点火時期について 2点火時期の制御についての現在の私の考え方について(私の所属するMLにおいて、他の会員に質問い ただいた際の回答に加筆修正いたしました)。2000,6,7
質問:きちんとインチキじゃない方法でキャブ車の点火時期を制御するにはどうしたらよいか。 エアフロつけるのは吸気音が聞こえなくなることを考えると、当然パス(ははは)。バキュームセンサー を使う方法はロードアンドスターの新しいのにも出ていたウェーバーアルファ、それとハルテック、フリ ーダムコンピューターがあります。でも、バキューム計をつけていた人なら分かると思うけど、バキュー ム計の針って少し踏み込むとすぐに0に張り付きますよね。これじゃせっかくの2次元マップもあんまり 意味をなさない事になっちゃう。スロットルセンサーを使う方がいいと思います。ハルテックとフリーダ ムでできるはずです(が、いずれにしろ空気量を推し量っているに過ぎず、エアフロの正確さには及びま せん)。高いっすよ、どれにしても。 ついでに書くとVPCというのがありますね。エアフロ電圧の変わりに、負圧の変化を電圧の変化にし て入力するものだと思います。おお、こいつはいいじゃん、と思うのが落とし穴。実際の空気量と負圧は 比例しないのは簡単に予想できるでしょう。本来は負圧と回転数からなるマップをつくり、空気量を計算 してからECUに入力しなくてはいけない、つまりロムのデータ領域とプログラム領域の両方をいじって やらなきゃ意味がないと思います。私はアナログ人間なのでこの辺の話はあまり詳しくないのですが(デ ータ変更だけでもいけるのかも。また、どうせプログラム領域までいじるのなら負圧センサーではなくス ロポジにすればもっと良いですよね。2000.6.7加筆)。 よくあるキャブ用ロムって点火時期のマップに適当な数値を書いてあるだけです。つまりセンサーを追 加するでもなく、マップのうちの一本のラインだけを回転数の上昇とともに読んでいくだけ。二次元じゃ なくただのグラフ。これじゃせっかくコンピュータをいじった意味ないじゃんと思うんですが。安いもの でもないし(←自分でロムをいじることを全く考えていない人(^^;;; 2000,6,7加筆)。 そもそも、点火時期って燃調や吸入空気温で簡単に変化します。ノーマルエアフロには吸入空気温度セ ンサーがついていてフィードバックして点火時期を変化させてますし、燃調も含めて両者を関連つけてコ ントロールしてます。 でもキャブって燃調はしょっちゅういじります。例えばぎりぎりにセットアップした状態から、気温が 上がって濃くなったとします。当然メインを下げます。そうするとたぶんノッキングが出るでしょうね。 本当は気温が上がれば点火時期は遅くしなくてはいけない上に、燃調を絞れば燃焼スピードは速くなる訳 ですから。燃焼温度も上がるのでエンジンはひーこら状態です。 実はこれって私がエンジンブローさせた時の状況です。ノッキングには気がついていたのですが、走行 会の最中でどうしてもやっつけたい奴がいてアクセルを踏み倒してしまい見事に?ピストン溶けました。 私の点火時期のコントロールは相変わらずITCです。ノーマルのマップのうち、読んでいる一本だけ のグラフを、クランクアングルセンサー信号に補正を入れることで変化させるというものです。ジェット 交換と同じ感覚で手元ですぐにいじれるのが気に入って使っています。補正のポイントは少ないですが、 「全開時のセッティングは」十分出せますよ。点火時期は全開時に一番遅くなり、負荷が少ない時は早く なりますから、少しだけアクセルを踏んだ時にはパワーを損していることになりますが、実際にはキャブ 車はIJと比べてもその辺のパワーは出てます。点火時期制御にあまり神経質になることもないと思うの ですが、いかがです? 質問2:補正のポイントが少ないのならロムをいじってやってからITCを使えばどうか? おっしゃるとおりです…しかし私にはロムをいじる知識がない…(この質問をくれた人はソフトにとて も強い人だというのを後で知って恥ずかしくなった私でした;;;2000,6,7加筆)
2000,6,7追記
話は少し変わって・・・ 一方サーキットでの早さに対しては譲れない部分があり、普段少しぐらい乗りにくくてもかまわないと さえ思っています(少しですよ)。ここで少しでも良くなるなら…コーナーでクリップから加速するときの 微妙なアクセルワークに、ぐっとエンジンが付いてきてくれれば今より楽しく、かつ速く走れそうです。 でも、ここで問題があります。4000RPM辺りのつながり感は「セッティングについて」でも書い たようにかなり良くなってきており普段の走行ではほとんど問題ないところまで来ました。残っている症 状は1・2速ギア3000RPM辺りでのアクセル開度一定走行で、ハンチングっていうのでしょうか、 回転がうぁー・うぁーと勝手に上がったり下がったりする事だけです(この症状は無視しています)。 これがサーキットでの走行となると違ってきます。横Gが掛かるとキャブの油面の高さが変わるためだ と思いますが、相変わらず強い息つきが出ます。パーシャルからの開け始めにこの症状が出るので、コー ナーのクリップ付近からの加速が鈍ってしまいます。 …まさに今、点火時期の2次元マップを作るメリットとして考えたポイントじゃあありませんか。 点火時期以前の問題ですね。キャブを何とかしないと。ソレックスはウェーバーに比べコーナーでの油 面変化に弱いのは有名な話ですが、今までそのことを意識したことはありませんでした。ここにきて正直 参ったな、と思っています。全開時の油面低下はよく問題にされ、負圧をレギュレーターに入れて、燃圧 のイニシャルを上げる方法が採られますが、この場合はどうするんだろう? 症状が出るのは踏みはじめ なのでインマニに負圧が掛かっている状態のため前記の方法は効果がないでしょう(ソレックスにはこだ わりあるのでウェーバーにはしませんよ)。サーキットに限定してですが、オーバーフロー覚悟で(アイド リングしないで)イニシャル燃圧を4.5キロにしようかな、と思っています。それで駄目なら油面その ものを上げるしかないのかなあ。あーそれでオーバーフローするのは嫌嫌…
このセッティングについてはまたレポートします。 |