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ベースエンジン分解 4


上死点を出した気筒のコンロッドから抜いていきます。ハンマーの柄で軽く押すと抜けますが、シリンダーの内壁とコンロッド大端部を、クランクの軸受けにコンロッドのスタッドボルトを、それぞれぶつけないように支えてくださいね。良く見ると分かりますが、純正ピストンの状態も良くないです。今までバラしたBPの純正ピストンはどれもスカートの真ん中より少し上で強く楕円形に当たった跡がありました。上を盛り上げたマツダスピードハイコンプやNBピストンではより首振りが強くなりますから、さらに当たりも強くなるでしょう。それでも純正ピストンだけあってシリンダーとの相性は計算されているらしく、距離を走ってもさほどパワー面でのヘタリは出ないです。


子メタルの状態。非常によろしくないです。合い口部分ではなくロッド真下で油膜が途切れた跡があります。


コンロッドキャップ側。こちらも真ん中でピンに接触した跡があります。オイル管理が悪かった為でしょうねえ。


コンロッドの合い口部分にはメーカーが合わせマークを打ってます。万が一キャップとロッド本体の組み合わせが分からなくなってもよく見ると判別できます。ロッド側面は疲労破壊することもありえますが、大端部のこの部分から疲労破壊することは考えにくいので、メーカーは多少の傷は問題としないのでしょうね。大端部のトラブルはクローズインですから磨いても意味無いです。
もちろん1951にはキャリロH型コンロッドを使用するので、これらのコンロッドはそのままストックに。


コンロッドが外れたらクランクの取り外し。取り外したクランクは使いません。1974に使っているクランクは既に軸受けを磨いてありますし、ダイナミックバランスも取り直してありますので。さらに、メタルは確認して問題なければ、1974に使っているF1ブラックメタルをそのまま使用する予定なのですが、この測定がシビア。親メタルはプラスチゲージでもまだ何とかなるんですが、子メタルは無理。なので相性を合わせてあるクランクとコンロッドは変更しないと。
クランク曲がり測定もやる気なし(笑)。1974のクランクより振れ少なかったら変な欲が出ちゃいますから。


親メタルのキャップ側。これも当たり強いです。左端の筋が出ているのは#5。クランクが暴れたかジャーナル断面が台形になってるんでしょう。#1#5でありがちな擦れ方です。子メタル同様に一部分だけがピカピカの鏡面になってるメタルもあります、これはオイル管理の悪さからでしょうかねえ。
これでバラシは終了です。あとはブロックのオイル穴に軽くブレーキクリーナーとエアブロー噴射、出てきたオイルを拭き取って終了です。ボーリングから上がってきたら徹底的に洗浄します。
ここまでの作業時間は、ゆっくりやって6時間くらいでした。大量にストックパーツが出るので、その片付けなんかにこの後で意外と時間とられるんですけどね。



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