セッティングその2

ベンチュリー交換による変化について

そのまま一月ほど乗っていました。調子よく走っているなら、あえていじらずに様子を見るのも手です。 ただし常にエンジンの状態に気を配り、日によって何か変化があるなら原因を考え、実験して見ることです。

この作業は実はとても大事で、調子の良さが、本当にベストセッティングなのか、それともぎりぎりバラン スを保っているだけなのかを見極めるのです。私がエンジンをブローさせたときの原因である点火時期の進 めすぎも、この作業を確実にこなしていれば起きなかったミスかもしれません。あの時は割と涼しい日に出 した点火時期のセッティングのまま、しかも高所のサーキットであることを考慮しメインを一番下げて、3 0度を超える暑さの中サーキット走行を行ってしまったのです。調子よく走っているようで、実はぎりぎり のバランスに過ぎなかったのでしょう。進みすぎた点火時期により本来ならノッキングが出るところが、濃 い燃調によりフォローされていたわけです。そこに暑さが加わり・・・

今回はメインを少し変えてみたり、点火時期を変化させたりしながら、いつでも調子よく何も問題ないと ころまで来ました。こうなると後はもうエンジンに気を使うことはなくなります。

ここで満を持して、回らない高回転の原因追及です。どうもA/Fが6000回転から先で変化している 気がしてなりません。初めに考えたのは燃圧です。イニシャルで0.4弱ですが、上ではもっと必要なのかも しれません。この場合の対処は、燃圧を高回転にあわせてしまい、そのままではオーバーフローするので、 レギュレーターに負圧を入れることでアイドルでは燃圧を下げてやるという方法があります。ただ今回はテ ストするだけのため、それも面倒だと思いそのまま燃圧を上げてしまって、アイドルはしないで全開のみを 試してみました。

しかし思ったような変化はありませんでした。もちろん油圧が変化すれば油面もつられて変化しますので その影響は出ますが、高回転が回らないという特性に変化は無いのです。

空燃比計がほしくなってきました。空燃比計でセッティングを詰める気は無いのですが、6000回転よ り前と先で変化が有るのか無いのか知りたいのです。プラグチェックでは分からない部分です。で、トラス トの空燃比計を買ってしまいました。ジルコニア素子を使っているらしくヒーター配線が必要なタイプで、 余り信頼性は高くないのですが私の使い方には十分です。その分安いですし。

結果、6250過ぎから空燃比が濃くなっていくことが分かりました。

こうなれば原因はベンチュリーだろう、と考えました。今までベンチュリーを疑わなかったわけではない のですが、レスポンス重視でセットアップしてきていたので、ベンチュリー拡大は後回しにしていました。

流速の低下により負圧が低下する事による、低回転での乗りにくさや踏み始めの応答性の悪さを嫌ったので す。サーキットでは、エンジン自体が高回転(7500〜8000)でピークパワーを発生するようなセッ トアップならば下の回転域は無視できますし、レスポンスが悪くても、それを上回るパワーが出ればタイム は上げられます。しかし私の車は7000でピーク、7500まで実用になるようにセットアップしてきて いるので、レスポンス悪化の方向のセッティングにはかなりためらいがあったのです。また、やったことが 無いので、どれくらい影響するのか想像できなかったという事もあります。

しかしながらもう少しまわすためには思いついた事はやってみるしかありません。エンジンが高回転まで 回ろうとした時に、空気の流速が高すぎ、つまり流量があがらず、なおかつ流速の高さから負圧が大きくな りメインジェットから必要以上にガスが吸い出されているために空燃比があがってくるのだろう、と考えた わけです。状況証拠は十分です。

ベンチュリーサイズをいくつにするのかというのが問題です。データを集めてみますがはっきりしません。 本当は1600に44φのキャブは大き過ぎるとか、1300クラスに44φを使うならベンチュリーは 32φがいいとか、いや288から304のカムなら34φでいけるとか、吸気管の径拡大は直径の2乗で 効いてくるとか、(半径×半径×3.14=面積なので当たり前か)ニッケイの1800はウェーバーの45φ のノーマルベンチュリーの36φで調子よく走っていることとか、(そういえば1600ノーマルでウェーバ ーの人はベンチュリーが大きすぎじゃないのか?ウェーバーが、データがあってもセッティングしにくい、 と言われるのはこの辺の事情もあるのでは?それとも1800にソレックス純正の34φというのは小さ過 ぎるのか? 今度MBW極悪弟号で試してみよう)タックイン99の2リッターは304カムで40φだと か・・・

余り参考になりません。どうも断片的なんですよねえ。統計だったものが無い、しかしベンチュリーの選 択というのはもともとそういうものなのだろう、と思い、余り深く考えずに39φを注文しました。39φ がちょうど中間だったから、というのが一番大きな理由です。もし間違いだったとしても、次を買うときの 参考になるでしょう。でも本音言うと、ベンチュリーってセッティングパーツにしては結構高いので(4個 で1万円)失敗するといやなんだよね。
#旋盤で削っちゃうのも手です。38くらいまでなら問題なく削れるでしょう。工賃は店によりばらつきが有るでしょうけど、まぁせいぜい一個1000円くらいでしょうね。削りすぎにはご注意、ミクニ純正の39φは素材から34φとは異なっていまして、ずっと丈夫な材質です。ベンチュリーが欠けてエンジンに吸い込んだら・・・大変ですからね。

