量、>90ではメインテーブルの値がそのままインジェクタ開弁時間に反映されます。想定通り。


実走で手打ちしてだいぶ煮詰まってきたなーと思い取ってみたログがコレ。MAP=70kPaでソートかけています。前回のログに比べてサンプル数が1/9程度しかないですけど、2000〜2250rpmが濃いのは分かりますね。


60kPa。サンプル数が少ないのでなんともですが、まあそんなに悪くなさそう。3000rpmをちょっとだけ絞ってみますか。


80kPa、ここは2000rpmを薄く、2500rpmを濃く、もうちょっと修正の余地がありますね。

α-Nだとこれら4つまとめてTPS=0〜15%として制御されてしまうわけで。Dジェにすることでだいぶん解像度が上がることが分かります。
過渡で読むことがほとんどなのでどうしてもばらつきが大きいですが、大人しいカムでしっかりインマニ負圧が取れるエンジンだともっと狙った値に揃ってくるのかも知れません。低開度低回転ほどスロットル増量補正の影響量は大きくなるため、その影響もあるかも。

それでも実走ではこの程度のばらつきによる全くネガは感じられず。90%での切り替えだと切り替わりのタイミングでセカンダリーテーブルの値が変に大きくなったり、走らせても一瞬の息継ぎが起きたりしていたのですがそういうこともなく、TP=15%でのDジェ/ α-N切り替えは成功のようです。


90kPa領域。このログを参考にしながらいじるのはメインテーブルの方ということになります。

制御の質が上がった一方で、α-Nオンリーに対してのメリットがどれくらいあるかというと、それほど大したものはないような気がします。
アイドリングを見ていてもα-Nと比べてとても安定している、というわけでもないですし。だんだんセッティングが出てきて調子よく走るようになり、これは相当良いかも、と興奮した瞬間もあったのですが・・・ログ見てみたら結局α-N領域で走っていただけ、というオチがついたりなんかして。

ただ、クラッチミートの瞬間は、TPS値で推し量るエンジン負荷量と実負荷量が大きくずれてノッキングが出やすいのですが、Dジェだとその差が少なくできているかもしれません。
サイドブレーキを引いて停車、スロットル開度を一定にしたままゆっくりクラッチを繋いでいくと、α-NではMoTeCから見た負荷量には変化がありません。一方、クラッチペダルをゆっくりリリースしていくと当然回転数が落ちていくので、MAPは上昇します。エンジン回転数低下を補正しようとISCVが開くとさらにMAPは上がります。Dジェだと負荷量が増えていることを感知できるわけです。
燃料が薄いとノッキングしやすいため、クラッチミートのノッキング対策においてはDジェのメリットがありそうです。点火時期はTPS制御ですが、これもMAP制御とするとさらに違ってくるかもしれませんね。
エアコンがついている車だと、エアコンのON/ OFFで負荷量が変わるのでDジェ併用のメリットはかなり大きいんだな、というのはKeigoのMegaSquirt制御をやっていて強く感じました。

NDエアコンつけるか<本末転倒

それと。ごく低回転からの空ぶかしの反応性が少し良くなったようです。同時にスロットル増量補正関係のセッティングもいじってしまったので100%確信しているわけではないですが、原理的に言ってもメリットが見いだされておかしくないかと。


2021.07.18 追記


i2だとこんな表示も可能です。
各回転数でMAPの分布がどうなっているか。80kPaを境に青と赤に分けてみました。減速側のサンプルを含むと分かりにくいので、MAP<60のサンプルは捨てています。1500rpmまではほぼDジェ、2000rpm手前からα-N制御の割合が増えていますね。2500rpm過ぎで一度Dジェ領域が増えているのは鬼トルクタコ足で空気が入るようになったせいですな。4000rpmに向けてカムに乗ってくる様子も見えます。そこから先は気持ちよくアクセル踏み込んじゃってるようですね(笑)。
/追記





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