家という趣味

中村さんのおかげで、家が趣味として成り立つかなり面白いモノだと気づいてから暇を見つけては本を読んでいます。

みんな古本
(アマゾンで適当に買った本たち↑)
新しく始める何かはいつも本から。読んだ結果やっぱりやーめた、となることもしばしばで、やっちゃってから後悔しないための保険みたいなものですか。次々と出てくる疑問への答えを求めて手当たり次第読みました。
bugを買う前にも随分bugの情報を本読んで集めました(で、実は一度は諦めた)。
まして家の値段に比べたら本なんてタダみたいなものですから、ケチらずどんどん買っちゃおう!と思いつつ、結局ほとんど図書館で読んでました。建築関係の本って売れないのか、書店に置かれてないし買おうと思うと高いんですよね。そしてマイノリティーに向けて書かれた本こそ面白かったりするので、図書館が大活躍です。
ケチケチDIYリフォームやリノベーション、良くある「憧れのマイホーム」本の立ち読みにお堅い建築学、不動産取引に関わる法律や税金やら、エッセイや写真集まで。次々と斜めに(笑)読んでいて思ったのが読み心地の良い本ってのは、めくるページの最初から最後までずっと心地が良いという事。部分的に参考になるのではなく、全てがしっくりきます。


僕の家に対する考え方に新風を吹き込んでくれた中村邸。

家を建てるってのは実に多様な要素を含んでいるのですね。その中の何が自分の家づくりの骨になるのかが、好きな本に投影されていたのでした。冗長が嫌いでミニマムが好き。贅沢すると決めた時でも、無理をせずに色んな事がカチリとかみ合って初めて楽しいと思える。家を考えるにおいてもやっぱりそういう性格なんだと再認識しました。常にここを大事にしようと。

まず気づいたこと。僕には新築は贅沢過ぎます。
日本では古い家は資産としての価値が認められないため、20年のローンが払い終わる頃には資産価値ゼロ。毎月払った分だけちょうど価値が目減りしていくという・・・そう思うとなんだか楽しくありません。

その上、いまどきのモデルハウスを見に行ってもワクワクしないんです。ふーん。床材変えてもキッチン変えても壁紙変えても照明変えても結局「ふーん」で終わりそうで、全然イメージが膨らんで行きません。せっかく自分の家を建てるってのに、今までの賃貸と同じ単なる生活の入れ物です。カタログで色と装備選んで決める便利なミニバンみたいなのが欲しいわけじゃないんですね。多少面白いデザインも所詮は見てくれ、しばらく眺めてると「無駄」と感じてしまいますし。住み方までデザインしてくるほどに個性の強い建物が欲しいとなればまた考えも変わるのでしょうが、それだとまず予算が折り合わないでしょう。

虚栄心を捨て(意外と難しい)、必要無い筈の利便性をこの際だからと追求するのもやめて、素直に心が弾むものだけを並べてみると僕の家の姿が見えてきます。
やっぱり古い住宅を素材として、好き勝手改造していくのが僕に合っていて一番楽しめそう。


古い建物と付き合おうと思ったら、住み手がそれなりに知識を持ち手入れをしなくてはいけないのはbugと一緒。ツーバイフォーや鉄骨について書かれた本は少数なので、情報が多い在来軸組工法で建てられた木造が良さそうです。
セルフビルダー向けに書かれた本を入り口として軸組の構造と実際の作業をざっくり理解し、さらに各部構造のバリエーションと使い分けについてもう少し専門的な本を数冊購入。シロアリ、結露、地震など家の寿命を縮める要素についても勉強、もちろん耐震リフォームについての本は真っ先に読みました。
車に比べて住宅建築の進化はほとんどなく、今でもかなり原始的で、興味を持てば構造の理解はそんなに難しくはないように思います。家一軒自分で丸ごと造ろうって訳じゃなくても、建てる側にこういう知識があるべきかなと。逆にみんな何も知らずによく何千万も出費出来るなあと。
たとえばシロアリについてちょっと知っただけで、選択してはいけない構造があることがわかります。岡崎シロアリ技研のweb pageを是非ご覧になってください。

車もみんな完成車をいじってる訳ですが、ロードスターやbugの魅力の一つは異様に豊富な情報量。情報が惜しいからこそ乗り替えたくないという面もあります。家が僕にとってそういう存在になってくれたら良いなと思います。古い家だけど自分が床下から天井裏、いや基礎の底から屋根の上の役物まで全て把握しているから大丈夫、そういう住まい方をするならば高価な買い物もきっと心から楽しめ、そしてずっと続いていく趣味の一つになるんじゃないかなと思います。



そんな事を思いつつ、現在は唯一無二な物件の降臨待ち。
でありますからして、作ってはみたもののMBW流の右側のページはしばらく更新されないかと(笑)。




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