さてベンチュリーを大きくすると、どういう現象が予測されるか整理しておきます。

まず、同じ吸気量でも流速が下がり、結果として負圧が減るので、ガスがジェットから吸い出される量が 減り、小さいベンチュリーの時と同じ空燃比を維持するには、当然ジェットは大きくしなくてはいけません。 たとえば径の大きい50φキャブではこの現象はより顕著に現れる事になり、メインはエアよりも大きく なります。44φでは基本的にエアはメインの50番増しですよね。

一方パイロット系はアイドリングではバタフライにより負圧が作られるため余り変化がありません。が、 そこから踏み込んでバタフライが開いた時には、やはりパイロットも吹きにくく(ガスが吸われにくく) なるために中間のつながりが悪くなり、パイロットも大きくする必要があります。ところがパイロットが大 きくなるとアイドルは濃くなってしまいます。そこで今度はパイロットアイドルスクリューを絞ります。こ うなってくるとキャブ編で出てきた「1.5回転戻し」は全く無視されることになりますが、もちろんそれで いいのです。

負圧が少ないので、フロート室にたまっているガスの量の変化によるジェットにかかる圧の変化の影響が 出やすいので、油面の高さの影響も大きくなってきます。
こういったことを頭に入れベンチュリーを交換します。
(ここからとあるHPの掲示板への書き込みを引用します)

MBWまつざき さん 2000年 03月 04日 18時 54分 23秒
ベンチュリー交換したっす。意外と大変でした。作業自体は単純そのものなのですが、インナーベンチュ リーを取り付けるコツをつかめなくて、結局3.4時間かかったかな。キャブをはずしたほうが結果的には 早かったかも。いらいらしないし。(あとショートのカールファンネル+ヒートプレートもイライラの原因)

エンジンかけるとえらくアイドリングが頼りない。すげー寒い日の一発目みたい。おまけに強烈なバックフ ァイアーにびっくりしました。セッティング中のLメカなんかではよく聞いた音ですがまさか自分の車がこ んな音を出すとは。なんか不安になりつつ、嬉しいような。

アイドリングはとりあえず点火時期をあげてごまかし、いそいそと走りに行きました。まずはジェットはそ のままで52.5の165です。
空ぶかしをくれると、どうもツキが悪いようです。フライホイールを替える前みたいになっちゃいました。 ジェットはそのままなので、思い切り全開はしないでおこう、と思いながらそろそろと走り出すと、なんと こそーっとアクセル踏んでいるだけなのに、2500から4000まででミスファイアーのような症状が出 ます。点火カットされたような感じです。バババっていうばかりで前に進みません。ジェットブロックが緩 んでいたときの症状を思い出しました。
その時トラストの空燃比計は薄いほうに振り切れていました。

その回転域を過ぎると一気に吹けますが、余りトルク感がありません。でもストレスなく7500まで吹 けるのが嬉しい!!今までは7000回るのがやっとでしたから。
排気音は少し割れるような感じになりました(マフラーは富士フレッシュマン用の直管です)。アクセルオ フ時のアフターファイアーも景気よくなりました。

予想どおり、症状からもメーターでも薄くなっていることが考えられます。当然濃くします。180にメイ ンを上げました。

その結果…びっくりしました。強烈に速いっす。

今はスタッドレスなのですが、一速はおろか二速でも食いません。こんなことは初めてです。 危なくてセッティングどころじゃあありません。
ただ悪いところもあって、シフトアップしたあとのツキがいまいちです。これはタイムに響いてしまうの で何とかしたいです。3000までのトルクも少し細くなりました。今まで乗りにくいぐらい下のトルクと レスポンスがあったので、少し物足りないです。
あとはとりあえず夏タイヤはいてからですね。

NuMaTeC さん 2000年 03月 05日 10時 49分 57秒
オイラも始めてB6に50φキャブ付けた時の事思い出すなぁ、あの時はとんでもないキャブ買っちまった と思いましたもん。上は物凄くいいのだけど下が最悪。軽自動車にも抜かれるしまつで…まあジェッティン グが決まればそう悪くもないのだけどね。マシンXは45φベンチュリー使っていましたから(^^;
8に39φベンチュリーならジェッティングが決まったら下がそんなに犠牲にならずに上が気持ち良くなる と思いますよ、でも上が気持ち良くなるともっと激しいカムが欲しくなるのが人情ってもので、カム を入れればもっと圧縮も欲しくなる…上ばっか使っているとそのうちブローして、次こそは!って思って… 泥沼の始まりです(笑)

セッティングその3に続きます。

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