TOP -週末の楽しみ〜ROADSTER SIDE〜その六 -週末の楽しみ866

バイク用スロットル流用 スロボ選定

バイク用のスロットルボディ(以下スロボ)、英語でググると断片的ながらすぐに色んな情報が見つかりました。ほとんどがクルマ系のフォーラムで、同じように流用を考えている人たちが海外にはたくさんいるようですね。

一方で実際に取り付けた話は限られていて、鉄板の流用情報は存在せずまだまだ開拓する楽しみが残っています。

B6とBP、それぞれに使えるスロボを探します。
B6は友人用、BPは自分用で今使っている111+E&Eマニからの置き換え狙いです。

当然大排気量のバイクを中心に、年式・型式の他
・バタフライ径
・スロボピッチ
・インシュレーター形状
・電動バタフライ有無
・サブスロットル有無
を調べます。上の項目ほど重要度が高い。

1:バタフライ径はBPは45mm、B6でも43mmは欲しいです。B6用は42mmでも他の条件が良ければ許容。バタフライ径の情報は比較的簡単に見つかるのですが、スロボの内径は測るところによって異なることが多いので、どこを測った数字なのかは注意が必要。バタフライ径じゃなく入り口の一番広いとこの数字のことも多いです。
43mmを超えているバイクとなるとやはり1000cc以上になりますね。

2:ポートピッチはBPが91mm-91mm-91mm、B6が85mm-85mm-85mm。
ポートとスロボのピッチずれは最大10mm以内に収めたい。スロボピッチはdanST Performance Engineering LTDに行って、知りたいバイク名を入力すると分かります。ここはインマニを作っている会社で、マニ毎に対応するスロボのピッチを明記してくれています。

スロボピッチで選択肢が一気に狭くなる、というかほぼカワサキしか残りません。バイクのエンジンの横幅はやはり狭いですね。ただ、スズキ車のスロボは4つに分かれるタイプがあり、ばらせば自由にピッチを変えられるので、BPの場合は選択肢として残してもいいです。B6はピッチを変えるとフューエルデリバリーパイプを新造しないといけなくなるので止めといた方が無難。

3:アダプターを自作する場合は平面にボルトで取り付くタイプのインシュレーター形状が必要ですが、インシュレーター部分でピッチが変わっている場合があり注意。マニで行くなら別途購入するシリコンホースで固定になるので当然インシュレーターは不要です。ところで、3Dプリンターでマニを自作しているのを見かけますが。最近の車では樹脂インマニが普通に使わわれているので耐久性も十分考慮されているのだと思いますが、B6の場合は燃料が常時かかるのでちょっと気になります。大丈夫なのかな。


4:DBW(drive by wire、というかバイクの場合はRBW=ride by wire)のスロットルの場合はそもそもスロットルケーブルが無いので、紐スロとしては使えません。TPS入力が消えて、代わりに電動スロットルへの出力線がECUから出ると。DBWスロボかどうかはスロットルケーブル固定部があるかで簡単に見分けられます。面白そうですし、今回のB6の被験車はLINK制御でDBWが可能ですがオーナー希望で紐スロに絞られました。

5:同じ電気仕掛けでもトルクコントロール用にECU制御のサブスロットルがあるタイプは基本は紐スロ。スロットルケーブル固定部があります。スロボの下にぶら下がってる箱の中身がサブスロ用の駆動モーターです。サブスロは捨ててシャフトの穴を外からネジで塞げばOK。残して使おうとすると、ステッピングモーターで制御が大変なんだとか。

その他、付随品のチェック項目として
・ISCVの有無
・INJのサイズとホール数
・INJハーネス有無
・エアファンネル/ エアフィルター取り付け方法
・フューエルレールのレギュレーター有無
1:バイクはスロットルレバーのストッパーを回してアイドリング調整するのが普通なので、インジェクションでもISCVが付いてないのが多いのですが、高年式になると付属してきます。スロボに太めのニップルが立っているので加工する手間が省けます。特にアダプターで行く場合、マニと違ってタケノコを立てる肉厚が取りにくいケースも考えられます。スロボにはたいてい何かしらのニップルが立ってますが、ISCVに使えるエア流量が取れるかどうかは要確認。ただ、バイク純正ISCVは4端子のこれまたステッピングモーターのタイプが多く、流用は厳しそう。NA6のを加工して使えばOK。カプラ―も探さなくて良いですし。

ちなみに3rdパーティーパーツで良く見かける、フューエルレールに似たパイプを使ってのエア供給の場合、内径を上げて十分なボリュームを確保しないとISCVに吸い口に近い気筒ばっか吸っちゃう。ボリュームが足りない場合は入り口を2つにしてトーナメントにすれば均等配分出来ます。カムが小さければ陰圧強くて一生懸命吸ってくれるのであんまり問題にならないかもですが、288や304はむしろ吹き返してくるくらいなので2次エアの気筒間バランスは結構重要。
まあ、現実的にはバタフライがっつり開けてISCVに頼る量を減らしておけばなんとかなるとは思いますけども。

2、3:B6はINJをそのまま流用なので、せっかくですから300ccくらいあるマルチホールのINJが付属してくるとありがたい。INJカプラ―も買うとそこそこコスト掛っちゃうのでついてきてほしい(結構付属してきます)。

4:エアフィルターがつけやすいかどうかは、スロボの入り口側がパイプ形状になっているかどうかによります。ボアに差し込んだファンネルをエアクリボックスとスロボでサンドイッチして固定する、スロボ側に固定用のネジ穴等が無いスロボも多くあります。

