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MoTeC M4とPCの接続ケーブル

最近MoTeCとPCの接続が不安定なのです。EMPはMoTeCを認識しているものの、セッティング画面/View画面に入ろうとするとdate retrieveから先に進みません。いままでにないトラブルで、20年以上使っているケーブルが調子悪いんじゃないかと思い、メンテナンスとバックアップの作成を思い立ちました。


MoTeCのハーネスから9ピンD-sub端子(オス)が生えています(右側がそれ)。ここにパソコンを接続するのですが、M4は#3000以前と以降の2種類があり、前期はRS232C信号を直接入出力できず、PCとこの9ピンD-sub端子の間にRS232C信号/Logic Level(TTL信号)の変換ケーブルが必要です。左端が変換ケーブルのMoTeC側コネクター(メス)です。参考:接続ケーブル一覧
今でも公式ページに載っている(Part No:#63003、#63004が該当)ので購入することが出来そうです。

RS232C Dsub9ピンアサイン(端末装置側から見た信号線名で統一される)
端末装置/ホストコンピュータ 終端装置/モデム等
1 DCD Data Carrier Detect キャリア検出データ 1 CD Carrier Detect キャリア検出
2 RxD Recieve Data 受信データ 2 SD Send Data 送信データ
3 TxD Transmit Data 送信データ 3 RD Recieve Data 受信データ
4 DTR Data Terminal Ready 端末準備可 4 DR Data Set Ready データセットレディ
5 GND Ground 信号用接地 5 SG Signal Ground シグナルグランド
6 DSR Data Set Ready データセットレディ 6 ER Equipment Ready データ端末レディ
7 RTS Request to Send 送信要求 7 CS Clear to Send 送信可
8 CTS Clear to Send 送信可 8 RS Request to Send 送信要求
9 RI Ring Indicator 被呼表示 9    
10.11FG Frame Ground   11FG Frame Ground  
一般的なPCとモデムの接続であればストレートケーブルが、PC同士の接続ではRXとTXがひっくり返るようにクロスケーブルが使われます。
EMPに必要なのは
2:RxD 3:TxD 5:GND
のみです。
MoTeCのハーネス上のD-sub 端子のピン配列は
9:RxD 5:TxD 6:GND
となっており、同じD-sub端子でもRS232Cのピン配列とは異なっています。変換ケーブル上でRS232C信号/TTL信号レベル変換のみならず、ピン配列も変わっているんですね。(参考MoTeC Monitorの製作 1

M4 ~2999
pc level convertor harness

D-sub 9pin D-sub 9pin D-sub 9pin MoTeC connector
male female female male female
RXD 2 5 5 11
TXD 3 9 9 10
signal GND 5 6 6 9
signal level rs232c TTL

RS-232規格では、出力電圧は、"1"で -5〜-15V、"0"で +5〜+15Vに、入力電圧は -3V以下で "1"、+3V以上で "0"と判断されます。
一方のTTLの入出力レベルは、Hiレベル入力電圧: 2.0V以上、Lowレベル入力電圧: 0.8V以下。Hiレベル出力電圧: 2.4V以上、Lowレベル出力電圧: 0.4V以下です。
参考:CQ出版社


変換ケーブルのMoTeC側を開けると中にレベル変換用の基盤が入っています。チップはMAX202Eでした。この用途で最も知られているチップのようです。
コネクターの端子が基盤にダイレクトにはんだ付けされているところを見ると、TTLレベル/D-sub9ピンアサインも規定があるのかも知れません。ピン配列を変更することで、間違って変換ケーブルの代わりに普通のRS232C用クロスケーブル/ストレートケーブルを使ってしまってもMoTeCが破壊されないように配慮されているのかな?

# 2022.12.27追記

ググってたらRS232/TTLの変換器が売られているのを見かけました。しかしピンアサインがMoTeCのモノとは異なっています。TTLレベル/D-sub9ピンアサインには規定が無いのかも知れません。市販品を購入する際には注意しないといけないですね。
/追記



こちら側から配線が3本。1:電源供給、5:TxDの2ピンが基盤にハンダ付けされています。


反対側から1本。こちらも6:GND、9:RxDのみハンダ付けされています。
基盤に接続されている透明線はシールド用だそうで。
# ちゃけさんに教えてもらいました。


PC側コネクター。しょっちゅう付け外しするのでボロボロです。


PC側コネクターに繋がっている配線は3本だけ。


赤配線はシールド用で基盤から生えていた透明線とつながって折り返しています。


コネクターを入れ替えたかったのですが。ハンダを吸い取るのが面倒でやめました。端子を温めてハンダを溶かしちょっと足して、端子穴に226を吹き込んでやっておしまい。
せめてシェルを入れ替えたかったのですが用意した秋月のシェルには基盤が収まらなかった。


PC側はシェルとコネクターを交換できました(50円)。
これで変換ケーブルのアップデートはとりあえずおしまい。これで前述のトラブルは解決しました。ただ、これだけではやや不安があるので予備を作っておくことにします。



TTL〜RS232C変換用の基盤は純正のMAX202E以外にもあり、秋月電子でも買えます( 3V・3.3V・5V系-RS232レベル変換基板[AE-ADM3202])。


接続はこうなります。
# ここから下の写真はRXとTXの繋ぎ方が間違っているのでご注意を。通信できず、ピンアサイン見ながらしばらく悩んで気づきました。配線を途中で切ってひっくり返して繋ぎなおしたら通信出来ました。


MoTeC側D-sub端子。
純正(右)はMoTeC側に基盤が付きますが、秋月(左)のはPC側に基盤が来ます。
基盤の有無は違ってもピンの役割は変わりません。6、9のみ接続します。
# 左のオレンジ線/黄色線が逆です。


裏面も同様に、1、5ピンのみ接続されています。
# 左のオレンジ線/黄色線が逆です。


秋月のPC側D-sub端子。2番3番5番のみハンダ付けすればOKですが、強度を出すため全ピン固定しました。裏側の6〜9ピンはハンダ付けの必要はありません。
JP1と書かれた場所が基盤に載っているレギュレータICを使うかどうかを決定するためのジャンパーランド。レギュレータICを使うと電源電圧に関わらず3.3vのI/O信号(LVCMOS)を作ることが出来ます。MoTeCのI/O信号はTTLで、電源電圧の5vがそのままI/O電圧として使われますのでこのレギュレータICは不必要=JP1は短絡しません。
# こちら側の配線は合っています。


秋月のシェルの中に変換基盤がぴったり納まります。


どっちがどっちか分かるようにラベリングして完成。
1000円くらいで変換ケーブルが出来ました。予備としては十分かな。


# 2022.12.25追記
ちゃけさんからクリスマスプレゼントが届きました。


これが一番信用できますね(^^)。
/追記





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