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ディスビ進角比較

ちょっと前のストV (vol.94、95)でも取り上げられていたディスビ。
ノーマルキャブの種類とディスビのマッチングについて詳記されていて、興味深い内容でした。
ウチのみたいなツインキャブの場合はどうなのか?


左が1200ccエンジンについていたディスビ。本来の'65エンジン用はもっと背が低くバキューム進角オンリー。このバキュ−ム・遠心進角併用ディスビは'72〜'79のデュアルポートエンジン用です。
真ん中がブラジルボッシュ009、右が新しく手に入れたジャーマンボッシュ009です。


どれがどういう進角をするのか、とても気になっていました。
ちゃんと調べておこうと思い、いつもお世話になってるメリーさんとこで代車号を使わせてもらいテストすることに。なんで自分のVWでやらないかというと、2ティップマフラーだとモロに排気浴びて具合悪くなるから(笑)。代車号はクワィエットで横に排気するのでかなりマシ。


どうしてこういうミスしますかね(^^;;;
ペイントを入れる方向が逆です。
上死点マークから時計回りに振らないと。外周15mmでちょうど10°です。


メリーさんのタイミングランプ。
回転数が出るのでこういう測定するには便利です。9999rpmを表示してしまったりバグも出ますがそれなりに使えます。
引き出しに載ってるのは負圧計。バキューム併用ディスビの測定用です。


もちろん手元にタコメータがあればそれでもOK。

んで結果。
ジャーマン009ブラジル009バキューム・遠心併用
1000rpm10°10°10°
2000rpm20°20°22°
3000rpm30°30°27°

3000以上ではどのディスビもこれ以上進角しませんでした。
009の結果はシンノスケさんのブログやストVvol.95の記載ともほぼ一致する結果ですが、バキューム・遠心併用ディスビの結果はストVの測定結果とかなり異なっています。

バキューム・遠心併用ディスビの負圧を掛けた場合の進角変化についても測定。三つ又を介して注射器とバキューム計とキャブを接続し、注射器のピストンを引きながら進角の変化を見てみると・・・
大気圧-15〜-20mmHg掛かったところでグイッと10°〜12°進角します。その進角の変化は唐突で非線形。シングルスロットルでの負圧の変化を見たことが無いのですが、多連スロットルの場合はちょっとでもアクセル踏んじゃうとほぼ大気圧ですから、アイドリングでしか負圧進角の影響は出ないってことになります。

んで、もう一つ気になっていたジャーマン009とブラジル009の違いなのですけど。上の表だと全く同じに見えますが、ちょっと違うんです。
ジャーマンは1000→3000rpmへの回転上昇に伴って比例的に進角していきます。ブラジルは少し進角が急で、2500rpmで30°に達していました→確かに差がありましたが世の中の売り文句ほどの差は無いですし、ベストな進角値はカム開度と圧縮比が絡んでくるので、どっちのディスビがイイとは簡単に言いきれませんね。

バキューム・遠心進角併用ディスビは、多連キャブで使うなら負圧を廃した状態でのアイドリング点火時期をやや高めに設定するとイイかも。009に変更することで上が伸びるようになったのですが、バキューム・遠心併用ディスビのままでもイニシャル点火時期から変えてやることで同じ効果が得られそう。2000辺りで009より進みますが圧縮低いので過渡でノッキングが出ることも無いでしょうから。
負圧無しだと2000前後の進角変化が009よりも急になるので、トルク変動が大きくなる理屈。これは走った感じも実際その通りでして、そういえば009よりちょっとだけギクシャクしてましたっけ。


おまけ。
ロードスターの1951ver.3(288°カム・圧縮12.0)の点火マップを見てみたら、2000rpmアクセル開度20%(街乗りでよく使う辺り)で19.5°、3000rpm35%で23.5°100%領域は4750rpmでほぼMAX近い進角値となり22.5でした。やっぱりカムがでかくなるとよく使う領域の点火時期は固定値に近くなってきますね。

進角20°以上だとエンジン始動が困難になりますので固定値で万事OK、という訳にはいかないですけど。





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