5:フューエルレールにレギュレータがついている場合はNAやNBと同様のガソリン流路構成となりますので、ガソリン配管をレールの前後に2本繋ぐだけでOKです。
しかしバイクの場合、レールにレギュレータが無く、入り口しかないのも多いです。この場合、レギュレータはタンク内にあって、調圧済みの燃料がスロボに送られます。つまりガソリンは一方通行。
このタイプを流用する際にはエンジンルーム内で単体のレギュレータを介して調圧してからスロボに送れば良いのですけど、どうしても一方通行の部分が出来てしまいます。停車時などにホースとレール内で煮込まれたガソリンがそのまま噴射されることになるのでホントはあんまり望ましくないです。高温になった燃料は全量タンクに返してしまいたい。

以上の条件を元に、グーグル先生をこき使って絞り込んだ候補が
BP:ZX12R(スロボピッチ:90mm-90mm-90mm)+原田キャブマニ

スロボピッチがほぼ同じなのでスムーズに決まりました。INJの流用もなく、スロボだけの流用なので考慮する点が少ないです。

こちらで確認したように、BPはヘッドのインマニ取り付け面に10°の角度がついているので、そこにポート角7.5°を足すと17.5°になります。また、ヘッドに打たれたINJとの干渉も厳しいのでヘッドとスロボに少し距離が必要、インマニの方が無難かもしれません。
本当はINJ専用のマニが欲しいところですがキャブ用マニでもそう悪くはないです。キャブ用なのでスロボが水平になりポートと角度がついてしまうのが残念ですが、まあ7.5°ですし。キャブ側ポートピッチ:90mm-89mm-90mmでスロボピッチともほぼ一致します。10〜15mm厚程度のアダプターを作って繋げばいいでしょう。

・・・でここまで考えて、これだと全長がそこそこ伸びちゃうので今のE&E+111スロボから置き換えるメリットが薄い、ということに気づくのでした(笑)。うーん、とりあえずBPの方は棚上げかな・・・。先にB6の目鼻付けてから考えてみます。



B6:ZX14R 2013年型(スロボピッチ:77mm-87mm-77mm)+自作アダプター


B6のポートピッチ85mm-85mm-85mmにぴったりくるスロボは現在のところ存在しないようです。色々考えて決めたのがZX14R後期。ZX14Rは2012年にモデルチェンジしてストロークアップで排気量アップされますが、どうやらヘッド側はほぼ共通らしく写真で見る限りスロボの形状は全く同じ。違いは後期についたISCV。
燃料配管は見ての通り一方通行タイプなので、外付けのレギュレーターが必要です。


入り口のサイズは48φ。素敵です。



出口側でも44φあります。
スロボが大きくて困るのはハイスロ効果が強まっちゃうくらいのもんで、仮に50φでも他にデメリットはありません。バルブに向かってスムーズに絞られていることが大事。スロボ内部を部分的に絞る意義が薄いことはかつてソレックス50に43φのO/Vを入れてテストした際にも確認しています。



他に検討したものとしては。
ZX10の2008年〜型が82mm-82mm-82mmでピッチは最も近いですが、入り口側が何故か楕円形状で・・・かっこ悪いのでボツ。
前述のZX12Rも候補だったのですが、スロットルワイヤーがバルクヘッド側になるためスペースがきつく取り回しに苦労する可能性があってボツ(BPの場合はINJを使わないので上下左右をひっくり返すことができるためあまり問題になりません)。
ZX10の初期の方の型もZX14と同じ77mm-87mm-77mmピッチなのですが、インシュレーターでオフセットしてヘッド側では82mm-82mm-82mmになり、わずかではありますが2番3番通路が「く」の形で曲がるためボツにしました。ZX-10はスロボ周りが何度も変更されており、年式によっては良いのがあるかも知れません。

# ZX10、ZX12Rスロボの情報はhidemitu326さんのみんカラをとても参考にさせていただきました。直接のやり取りでも色々教えていただき、大変ありがたかったです。




アダプターとの接続はインシュレーターを使います。ZX14Rのが中古で見つからず、BP用に買ってあったZX12Rのを付けてみました。インシュレーター同士の干渉が少しありますが、取り付け部分の径と形状は同じの様でぴったりでした。

追記
ZX12Rの取り付け部がZX14Rのより1.5mm大きいです。2次エア対策でシリコンシーラントを入れることにしました。
/追記

カワサキのインシュレーターはこのタイプのボルトで留まるタイプが結構あり、助かります。ただのゴムの筒だとアダプター側の加工がつらい。


ついでに買ってあったZX12Rのゴムファンネル。ファンネルの方が内径が小さいのですが、先の方は広がっているので切ってやるとぴったりかも。上手いこと使えちゃうかもしれません。


ソレックス50のファンネルを合わせてみましたが流石に大きすぎでした。


TPSなんてカプラ―ごと二つも付いてきちゃいます。全く同じっぽいので、サブスロットル用をこのまま残しておくといざって時のスペアになりますね。


INJは4ホール。12が良かったですけど、それでもNA6のシングルから比べると大幅にアップデート。容量は06-07 430cc、08-11 360cc、12-13 380cc、らしいです。いずれにしても300cc超えているので十分ですね。大きすぎることもないですし。


問題はこいつ、アダプターの製作です。
20°の角度を付けないのなら簡単なのですけど。
素材はA5083です。素人が扱える中では最強のアルミ合金です。これ以上の強度になると切削に支障をきたします。





TOPへ  
 
inserted by FC2 system