TOP -週末の楽しみ〜Weekend Carpenter SIDE〜 -週末の楽しみ603

除雪機の整備/修理

去年の冬に、除雪機を買ったのです。


ヤマハのYSM870という古い型で、変速やシューターの向き・角度は全て機械的なレバー操作で行います(今時のだとMTのレバーみたいなのがコンソールに生えてます)。
冬の最中に買ったので、中古の玉数がなくて高い買い物だったわりに程度があまりよろしくなく。ペイントの痛みもひどかったのでグラインダで剥がしているところです。


地面をガリガリと削っていく部分ですね。見た目はひどく錆びてましたけど磨いたら綺麗になりました。下のグレードの除雪機だとこの刃がついてないのもあるみたい。


オーガ(グルグル回る刃の部分)ハウジング。


外側はそんなに傷んでませんでした。
過去に缶スプレーで塗装されてた分だけ削り落としました。


シューター。内側の塗装がすっかりなくなってました。最新のだと樹脂の板が貼ってあったりします。雪と擦れますからね。ベチャベチャの雪だと粘って詰まっちゃったりします。


シューターも外側はそんなにひどくありません。


オーガ。これも塗装します。
シャーピン一本折れて片側回ってませんでした。気づかなった・・・春先の堅い雪をかいた時に折れたみたいです。


バッテリーケース。これはサビが完全には落とせず、ジンクスプレーで塗装しました。


頑張りました、これ。


すごい量です。


マスクもえらい事になりました。


オーガハウジングやコンソールは外すのが大変そうだったので取り付けたまま、マスキングで対応。


久しぶりにガンを出してきたら古い塗料が固着してました。全バラにしてシンナーにドブ漬け。
シンナーの空吹きだけだと完全には綺麗になりませんね。


そうそう、ワーゲンさんの部品と一緒に塗装したんでした。


プラサフ入れると見違えますね。


うんうん。


製品名の入ってたステッカーは剥がしちゃいました。


何色に塗ろうかなーと考えてたのですけど。


結局手持ちの黒で塗りました。
本当はアーミーグリーン一色にしたかったのですけど。プラスチック部分が塗装で劣化してしまう可能性を考えると元の青と相性がいい色じゃないと、という問題があって。

オーガに使われているベアリングをチェック、シューターの摺動部にシリコングリスを塗って。後は組み立てるだけ。

ところが。冬になってさあ活躍してもらいましょう、と思ったら。なぜか調子が悪いのです。エンジンがハンチングします。


最初に疑ったのがガソリンフィルター。バグから抜いたガソリン使ったのでサビが混じったかなと。
しかしフィルターは白でちゃんとガソリンが流れてました。
次はキャブ。納車前に清掃した、と聞いてましたけど信用しません。
二つ並んでる黒い箱の右側はマフラー。左が吸気系で、エアクリボックスの蓋を開けてるところ。エアクリはなくて箱だけ。


わかりにくいと思いますけど、キャブアッシー。回しているのはアイドルエアバイパススクリュー。
銀色の筒がガソリン室。


ガソリン室は下側からボルト留め。銅ワッシャーが挟まってますのでペーパーで清掃、ボルトにはガソリンのカスがからまってますのでこれもワイヤブラシで清掃。


スプリングのついたボルトはドレン。こいつを緩めるとガソリン室を取り外すことなくガソリンを抜けます。


ガソリン室を取り外されたキャブ側。
筒が二本立ってまして、メイン系とパイロット系ですね。この写真で抜けてきてるのがパイロットジェットの役割しているやつっぽい。


横っ腹に穴が開いてまして。


先端に開いた小さな穴に繋がってます。おお、これは怪しい。いかにも詰まりそう。
入念に綺麗にしました。


パイロット系の筒(右)へはメイン系(真ん中)の筒からガソリンが送られています。この間の導通も確認。
この写真でフロートの下に小さくチェックバルブがあるのが見えます。


バラすとこうなってまして、チェックバルブはただの弁ではなくスプリングによりちょっと伸び縮みできるようになってます。


メインジェット取り外し。


メインジェット。60って番号が入ってました、見た感じも意外と穴がデカイです。


チェックバルブ→メイン系→パイロット系へのガソリンの流れに支障がないことを確認します。


小さくて可愛いベンチュリー。スロットルバルブにはガタがありますけど、基本全開で稼働していて、アイドル時も完全に閉め切る必要は無いので問題なし。


空気が入っていく側にはチョーク用のスロットルがあります。

んで、ここまでバラして清掃すりゃ直るだろと思ったら・・・直らなかったorz。


この写真でインシュレーターみたいなのが左に写ってます。


この部品。
ニップルが立ってて、負圧が取り出せるようになってます。


負圧の繋がる先がこの部品で、これ実は燃料ポンプです。


2枚のアルミ部品とプラスチックの膜、それらの間に挟まるガスケットで構成されています。


プラスチックの膜。これがエンジン負圧の脈動でペコペコする事でポンプとして機能します。
赤で囲んだ部分が弁の役割をする部分。問題はここにありました。ガスケットも同形状になっていたのですけど、ガスケットの弁部がプラスチックと離れてしまい開口を妨げてました。


切り取ってやって治療完了(切り取る前の写真は撮り忘れた)。


清掃して組み立て。カバーに開いた小さな穴はプラスチック膜のガソリンに接してない側に通じてます。エア抜きが無いと膜がペコペコできないもんね。これも小さな穴なので丁寧に掃除しておきました。


コンソール、ダイモテープで各レバーの役割を書いておきました。
トグルスイッチを一つ足してやって・・・。


ヘッドライトを足しました。LEDライトで、楽天で送料込2000円以内で買えます。角目もあります。ちゃんと夜使うのに十分な位明るいです。
このステーのシンプルな美しさに惚れ惚れしていただきたい(笑)。


8馬力あるんで相当無茶しても大丈夫、オーガハウジングより高く積もった雪や、除雪車に押し寄せられた硬い雪もスコップでちょっと崩してやれば豪快に吹っ飛ばしてくれます。


今年も頼むよん、相棒。

# 2016.02.06追記

左側のオーガのシャーピンが折れたので交換したのですけど。またすぐに折れてしまいました。
どうもオーガの刺さる穴が楕円になってしまっていて、ハンマー効果で折れるようです。


穴が変形しているのが分かります。ここでガタつくことでピンに負担が掛かり折れるんですね。


溶接で肉盛してドリルで穴を開け直し、余分な肉をグラインダで削り落としました。


反対側も同様に肉盛して。


リューターで丸く整形し直してグラインダーで駄肉を削除。逆側のオーガと比べてみましたがむしろ直したほうがガタが少ないくらいになってました。実際に稼働させてみましたが負荷を掛けてももうピンが飛ぶことはなく、これで問題ないようです。





TOPへ  
 
inserted by FC2 system