点火時期補正ユニットロードスターの点火時期はECUにより『吸入空気量×回転数』という2次元のマップに従って進角しています。そこでNA8をキャブ化した場合、点火時期は元々のECUをそのまま使用して進角させるのが普通ですよね。原理的には、エアフロを残してキャブからエアフロまでのパイピングを作り、吸気流量を測ることも出来ます。この方法なら2次元マップをそのまま生かすことが出来るのですが、格好悪いし、吸気音が聞こえなくなるので私的には絶対にやりたくないですね(笑)。当然ファンネル剥き出し男の子仕様。
エアフロを配線したままにして、配管せずにエンジンルームに吊しておくと(やったことはないですが)マップの最小空気量域を回転数の上昇に応じて読むようになるのかな? エアフロにダクトで走行風を導入し、車速で進角を変化させるのも面白いかもしれませんね(<大嘘)。
点火マップの吸入空気量が少ない領域は大きく進角されていますので、走るとノッキングの嵐だろうと予測されますが、クランクアングルセンサーを回して、イニシャルから遅らせてやれば何とか走れるかもしれません。しかしキャブなのにエアフロが残っているっていうのも格好悪いので、何とかしてエアフロを外してしまいたい...そこで登場するのが市販されている『点火時期補正ユニット』ですね。 私はかつてこのダミーユニットにかなり悩まされました。 ノーマルエンジンの頃は点火時期に無頓着だったせいもあり、このダミーユニットに問題アリとは全く思っていなかったのですが、ハイコンプにしたとたんに否応なしに点火時期について、また方法について真剣に考えなくてはいけなくなりました。タイミングランプで見てみると、このユニットをポン付けした状態では、中回転で点火時期が恐ろしいほど進んでしまっていました。
測定データが正確に残っていなかったのですが、水色の実線のようになるはずです。2000rpmでの盛り上がりと4000rpm辺りの山が強烈です。このままでハイコンプエンジンを回すとすさまじいノッキングが出ます。とてもクランクアングルセンサーで遅らせる程度で対応出来る様な状態では有りません。遅らせて中回転でのノックを消すと、高回転で排気温度が上がり、イニシャルの点火時期も低くなりすぎてアイドリングもままならないのです。
下側の2本のグラフはITCのダイアル調整量を示してます。こんな具合に色々と考えて試したのですが、補正ポイントが少ない(800,2400,4000,5600,7200)ために例の山を削ることが出来ずかなり辛いんですね。
ダミーの信号を入れてノーマルのマップのどこかを読ませているのだから、ユニットを改造してもっと進角の山がなだらかな領域を読ませられれば何とかなると思い、まずはマップと実測したグラフとを見比べてみました。しかし実測値は最小吸入空気量のマップに似ていましたが、正確にはどの吸入空気量のラインとも違っていました。何故だろう? その後ITCを導入し、更にhideさんの助けでロムを書いていただけるようになって、納得のいく1次元セッティングが出せたのは「点火時期の実際のデータ」と「点火時期(ロム)」に書いたとおりですが、このダミーユニットはそのままになっていました。キャブロムならこのままでも別段問題は無いのですが、納得がいっていない物を使っているというのも、何だか気分が悪いのでまたもやhideさんと相談してみました。
題して
要求は これら2つの点をクリアすることでのメリットとして
どうでしょ? 試作品は抵抗値を2段切り替えとしました。普段使用しているキャブロムでは、吸入空気量に関わらず全域同じグラフが描かれているので、読む位置が変化したかどうかのテストが出来ません。ノーマルロムに差し替えてテストしました。ノーマルのマップと実測値を見比べることで、入力信号とエアフロ流量の関係も分かります。 3500回転まで回して実測してみた結果はこんな感じでした。
さて、これはマップのどの辺りを読んでいるのでしょう? ノーマルのマップと見比べてみると
ちなみにエアフロ流量最大での点火グラフは一番上の図の黒の実線の様になります。
さらに新ダミーユニットに専用のロムを併用すると...
私の場合はITC(サブコン)でいじれますので、今となってはそれ程必要性は感じませんが、『2』の使い方が出来るとサーキットで役に立ちそうです。ぎりぎりまで進めるのが好きなために、走行会中吸気温度上昇によると思われるノッキングを感じた経験は何度もあるのですが、グローブを着けた手であの小さいダイアルをいくつも回すのはちょっと大変。クリック感が分からないので回し過ぎる事も... 欲しいって思った方はこちらへどうぞ。お小遣い稼ぎ企画です(笑)。 |